東宝の特撮映画には、東宝の売れっ子スターたちが、入れ替わり立ち替わり出演して、このシリーズが当時の東宝のドル箱であったことを物語っておりますが、そんなに主演クラスの俳優以外でも、このシリーズの「顔」であったシブい俳優たちはけっこういます。
僕が好きなのは、天本英世という俳優さん。
あの「仮面ライダー」の「死神博士」というと、ピンと来る人は多いかもしれません。
「平成教育委員会」でも、特異なキャラで異彩を放っていました。
この人、ああみえて、実は由緒正しきインテリです。
東京帝国大学法学部政治科入学。
国際政治学を専攻し、当初は外交官を目指していたそうですが、当時の政府に失望。
やがて文学や演劇に没頭するようになり、東大を中退して劇団俳優座に入座という経歴の持ち主。
「平成教育委員会」では、算数に悪戦苦闘していましたが、筋金入りのインテリ俳優です。
まあとにかく、日本で「マッドサイエンティスト」を演じさせたら、この人の右に出るものはいないというくらいの存在感。
岡本喜八監督の作品にはほとんど出演している彼ですが、この東宝特撮シリーズでも、遺憾なくその存在感を発揮。
どんなチョイ訳でも、一目でこの人とわかるので、おもわずニヤリです。
妖星ゴラス(1962年) - キャバレーの客
海底軍艦(1963年) - ムウ帝国長老
三大怪獣 地球最大の決戦(1964年) - 老臣
キングコングの逆襲(1967年)
そして、きわめつけはなんといってもこれ。
マタンゴ(1963年) - マタンゴ
そして、意外と知られていませんが、この天本英世さんの映画デビュー作は、木下恵介監督の「二十四の瞳」。
高峰秀子の夫役を、普通に「二枚目」で演じておりましたね。
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