さて、ディズニープラス月間とした今月ですが、お次はこの作品。
根がセコイので、せっかく見るなら、当面はここでしか見れないと思われる作品を選びました。
2015年くらいまでは、WOWOWで撮り貯めた映画が、かなりありますので、基本はそれ以降製作された映画で、普段はあまり見ないような作品。
見た映画に関しては、どうしても拙いイラストを描きたたくなるもので、既にイラスト状態であるアニメ作品以外のものということになります。
本作は2021年の公開となっていましたから、出来立てのホヤホヤ。
ディズニーとがっちりタッグを組んでいるマーベル作品です。
2020年の公開予定が、今回のCovid-19 騒動で延期されてしまい、去年になってやっと公開され、このディズニープラスで「見放題」作品になったのもつい最近のこと。
ここで見れる最も旬な作品の一つということになります。
マーベル・コミック出身のヒーローたちが、映画界において大活躍している状況はもちろん知っています。
そして、そんな彼らが、自作の枠を飛び越して、アベンジャーズというチームとなって、共同戦線を組み、地球をスーパーヴィランの魔の手から救うというオールスター映画になっているのも承知。
そして、そんな映画群が、興行成績では、次々と全米の興行成績を塗り替えているのですから、やはり映画ファンとしては、好みではないからと、斜に構えて、素通りしてしまうのは大人気ないという話です。
こういう機会にしっかりと見ておくことにしました。
これまでに見たマーベル作品といえば、つい先日見たのが、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーズ」。
これは、アベンジャーズ・シリーズの3作目でした。
本来であれば、一作目から見ておくべきところでしたが、中途半端なところから見始めてしまい、背後にあるアベンジャーズ・ワールドは全くのチンプンカンプン状態。
それでも、その圧倒的なビジュアルで、それがわかっていなかろうと、映画は十分に楽しめるようには作ってありました。
こんな作品は、今の日本の映画力では絶対に作れないなとため息をついたものです。
一本にかける製作費も桁違いですが、問題はそれだけじゃないな。
まあいいや。
そして、この作品にも、本作のヒロイン、ナターシャ・ロマノフは登場していました。
演じていたのは、スカーレット・ヨハンセン。
Wiki によれば、彼女は、一連のシリーズで、このスーパー・ヒロインを演じてきたことで、今やハリウッドで最も稼ぐ女優の一人になっているそうです。
ブラック・ウィドウこと、ナターシャ・ロマノフは、S.H.I.E.L.D.というアベンジャーズ・チームの紅一点。
本作は、その彼女のいわば単体活躍作品です。(AVみたいな言い方で失礼)
ナターシャ・ロマノフは抜群の身体能力を持つロシアの女スパイという設定。(違ってたらごめんなさい)
ですので、本作はSF作品というよりは、スパイ・アクション映画というカテゴリーに入るのかもしれません。
女性版007ということにもなりそうですが、そういえば、007シリーズの第二作目「ロシアより愛をこめて」では、タチアナ・ロマノワというソ連(当時の呼び方)の女スパイが登場しました。
ナターシャ・ロマノフのコミックにおける初登場は、この「ロシアより愛をこめて」が映画化されて公開された直後のことですので、このネーミングには、多少なりともその影響があったかもしれません。
オールド映画ファンとしては、すぐにそれを連想してしまいましたね。
演じたダニエラ・ビアンキは、身体能力よりも、お色気でジェームズ・ボンドに迫っていました。
世界中から「娘たち」をさらってきて、特殊訓練とマインド・コントロールを施し、彼女たちを使って、世界を支配しようと企んでいるのがレッドルームという組織。
この組織を妹と共に脱出したことで、命を狙われることらになったナターシャは、この組織を壊滅させて、「ウィドウ」たちを解放しようと、超人的な活躍をしていくというのが本作のメイン・ストリー。
いってみれば、こんな世界は映画の中でしかあり得ないというようなSFチックな世界を、圧倒的にお金をかけたビジュアルで、見ているこちらを、力づくで納得させてしまうというのが、他国の追従を許さないアメリカ映画の底力でしょう。
スーパー・ヒロインというとDCコミックの方にも、「ワンダー・ウーマン」がいますね。
日本の場合ですと、抜群の身体能力や特殊能力で、悪者をバッタバッタと薙ぎ倒す単体スーパー・ヒロインというと、すぐに頭に浮かぶのがアニメの「キューティ・ハニー」ですが、これはキャラとして知っているというだけで、見たことはありません。
オジサンの世代で永井豪といえば、「少年ジャンプ」連載の「ハレンチ学園」まで。
女子が主人公のアニメといえば、「魔法使いサリー」か「ひみつのアッコちゃん」ですが、彼女たちは可愛い少女ヒロインで、地球を滅ぼそうとする悪役は登場しません。
悪と戦うヒロインといえば、我が国では多くの場合、チームの中の紅一点として登場する場合がほとんど。
アニメでいえば、「サイボーグ009」の003、「レインボー戦隊ロビン」のリリィ。
実写なら、古くは「忍者部隊月光」の銀月、「ウルトラマン」のフジ隊員、「ウルトラセブン」のアンヌ隊員などでしょうか。
そして、忘れてならないのがこの人。
味方だか敵だかわからない怪しげなキャラで、お色気という武器を持ってアニメの世界に颯爽と登場し、主役の「ルパン三世」を翻弄させ、こちらの胸をワサワサとさせてくれたのが峰不二子。
還暦越えの僕らの世代で、スーパー・ヒロインといえばこの辺りまでですね。
そう考えると、「ブラック・ウィドウ」や「ワンダー・ウーマン」のように、単独で主役を張れるアクション系のスーパー・ヒロインが、僕らの世代ではちょっと浮かびません。
なんとかレンジャーのシリーズになってくると、完全についていけなくなっていますし、Amazon プラスで見られた劇場版の「新世紀エヴァンゲリオン」は一気に鑑賞しましたが、ヒロインの綾波レイは、ぼちぼちいいオジサンになり始めている、かつてのファンたちも、いまだに夢中にさせていますが、残念ながら主人公ではないし、どちらかといえば少女キャラで、僕の中でのスーパー・ヒロインの系譜には入りません。
申し訳ありませんが、オジサンのような筋金入りのスケベが、スーパー・ヒロインに求めるのは、セクハラ親父だ、女性蔑視だなんだと言われようが、ここでハッキリと申し上げておきます。
やはり、お色気ですね。
これなくして、ピンのスーパー・ヒロインにはなれず!
これは、思春期の一番多感に頃に、007のボンドガールの悩ましい魅力にクラクラさせられてきた世代の映画ファンに刷り込まれてしまった本能と言ってもよろしいかもしれません。
ですから、個人的にはなんといっても強烈なバスト・アピールこそが、スーパーヒロインには、絶対欠かせない条件ということになります。
従って、悪と戦う強いスーパー・ヒロインに、絶対にFカップ未満はあり得ない。
まずはこう申し上げておきたいわけです。
さあ、そこで本作です。
本作は、原作のコミックの方こそ見ていませんが、主演のスカーレット・ヨハンセンのナイスバディは誰もが知るところ。
まずは白状しておきましょう。
お恥ずかしい話、このヒロイン役で、ハリウッドNo. 1女優の栄華に輝いた彼女が、おそらくはとんでもない額のギャランティをもらって演じているはずですので、その感謝も込めて、多少なりともハリウッド・トップ女優の「お色気」ファン・サービスはあるかもしれないなどと期待してしまいました。
申し訳ありません。
しかし、本作においては、度肝を抜くアクション・シーンの数々に驚かさるばかりで、残念ながら彼女のお色気シーンは皆無でしたね。
彼女のナイス・バディは、ぴっちりした戦闘服の中に最後まで隠されたまま。
今のハリウッド女優なら当たり前の、バスト・アピールは本作には皆無。
キス・シーンすらありません。
とにかく、スカーレット・ヨハンセンは、本作では徹底的にアクション俳優を全うしていました。
クレジットを見れば、彼女は主演の他に、製作総指揮にも、その名を連ねていましたので、ハリウッドNo. 1女優として、本作への発言権は相当あったものだと推察します。
おそらくは、本作の主役を演じる条件として、自らのお色気路線を封印することには、かなりこだわったような気がするんですね。
この人のキャリアを見ると、2019年の「マリッジ・ストーリー」では、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされるほどの、堂々たる演技派でもあることがわかります。(これは未見)
その彼女が、実際には演技もへったくれもない、圧倒的なスーパー・ヒロイン・パワーで、女優としてのキャリアを駆け上がり、映画界の頂点にまで昇り詰めてしまったことに対するジレンマのようなものがあったのではなかろうかと思ってしまいます。
しかし、ナターシャ・ロマノフが、アカデミー賞に輝くような演技をウリにしたら、果たして「ブラック・ウィドウ」は、これだけの興行成績を稼ぐような面白い映画になったかという問題は残りますね。
やはり本作における彼女は、「カッコイイ」こそ全てで、誰もこの映画に、彼女のアカデミー賞演技など求めてはいない。ちょっとそんな気がします。
そして、それを誰よりもわかっているのは、実は彼女自身だったかもしれません。
演技派としてもやっていけるというプライドが、お色気サービスまで提供して、本作の興行成績を上げることを潔しとしなかったのではないか。
本作を見て、ずっと感じていたのは、ファンの望むことは重々承知しているが、そんなサービスなどしなくとも、私の映画は充分に面白いのよといっている彼女の女優としてのプライドのようなものでしたね。
ナターシャの妹エレーナを演じたフローレンス・ピューは、コロナ騒動になる前の最後に映画館で観たホラー映画「ミッドサマー」で主演をしていたから覚えています。
映画中盤レッドルームの暗殺サイボーグであるタスクマスターが、そのマスクを外したら、中からもう一人知っている女優ができました。
「007慰めの報酬」で、エキゾチックなボンド・ガールを演じたオルガ・キュリレンコ。
もちろんお二方とも美人女優ではありますが、フローレンス・ピューはどちらかといえばポッチャリ系ですし、モデル出身のオルガ・キュリレンコは、そのスラリとした長身の肢体は、タスクマスターの鋼鉄スーツで封印されて、顔には傷が・・
つまり、普通に見て、正統派の美人は、彼女だけなんですね。
女優の魅力において、自分が共演女優に食われることがないように、キャスティングにも、製作総指揮として、口を出していたとしたら、スカーレット・ヨハンセンも大したものです。
いやいや文句など言いますまい。
それくらいのことが当たり前でないと、到底ハリウッドNo. 1女優の地位など築けるワケはないのかもしれません。
とにかく、今や人気実力ともに絶頂のスカーレット・ヨハンセンの、ナターシャ・ロマノフへの役作りは、徹底的なアクション俳優としてのこだわりです。そのメイクも、公式な場に登場する彼女と比べれば圧倒的に控えめです。
しかし盛者必衰が理の映画界です。
人気絶頂な彼女も、いつかはその人気に翳りが見え始め、それなりに年齢も重ねた彼女に、もしもまた「ブラック・ウィドウ」へのオファーがあったとしたら、彼女がどうするか。
映画業界の常として、背に腹は変えられない起死回生の役作りに、お色気プラスのサービスもする気になるかもしれないと期待してしまうのが、スケベ映画ファンの悲しい性です。
フェミニストの皆様に対しては、ここはひたすら陳謝あるのみ。
映画におけるスーパー・ヒロインは、常にセクシーであれ。
しかしながら、そこに頼らずに、「ブラック・ウィドウ」を、成功に導いたスカーレット・ヨハンセンは大したものですが、アンジェリーナ・ジョリーだとて、今となってはやりたくてももうララ・クロフトは演じられません。
残念ながら、女優の旬は短いもの。
演技派路線は、続けていれば年を重ねても花開きますが、セクシー路線だけはリミットが有ります。
スカーレット・ヨハンセン様。
どうか「やり時」だけは逃されませぬように。
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