「羊たちの沈黙」の大成功後、原作者のトーマス・ハリスは、完全に姿をくらませてしまったんだそうです。
彼は、5年後、イタリアのフィレンツェにいました。
前作のヒットによる雑音をシャットアウトして、次回作の構想に浸るための海外逃亡ですね。
しかし、かれはこの地で、着々と新作の準備をしていました。
そして、満を持して執筆されたのが、「ハンニバル」。
この小説は日本だけでも180万部を売った大ベストセラーになりました。
この小説で、前作で脱走を果たしたハンニバル・レクター博士は、フィレンツェに逃亡していたことが明らかになります。
彼は、5年後、イタリアのフィレンツェにいました。
前作のヒットによる雑音をシャットアウトして、次回作の構想に浸るための海外逃亡ですね。
しかし、かれはこの地で、着々と新作の準備をしていました。
そして、満を持して執筆されたのが、「ハンニバル」。
この小説は日本だけでも180万部を売った大ベストセラーになりました。
この小説で、前作で脱走を果たしたハンニバル・レクター博士は、フィレンツェに逃亡していたことが明らかになります。
前作で、クラリスを演じたジョディ・フォスターに変わり、「ハンニバル」で、クラリスを演じたのはジュリアン・ムーア。
クラリスは、今作では、一人前のFBI捜査官になっています。
その彼女に、レクターから一通の手紙が届きます。
「クラリス。今も羊たちの悲鳴は聞こえるかどうか。それを教えたまえ」
この映画「ハンニバル」は、かたや犯罪者、かたや正義の執行者FBIの捜査官という両極端にいる二人の、恐ろしくもおぞましく、そして運命的な「愛」の物語ですね。
それは、衝撃のラストシーンで、判明します。
それにしても、このラストはちょっとすごい。
ゲイリー・オールドマンが怪演した、レクターに顔を食いちぎられ復讐に燃える大富豪メイスン・バージャーのグロテスクに造形も充分インパクトはありましたが、そのキーパーソンをラスト前にサッサと殺してしまってからの、ラスト15分。
これがなんとも絶句です。
これって、やっぱりここで語ってはいけないんでしょうね。
しゃあない。やめときましょう。
しかし誰だ、こんな人間の生理的嫌悪感の限界に土足で踏み込むようなシーンをやりたがるやつは。
そう思って、監督の名を確認したら、この作品の監督は、リドリー・スコット。
「やるな、この人なら」という感じで納得してしまいました。
もともと、この作品は、製作前から、大ヒットは約束されていたような作品ですから、監督としても、ある意味、やりにくかったかもしれません。
そのせいかどうか、映画のラストは、原作とは大幅に変更されています。
まあ、監督としては、それまでしても、映像的表現として、原作のラストよりも、このラストにこだわりたかったのでしょう。
しかし、この手のグロテスクなサイコホラーに、これだけの予算とスタッフやキャストをつぎ込んだわけですから、前作「羊たちの沈黙」の大成功の影響は、やはり大きかったということでしょう。
面白くないわけがないという感じですね。
まあ、前作との比較をすると、その評価は、分かれるところでしょうが、僕としては前作「羊たちの沈黙」よりも、こちらの方に軍配が上がります。
ハリウッドでB級モンスター映画を作り続けていたロジャー・コーマン監督が言っていたセリフが頭に浮かびます。
「頼むから、この手の映画は、俺達にまかせてくれないか。あんた達にやられたら、おまんまの食い上げだよ」
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