監督は、ジャン=ピエール・ジュネという人。
前作が、「エイリアン4」でしたから、かなり趣の異なる作品を撮ったものです。
この映画、パリ・モンマルトルを舞台に、一人の女の子の日常を、独特のタッチで描き、フランスでは国民的大ヒットを記録。
ストーリーといえば、こんなかんじ。
アメリは、周囲と満足なコミュニケーションが取れない不器用な少女。
そのまま成長して22歳となったアメリは実家を出てアパートに住み、モンマルトルにあるカフェで働き始めます。
彼女はクレーム・ブリュレの表面をスプーンで割る、パリを散歩し石を投げ水切りをする、この瞬間にパリで何人がオーガズムに達しているか妄想するなど、一風変わった一人遊びと空想にふける毎日。
ある日、彼女は持っていた化粧水瓶の蓋を取り落としてしまい、転がった先のバスルームのタイルの中から小さな箱を発見します。
中に入っていた子供の宝物を持ち主に返そうとした彼女は探偵の真似事をして前の住人を探し、箱を持ち主に返して喜ばれたことで、彼女は「人を幸せにすること」を趣味にし始め・・・
てなことで、実はこの映画、単純にストーリーを説明しただけでは、その魅力はちょっと伝わりません。
つまりこれは、この映画が、ストーリー展開よりは、「タッチ」で見せる映画だからですね。
タッチというのは、あくまでタッチですから、これを文章で説明するのはちょっとと難しい。要するに「味わい」を楽しむ映画だということです。
好きな男性の前に立って、突然、バクバクする心臓が透けて見えたり、消え入りそうな気分になって、水になって流れてしまったりと、おもわずニヤリとしてしまう、大胆でみずみずしいセンスにあふれた演出が随所に見られます。
主演は、オドレイ・トトゥという女優さん。
これだけ、強烈な印象の映画に出てしまうと、この彼女、ちとその後がしんどいかもしれません。
最近では、「ダビンチ・コード」なんかに出ていましたが、やはり「アメリ」ほどの印象はの越せませんでした。
日本でこの作品を企画時点で買い付けたのは、ホラーやゲテモノ専門の配給会社アルバトロス。
監督の前作が、「エイリアン4」でしたから、完全にホラーと当て込んでの先物買いだったんでしょうね。
担当者も、買ってビックリ。
まさか、この監督が、こんな映画を撮るとは夢にも思っていなかったのでしょう。
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