作文オタクのオヤジとしては、いまでこそ、ツイッターやブログで、
いろいろなことを書ける時代になりましたが、
この平成十二年当時は、そのハケ口として短歌を作っていましたね。
なにか、自分の琴線に触れた映像を五七五七七に組み立てる作業は、
僕にとっては、いい頭の体操になっていました。
しかし、僕の場合は、短歌のような上等なものでもなく、
川柳でもないような、ただ「独り言」を五七五のリズムに
のっけた生活詩みたいなもんです。
並べた画像は、全部ネットから拾ってきたものです。
つまり十年前の短歌と、今の映像とのコラボレーション
ということになりますね。
哀しいのは、今はもう、この感性が明らかに劣化していること。
そう考えると、改めて見れば、愛しい「短歌」たちです。
五月
気の早い端午の節句鯉のぼり見せたい気持ちわかるようであり
初鰹父の日母の日バレンタイン季節のイベント知るのはコンビニ
靴下を脱いで素足にスニーカー初夏を知らせる風を感じて
中華屋に冷し中華が出揃って街の緑が元気になる頃
鉢植えや花壇を彩る花よりも野に咲く花のたくましさかな
野辺に咲く花の名まるでわからずにもどかしいやら情けないやら
野辺に咲く花の名すべてそらんじるその老婦人のカッコよさかな
カーテンが五月の風とじゃれあってうたた寝をする祝日の午後
初汗やソフトドリンク一気飲み舌なめずりして夏待ち構え
クーラーのリモコンスイッチ押しかけていやまだまだとサッシを開ける
着慣れないスーツで歩く新人のはえぎわあたりに茶髪の名残り
ちゃりんこの前後に子供座らせて若奥様がガニ股で行く
フリーターという職業の青年の乗ってる車が四駆の新車
選挙カー信号待ちで並ばれて手を振る候補に地図を見る振り
ひとしきり夕立町を駆け抜けて物干し竿から雨だれひとつ
ストレスが残る日ちょいと遠回りツツジの道でひと呼吸して
五月雨が朝音もなくしめやかに通りまで出て傘取りに戻り
水はねた車をキッと睨みつけ中指立てたハイヒールの美女
よくみればヤマンバ・メイクのドギツサはブスの度合いと正比例かな
化粧とは素材を生かした補強作業土台を無視したリメイクでなし
化粧とは美しくなるためでなく目立てばいいのがティーンエイジャー
最近のヤツはどうたらこうたらと言い出しはじめてジジイを自覚
午前四時信号の青に導かれ王様気分で国道を行く
午前五時通勤途中と朝帰り缶コーヒー飲んでいるプラットフォーム
コメント