ユーミンのナンバーで、「まぶしい草野球 」という曲があります。
1980年発売の傑作アルバム「SURF&SNOW」に収録。
♪
風の外野席 手のひらかざして
青い背番号 たしかめてみる
エラーの名手に届けるランチは
クローバーの上 ころがしたまま
まだ季節浅く 逆もどりの天気もあるわ
やっと気づいてくれた
その心の行方のように
♪
草野球に夢中な彼氏を、そっと応援する彼女の気持ちを歌ったユーミンらしいハートウォーミングな曲です。
さて、ではこの曲、季節はいつ頃でしょうか。
その昔、ユーミンのナンパーを、1月から季節順に並べて、「ユーミン・カレンダー」というカセットテープを作って、当時のガールフレンドにプレゼントしたことがあるんですね。
1月が、「A HAPPY NEW YEAR」
2月が、「BLLIZARD」
3月が、「最後の春休み」
そして、その「ユーミン・カレンダー」の4月にエントリーさせたのがこの曲でした。
その根拠は、歌詞のこの部分。
「まだ季節浅く 逆もどりの天気もあるわ」
これは、お天気用語でいうところの「三寒四温」。
冬から春に変わる時期は、三日間寒く四日間暖かくなる、この周期を繰り返し春になるという意味の4文字熟語。
三寒四温はもともと、冬に大陸に発達するシベリア高気圧の勢力がおおよそ七日周期で変化することをいったもの。
シベリア高気圧の勢力が強い時にはそれだけ寒冷な空気が流れ出てくるので寒さが厳しくなります。また勢力が弱くなると、冷気の流れ出る量が少なくなるので寒さがゆるみ暖かくなります。
ですから、シベリア高気圧の影響を受けやすい中国大陸北部や朝鮮で顕著なのですが、日本では、この冬型「三寒四温」よりも、春に入ってからの四日周期のほうが顕著のようです。
まず、移動性高気圧が通過すると気温が昇り、次の日には低気圧が通り雨となり、三日目は天気があがり、強い西風が吹き気温が下がり、四日目には移動性高気圧が近づき風が弱くなりしだいに気温が上がる、というぐあいです。
ですから、日本での「三寒四温」は、ちょうど今の時期、寒冷前線と温暖前線が、日本上空を交互に通過する時期に起こるというわけ。
季節の移り変わりに人間の体は敏感です。
このお天気のリズムに乗れれば問題ないのですが、この季節、ちょいと油断するとカゼを引くことになります。
昨日は暖かかったなと思って、その薄着のまま、家を飛び出すと、本日はちょいと肌寒い。
家に戻って、ジャケットの一枚もとってくればいいものを、いや面倒くさいから、そのままいっちゃえ。
それで、夕方には、クシャミ、ハナ水で、「ハークション!」
まあ、そんなことを繰り返しながら、だんだん春になっていくというわけです。
実はかくいう私も、春先は、調子にのってしまうタイプ。
学生の頃は、この季節、誰よりも早く、半袖になって、街に繰り出していたものでした。
今年も、「さあ、春だ」といい調子になって、掛け布団をうすいのにかえたところで、見事に風邪を引きました。
どなた様も、季節の変わり目には、ご用心。