平成12年といえば、ちょうど西暦2000年。
僕はこの年に41歳。
ちょうど川柳に、ハマっていたころです。
いまはこうやって、ブログを書いたり、ツイッターでつぶやいていますが、
この当時は、五七五七七で、日々の「つぶやき」をしておりましたね。
十二月
首都高の渋滞表示がいつもより三キロ伸びて師走に入り
街角にイルミネーション瞬いてクリスマスはもう始まっており
朝焼けに湖面の水鳥悠々と枯木は霜の薄化粧かな
工事中交通整理のおやじさん北風の中軽やかに舞う
冬将軍完全武装の子供たち半ズボンの子とんと見かけず
歩いても運転してても食べてても携帯離さぬ十二月かな
パソコンは何がいいかと聞かれれば高いのがいいと答えており
真夜中に姿形も名前さえ知らぬあなたと心通わす
冬晴れの朝国道の正面に県ひとつほど越えた富士山
公園の広き花壇に冬菫一人舞台に月明かりかな
なにもかもうまくゆかないそんな日は見上げた夕焼け染みわたりゆく
煌煌と冬の星座を照らしつつ今日今世紀最後の満月
お歳暮をなんだかんだと贈り終えサンタの苦労も少々わかり
忘年会演歌もラップも馴染めずにビートルズなど小声で唄う
「ああいえばこういう」とよくいわれるがああいわなければこういわない
連日の暴飲暴食年の瀬に胃腸こわれて宴会自粛
パソコンで年賀ハガキに挑戦し手で書くよりも苦労しており
渋滞で前の車の子供らとニラメッコする駅前通
サテライト深夜映画のエンドマーク眠らずにいる冬至の夜長
麻原もノストラダムスも蹴散らしてさあ新世紀へカウントダウン
シャツを出しズボンずり下げ歩く子らさすがに理解不可能となり
イブ早朝鶏ひときわ高く鳴き本日彼らの受難の日かな
プレゼントなにやら希望がややこしくサンタ手引かれるソフトの売り場
庭先にイルミネーション飾る家今日クリスチャンほぼ五割増
聖夜明けうかれた街の飾り取れ年始に向かいラストスパート
大掃除あきらめかけてたなくし物出てくる度に喚声を上げ
数の子や伊達巻黒豆栗きんとん紅白かまぼこおせちの仕込み
初詣準備に巫女らがすす払い時給いくらか少々気になり
2000年技術は進んだ世の中で振り回されていく心たち
高速をボードを積んだワゴン車で若者たちが年越えに行く
世紀越えテレビの向こうとこちら側お祭り騒ぎも多少の温度差
大晦日この際今年の宿題はリセットできぬものかとため息
四十一そろそろ人生折り返し地に足つけて夢の見直し
コメント