さて、ここのところ、子供時代に繰り返し見ていた、特撮怪獣映画を再見しています。
子供の頃、ドキドキワクワクしたものが、いま大人の目がら見てどうかというあたりに興味のポイント。
映画一本をまるまる語るのではなく、おなじみの「微分的鑑賞法」で、シーンをピックアップしてまいります。
まずはこれからまいりましょうか。
ゴジラの「シェーッ」ですね。
あの恐怖の大怪獣ゴジラが、「シェーッ」をする。
「シェーッ」といえば、先日亡くなられた漫画家・赤塚不二夫さんの名作「おそ松くん」に出て来るキャラである出っ歯のキザ男「イヤミ」のキメのポーズ。
「怪獣大戦争」は、1965年の作品。確かに、この頃の巷では、シェーッが大流行していました。
確か、この映画宣伝スチールには、主演の宝田明、ニック・アダムズがゴジラと並んで「シェーッ」をしているものがありました。
X星につれてこられた、ゴドラとラドンが、キングギドラ撃退。
尻尾を振って飛び去るキングギドラに向かって、ゴジラが勝利の「シェーッ」を4連発。
当時の子供たちは、ヤンヤヤンヤと大喜びをしたものでした。(僕もふくめて)
アメリカでは「ダンシング・ゴジラ」ともいわれた、このゴジラのシェーッにより、東宝は、ゴジラが、それまでの悪役ではなく、正義の味方で、子供の味方という路線変更を高らかに宣言したといってよいでしょう。
しかしながら、これを期にゴジラの人気は下降線をたどり、やがて、1975年の『メカゴジラの逆襲』でが、第一作ゴジラの興行収入の10分の一に落ち込んだことで、このシリーズの製作続行を断念。
以後、1984年の「ゴジラ」まで、長い間の充電期間に入ったのはご承知の通り。
その意味では、このゴジラの「シェーッ」は、この「ゴジラ」シリーズのターニングポイントになった一発だったといえましょう。
まあ、しかし、このシェーッを見る限り、この頃のゴジラは、かなりジャンプ力がありましたね。
これを、X星の、重力のせいだなんていうヤボをいうのは、よしましょう。
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