スピルバーグ、ハリソン・フォード、そしてジョージ・ルーカスの意思が一致し、実に前作から、19年ぶりのシリーズ第4作として『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が公開されています。
もちろん、見に行きません。
来年のゴールデンウイークくらいには、衛星放送でオンエアされるでしょうから、新作のレビューはそこで書くことにします。
ごめんなさい。
そこで、今回は、シリーズ第一作をちょいとマナ板にあげましょう。
このシリーズ第一作は、いわずと知れた「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」
「スター・ウォーズ」を監督したジョージ・ルーカスが、興行的失敗の可能性を感じ(今考えれば信じられない話ですが)、ハワイに逃避していたとき、「未知との遭遇」の撮影を終えて休暇をとっていた、スティーブン・スピルバーグが合流。
ちょうど次回作の話で、「007」シリーズのような作品を作りたいと言うスピルバーグに、ルーカスが明かしたのが、この「レイダース」の企画でした。
製作はルーカスフィルムで行い、この休暇で、ハワイから帰った半年後に、ルーカスは、正式にスピルバーグに監督を依頼。スピルバーグは、これを引き受けます。
この映画、中規模予算の作品ながら、大ヒットを記録し、続編として『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989年)が製作されたのはご所存知のとおり。
ルーカスはスピルバーグに「絶対に予算オーバーしないこと、撮影スケジュールを厳守する」という条件を付けたといいます。
すでに、この頃から、ルーカスには、プロデューサー的資質があったようですね。
ルーカス自身も監督ですから、「もし守れないなら、いつでも私と交代させる。」といえてしまうわけですから、このあたりは強みです。
しかしこの映画、批評家の間では、「お金をかけたB級ムービー」というレッテルを張られてしまうことになり、スピルバーグ自身は、この映画には、「僕は、あの映画では、完全に雇われ監督だから」と、終始否定的なコメントを公言しておりました。
でもどうでしょう。僕も含めたファンの間では、この映画の評判はけして、悪くありませんよ。
B級だろうとなんだろうと、こちらとしては、お金を払って見に行っている娯楽なんだから、面白ければ文句はない。つまりそういうことです。
タランチュラ、無数の毒蛇、第2作では大量の虫、第3作では大量のネズミとシリーズを通して見られるゲテモノ趣味。
「魂の井戸」の中で、インディとサラーがアークを持ち上げるときに、インディ側の柱に、C-3POとR2-D2が描かれているといったような、楽屋落ちのギャグ。
随所にみられる、ジョン・フォードや、ヒッチコック映画へのパロディ。
「映画オタク」スピルバーグ監督自身も、かなり「楽しみながら」作っていたことが伺われます。
炎にあぶられた「ラーの杖飾り」をトートが拾い上げ火傷をします。
しかし、なんと手に残った火傷の痕から杖飾りが複製されるという展開。
鞭と剣の立ち回りを撮影する当日に体調を崩したハリソン・フォード。
これを逆手にとって、このシーンをインディの拳銃一発で済ませるギャグにしてしまうような「お遊び」感覚。
そしてまた、同じような展開で、拳銃をだしたら、今度は弾がでなくて、しかたなく相手と立ち回りをしなければならなくなるというような伏線をはったギャグ。
とにかく、このニヤニヤとハラハラを絶妙に配置することによって、観客は次第にワクワクという映画のマジックにはまっていくんですね。
このあたりを熟知したスピルバーグ監督の演出の腕は、やはりさすがの一言。
1940年代から50年代にかけて、アメリカのB級プログラムを支えた、低予算冒険活劇を、再び、エンターテイメント映画の主役の座に引きずり出し、「ロマンシング・ストーン」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」のヒットの原点ともなったこの一級の冒険活劇「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」の、功績は大きいといえましょう。
この映画の原点は、1939年製作のケイリー・グラント主演ハリウッド冒険活劇映画「ガンガディン」だと、ジョージ・ルーカスは語っています。
残念ながら、この作品、僕はまだ未見です。
DVDにはなっていないだろうなあ。もしなっていたとしても、たぶん売れ筋ランキングで観れば、おそらく、何万位くらいにしかランクされない、ロングテイル作品でしょうから、ここは是非とも、衛星放送あたりで、オンエアしてもらいたい一本ですね。
スピルバーグは、この後、『未知との遭遇』に引き続き、友好的な異星人を主人公にした映画を作ろうと考え、ハリソン・フォードと親密だった脚本家のメリッサ・マシスンに脚本を依頼します。
ハリソンとマシスンは、83年に結婚。そして、マシスンによって脚本化された映画は、あの『E.T.』という映画になります。
『E.T.』は、82年に公開され空前絶後の大ヒットとなるのはご存知のとおり。
そして、この大ヒットのせいで、割を食う羽目になってしまったSF映画が、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』です。
この映画、そのマニアックなつくりで、熱狂的なカルトファンを生みますが、公開当時の興行収益は惨憺たるものでした。
余談ながら、「レイダース~」で、ヒロイン役のオーディションに手を上げて落とされたショーン・ヤングが、この「ブレードランナー」では、ヒロインの女レプリカントに抜擢されています。
もちろん、この映画の主役はハリソン・フォード。
妻の書いたシナリオの映画が大ヒットしたおかげで、自分の映画がコケたハリソン・フォード。
この当時の、この映画俳優と脚本家夫婦の会話って、どんなことになっていたのでしょうか。
ちょっと興味があります。
もちろん、見に行きません。
来年のゴールデンウイークくらいには、衛星放送でオンエアされるでしょうから、新作のレビューはそこで書くことにします。
ごめんなさい。
そこで、今回は、シリーズ第一作をちょいとマナ板にあげましょう。
このシリーズ第一作は、いわずと知れた「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」
「スター・ウォーズ」を監督したジョージ・ルーカスが、興行的失敗の可能性を感じ(今考えれば信じられない話ですが)、ハワイに逃避していたとき、「未知との遭遇」の撮影を終えて休暇をとっていた、スティーブン・スピルバーグが合流。
ちょうど次回作の話で、「007」シリーズのような作品を作りたいと言うスピルバーグに、ルーカスが明かしたのが、この「レイダース」の企画でした。
製作はルーカスフィルムで行い、この休暇で、ハワイから帰った半年後に、ルーカスは、正式にスピルバーグに監督を依頼。スピルバーグは、これを引き受けます。
この映画、中規模予算の作品ながら、大ヒットを記録し、続編として『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989年)が製作されたのはご所存知のとおり。
ルーカスはスピルバーグに「絶対に予算オーバーしないこと、撮影スケジュールを厳守する」という条件を付けたといいます。
すでに、この頃から、ルーカスには、プロデューサー的資質があったようですね。
ルーカス自身も監督ですから、「もし守れないなら、いつでも私と交代させる。」といえてしまうわけですから、このあたりは強みです。
しかしこの映画、批評家の間では、「お金をかけたB級ムービー」というレッテルを張られてしまうことになり、スピルバーグ自身は、この映画には、「僕は、あの映画では、完全に雇われ監督だから」と、終始否定的なコメントを公言しておりました。
でもどうでしょう。僕も含めたファンの間では、この映画の評判はけして、悪くありませんよ。
B級だろうとなんだろうと、こちらとしては、お金を払って見に行っている娯楽なんだから、面白ければ文句はない。つまりそういうことです。
タランチュラ、無数の毒蛇、第2作では大量の虫、第3作では大量のネズミとシリーズを通して見られるゲテモノ趣味。
「魂の井戸」の中で、インディとサラーがアークを持ち上げるときに、インディ側の柱に、C-3POとR2-D2が描かれているといったような、楽屋落ちのギャグ。
随所にみられる、ジョン・フォードや、ヒッチコック映画へのパロディ。
「映画オタク」スピルバーグ監督自身も、かなり「楽しみながら」作っていたことが伺われます。
炎にあぶられた「ラーの杖飾り」をトートが拾い上げ火傷をします。
しかし、なんと手に残った火傷の痕から杖飾りが複製されるという展開。
鞭と剣の立ち回りを撮影する当日に体調を崩したハリソン・フォード。
これを逆手にとって、このシーンをインディの拳銃一発で済ませるギャグにしてしまうような「お遊び」感覚。
そしてまた、同じような展開で、拳銃をだしたら、今度は弾がでなくて、しかたなく相手と立ち回りをしなければならなくなるというような伏線をはったギャグ。
とにかく、このニヤニヤとハラハラを絶妙に配置することによって、観客は次第にワクワクという映画のマジックにはまっていくんですね。
このあたりを熟知したスピルバーグ監督の演出の腕は、やはりさすがの一言。
1940年代から50年代にかけて、アメリカのB級プログラムを支えた、低予算冒険活劇を、再び、エンターテイメント映画の主役の座に引きずり出し、「ロマンシング・ストーン」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」のヒットの原点ともなったこの一級の冒険活劇「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」の、功績は大きいといえましょう。
この映画の原点は、1939年製作のケイリー・グラント主演ハリウッド冒険活劇映画「ガンガディン」だと、ジョージ・ルーカスは語っています。
残念ながら、この作品、僕はまだ未見です。
DVDにはなっていないだろうなあ。もしなっていたとしても、たぶん売れ筋ランキングで観れば、おそらく、何万位くらいにしかランクされない、ロングテイル作品でしょうから、ここは是非とも、衛星放送あたりで、オンエアしてもらいたい一本ですね。
スピルバーグは、この後、『未知との遭遇』に引き続き、友好的な異星人を主人公にした映画を作ろうと考え、ハリソン・フォードと親密だった脚本家のメリッサ・マシスンに脚本を依頼します。
ハリソンとマシスンは、83年に結婚。そして、マシスンによって脚本化された映画は、あの『E.T.』という映画になります。
『E.T.』は、82年に公開され空前絶後の大ヒットとなるのはご存知のとおり。
そして、この大ヒットのせいで、割を食う羽目になってしまったSF映画が、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』です。
この映画、そのマニアックなつくりで、熱狂的なカルトファンを生みますが、公開当時の興行収益は惨憺たるものでした。
余談ながら、「レイダース~」で、ヒロイン役のオーディションに手を上げて落とされたショーン・ヤングが、この「ブレードランナー」では、ヒロインの女レプリカントに抜擢されています。
もちろん、この映画の主役はハリソン・フォード。
妻の書いたシナリオの映画が大ヒットしたおかげで、自分の映画がコケたハリソン・フォード。
この当時の、この映画俳優と脚本家夫婦の会話って、どんなことになっていたのでしょうか。
ちょっと興味があります。
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