「知的粗食の健康法 長生きの決め手 高タンパク・高カロリーは早死にのもと」
とまあ、こんな本を読んでいたんですね。
読んでいたというのは、1983年のこと。今を去ること24年前。
当時の僕は、勤めていた小さな出版社が倒産して、とりあえず実家の本屋を手伝っていた時期。
とにかく、貯金なんてまるでないところに持ってきて、給料もお小遣い程度。
実家でしたから、とりあえず、衣食住は何とかなっていましたが、「遊ぶ」金は皆無。
毎度毎度、友人から、おごってもらうのも気が引けましたから、とにかく、家を出ませんでしたね。
で、何をやっていたかというと「読書」。
本だけは、「売るほど」ありましたから、あの当時のベストセラーだった本は、ほとんど読破しておりましたね。
もちろん、売り物でしたから、読み終わってもちゃんと売れるように、気を使いました。
自分で買ってしまえば、気になったところには、折り目をつけたり、書き込んだりもしたのですが、そうもいかないので、今考えるとビックリしてしまうのですが、いちいち手帳にメモしておりました。
あの当時。我が実家で、僕の読み古しの本を買われた方、どうもすいません。
さて実は、そのメモというのが出てきたんですよ。
その中に、タイトルの本があったというわけです。
自分で言うのもなんですが、24年前の僕はスマートでしたよ。
たぶん、頑張ってダイエットした今の体重と、ほとんどとかわらなかったんじゃないかな。
でも、今と違うのは、あの頃は、高蛋白、高カロリーの食事を、ガツガツ食べていたということ。
ケンタッキーフライドチキンなら、3ピースにポテトのLはあたりまえ。それにラージサイズのコーラ。
一週間に一回は、焼肉食べ放題。
自分の机の引き出しには、常にポップコーンか、ポテトチップス。
20年後には中性脂肪に化ける要因を、ひたすら、体内に蓄積していた時期ですね。
でも、この本を手に取っていたということは、このまま、この食生活を続けているとまずいぞという自覚くらいはあったのでしょう。
しかし、「おいしいもの大好き」という本能には従順で、誘惑にも素直であったため、結局「糖尿病」になってしまう、20年後の本日まで、食物繊維をバッチリとる「粗食の健康法」は、実行されることはありませんでした。
この本、24年も前の「カッパブックス」ですが、今その手帳のメモを読み返してみても、しみじみといいことが書いてあります。
著者は、 辻啓介氏。出版社は、 光文社。
発行年月 は、僕が、実家にこもっていた、 1983年7月。
曰く、
「主食として、玄米や全粒パンを、体にいいとわかっているのに、なぜ食べることができないか、それは、口で食べているか、頭で食べているか。違いはその一点にかかっているといえるでしょう。」
曰く、
「疲れたら、コンのつくものを食え」というのがあります。ダイコン、レンコン、コンニャク・・・」
曰く、
「昔の日本人と今の日本人の食生活の決定的な違い、それは食物繊維の摂取量にあるのです」
曰く、
「子供のときに肥満になると、そのうち正常な位置に戻れるのは、なんと28人に一人だということです。」
曰く、
「いわゆる、おふくろの味に代表される、粗食と思われていた食事こそ、日本人の英知そのものだったのです。」
24年前の自分に一言。
「学習しているなら、ちゃんと実践しとけ!」
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