毎週録画して見ている番組のひとつがNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」
毎週、その道のプロフェッショナルにスポットをあてて、その仕事ぶりと、仕事に対する姿勢を検証する番組ですね。
さきほど、見終わったのが「古都のみやび、菓子のこころ」
プロフェッショナルの名は、山口富藏。71歳。
山口富藏氏が守る店は、創業からおよそ百年、風流を愛する全国の人々から、注文が寄せられる京菓子の老舗「亀屋末富」。
その三代目当主として、ここで作られる御菓子のプロデュースを、いまだ現役として、一手に担っています。
日々、菓子作りと向き合う山口が、今尚心に刻む言葉は「一期一会」。
これは、番組の中でも何度も語られます。彼が、プロとして心に刻み込んでいる心得。
「茶会での出会いは、一生に一度きりのものだと心得、二度と巡って来ない一度きりの出会いのために誠意を尽くせ」
遠い戦国の世の茶人であった千利休が言った言葉です。
常連の客であろうと、一見の客であろうと、その菓子とお客さんとの出会いはたった一度きり。
茶会で客が食べる菓子はひとつだけ。
菓子は食べてしまえばなくなってしまうものだからこそ、一回一回の客の注文と真摯に向き合い、その「出会い」を心をこめてプロデュースすることが大切だというわけです。
ちなみに、我が社は運送会社。
この「菓子」という言葉を、「運送」という言葉に置き換えると、ひとつひとつの仕事は、まさに「一期一会」。
僕に、山口氏ほどのプロ意識があるかというと疑問ですが、やはりいろいろと考えさせられますね。
てなことで、とりあえず、NHKの受信料はきちんとはらわさせていただくことにします。
山口氏曰く、
「御菓子は、暮らしを愉しく遊ぶ遊具。日々、暦をめくってゆくように、移ろう季節を御菓子に託して、遊び心で味わってゆくもの。日本人が、豊かな四季の中で育んできたウイットの精神――。」
心に残る菓子を作らせてもらうためには、もっと遊ばせてもらわないといけまへんと、この老菓子司は、うれしそうに、かんらかんらと笑います。
暮らしを、雅な遊びへと昇華した、茶人と御菓子司たちの伝統が息づく、京都の町。
ここにもデジタルでは伝えきれない、伝統のアナログ文化があります。
僕も、もっと、遊ばせてもらえれば、いい仕事をいたしますよ。
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