曲を作るとき、「メロディ」が先にできるか、歌詞が先にできるかというのは、僕みたいな素人でも、時々聞かれます。
正直申して、これはケースバイケース。
メロディが先にできる場合もあれば、詞からできる場合もあります。
あるいは、曲の一部が、突然、歌詞とメロディ同時に浮かんでくるというケースもあります。
時には、アレンジまで出来上がってるフレーズもあったりしますね。
ただし、僕の場合で申しますと、これは音楽家ではない悲しさ。
パッとひらめいたフレーズを、正確に音符に残しておけるスキルも、自分で演奏できるスキルもありませんので、唯一できる楽器であるギターで、コードを追っているうちに、「自分が知っているコード進行で、できるフレーズ」「自分が表現できる演奏力」のものに、「ひらめいたもの」が、いつのまにかグレードダウンしてしまいます。
まあ、これはやむなしですね。
いままで、僕の頭の中で、鳴り出したいくつものフレーズを、もしも、そのまま「音」にする技術を、もしも僕が持っていたとしたら、おそらく、今頃、もっとたくさんの名曲を作れていたかもしれません。
まあ、負け惜しみはよしましょうね。
さて、ラブソングを作るのに、一番大切なものは「感性」と申し上げました。
要するに、「気持ち」ですよね。
但し、この感性がものをいうのは、総じて、曲のワンコーラス目です。
つまり、ワンコーラス目は、浮かんだフレーズを、どんどん「気持ちよく」つなげていけばよい。
ここでは、まずそのフレーズが「浮かぶ」ことが大事になります。
さあそして、これがサビまでいって、とりあえずワンコーラスになったら、次の2コーラス目に必要なのは、「テクニック」ですね。
今度は、俄然「技」が必要になってきます。
要するに、一番の歌詞と同じリズムと、韻を踏んだ違うフレーズというものを、自分のボキャブラリーの中からいろいろとひねりだして、ワンコーラス目と同じテーマに沿いつつ、さらに発展させた違うフレーズを構築しなければならない。
1コーラス目より、2コーラス目のほうがいいものを作れるという人は、僕に言わせれば「職人」ですね。
まあ、プロということです。
例えば、ユーミンの曲なんかを聴いてみてください。彼女の歌の2コーラス目は、ほとんどの曲が、ほんとに心憎いばかりです。
例えば、あの名曲「サーフ天国、スキー天国」
「ゲレンデのカフェテラスで すべるあなたにくぎづけ」
そして、2コーラス目の頭はこうきます。
「シャワーハウスで着がえて くりだせ熱い波乗り」
どうですか。
もうたったこけだけで、曲の全体がイメージできてしまうスゴさ。
プロですよね。やはりこの人は。
まあいいでしょう。
さあ、そこで、今回のラブソングに話を戻しましょう。
では、この歌の2コーラス目をどうするか。
まずは、ワンコーラス目の歌詞をもう一度吟味してみましょう。
僕としては、このワンコーラス目に仕込んだ聞かせどころは2箇所です。
「街をミュージカルしてゆく」
彼女の奏でるピアノの音符が、春のそよ風に乗って、街を楽しげに踊っているというイメージで、「ミュージカル」という言葉を使いました。
では、そういうイメージにつながる他の言葉を捜してみましょう。
「街をヒップホップしてゆく」
「街をパレードしてゆく」
「街をラジオ体操してゆく」
「街をホップステップジャンプしてゆく」
「街をシンクロナイズドスイミングしてゆく」
うーん、我ながら貧困なボキャブラリーで赤面ですが、こう並べてきて、ちょっといいかなというのをひとつ思いつきました。
「街をカーニバルしてゆく」
どうでしょう。これだと、「ミュージカル」と並べても違和感はないかも知れません。
よっしゃ、これにしよう。
さあ次にもうひとつ。
「恋は神代の昔から ある日突然やってくる」
まあ、若い人にはあまりピンとこないでしょうが、昭和の演歌歌手で、畠山みどりというオバサンがいて、この歌手のデビュー曲が、実は「恋は神代の昔から」
「恋をしましょう恋をして、浮いた浮いたで暮らしましょう」
とまあ、こういう曲なのですが、ちょいとこのテイストを拝借してみました。
もちろん、この歌を演歌にするつもりは毛頭ないのですが、まあちょっとした「隠し味」というところです。
恋愛というものを、ちょいとオジサン的目線で俯瞰した「言い回し」をしたかったんですね。
さて、このフレーズをどう展開していくか。
誰もが実感している「恋愛の法則」に、どう言及するかというところです。
「恋は神代の昔から 気がつけばいつもそこにいる」
もういっちょ。
「恋は神代の昔から 訪れる人を選ばない」
うーん、これはいまいち。
こんなのはどうでしょうか。
「天使はいつもいたずらで 矢を射るハートを選ばない」
ちょっと演歌っぽくはないですが、こんなところで手を打ちましょうか。
さて、こんなあたりをはめこんで、2コーラス目を、どう膨らませていくか。
明日は、日曜日。
オフモードで、案外いいフレーズが浮かぶかもしれません。
それから、やはりBメロも欲しいなあ。
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