もうとっくに、梅雨は明けてしまいましたが、6月24日の日曜日。
関東ふれあいの道 埼玉県の3番目のコース「伊豆ヶ岳を越えるみち」を歩いてきました。
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さて、本日は「関東ふれあいの道」埼玉県の3番目。
「伊豆ケ岳を越えるみち」を歩きます。
出発地は、西武秩父線の吾野駅。
ここは、前回の「奥武蔵の古刹を訪ねるみち」のゴールだったところ。
本日は、ここから出発して、途中までは、前回下りてきた道を、反対側から登ります。
子の権現を過ぎたところから、奥武蔵の名峰「伊豆ケ岳」へ向かい、正丸峠を越えて、正丸駅へ下ってゆく道。
ちょいと気合をいれていかないと、かなり厳しい山道です。
というわけで、今回は、トレッキングシューズを新調。
とは言っても、これ「カインズホーム」で仕入れた980円のもの。
ナイキだの、アシックスだのを購入するつもりはサラサラありません。
さて、今回のアクセス。
わが町川越から西武線で所沢まで出て、そこから吾野までは西武秩父線で一本。
iPhoneには、ナビタイムというアプリを仕込んでいますので、現地までのアクセスには、当面はこれを活用します。
バスの時刻表まで対応してくれているので、有料ですがけっこう便利。
吾野駅到着は、8時18分。
日曜日の朝の電車は、完全装備でやる気満々の中高年山歩き隊があちらこちら。
僕は、いつもの通り、ジーパンとシャツ一枚。
ちなみに、吾野駅の標高は185.5m。
ここから、出発して、本日の最高到達点・伊豆ケ岳の標高は、851m。
健脚向きのハードな山道ということですが、どうなりますことやら。
さてまずは、吾野駅前にある法光寺から。
ここは、正式には、前回のコースのポイントでしたが、寄れませんでしたので、本日はここからスタート。
法光寺は、曹洞宗の寺院。
関東百八地蔵尊やら、武蔵野三十三観音などにも指定されている仏像自慢のお寺。
門の両脇には仁王像。門の脇には六地蔵。
中に入ると、子供を抱いた涼しげな慈母観音。
お堂に安置されている延命地蔵尊は、まだ朝早いようでお目にかかりませんでした。
芳延橋まで歩いて、東郷公園から浅見茶屋。
前回は、ここを下ってきたわけですが、逆方向から歩くと、また違った景色に見えてくるから不思議です。
道中では、前回の山歩きで学習したドクダミやユキノシタがあちらこちら。
ドクダミは、我がマンションの植え込みにも咲いていましたが、彼らと、ここで咲いているドクダミとでは、いったいどちらが幸せでしょうか。
一度聞いてみたいものです。
では、ユキノシタで一句。
旅の人またおいでかねとユキノシタ
降魔橋から、前回のメインだった子の権現までは、本格的な山道になります。
まずは、前回同様、ストック代わりの手頃な木片を探しながら登りましたが、前日の雨で、みんな湿っていて、なかなかいいモノが見つかりません。
そうこうしているうちに、子の権現に到着。
ここでは、前回やりそびれたことが一つ。
お寺の裏山に上って、鐘の音を打つことですね。
本日は、これだけしっかりと、ビデオに記録すると、先を急ぎます。
子の権現を過ぎて、しばらくいくと、前回のコースとの分岐点の愛宕山。
前回は、危うく、今日歩くべきコースへ向かおうとしてしまいましたので、しっかりと確認。
ここで、しっかりと竹製の杖をゲットして、天目指峠へ向かいます。
時刻はここですでに11時。終点の正丸駅までは、まだ8.7キロ。
これは、ランチ抜きで歩かないと着かないぞと、覚悟を決めます。
さて、天目指峠までは、ヒノキやスギの森林地帯。
このあたりの樹木は、西川材と呼ばれていて、高級木材。
江戸城を築く材料にも使われたといいます。
ヤマザクラやエンコウカエデも群生しているところですが、もちろん僕には、なにがそれだかさっぱりわかりません。
僕がここで語っているのは、みんな、案内看板のウケウリ。
さて、1.5キロも歩くと、天目指峠の休憩舎に到着。
ここで標高が475m。
標高で言ったらやっと半分の地点。
ちなみに、僕はそこまで、天目指峠は、そのまんまで「テンモクシトウゲ」なんて勝手に読んでましたが、案内板には、「アマメザストウゲ」というふりがな。
なかなかしゃれた峠の名前なんだとちょっと感心しました。
ちなみに、このあたりでは、「ウナギ」が神様なんだそうです。
だから、絶対にとってはいけないそうなんですが、ちょっとウナギがいそうな感じはしませんでした。
さて、ここから伊豆ケ岳へ登る道は、いよいよ本格的な山道。
気がつけばだんだんと息が上がってきます。
子の権現からは、ずっとiPod で、モーツァルトを聴きながら歩いていたのですが、だんだん厳しくなってくるにつれて、音楽は中断。
自分の息遣いと、山道を踏みしめる音と、鳥のさえずりのBGMで、頂きを目指します。
途中のナローノ高畑山で、標高695m。
まだ先です。
次に見えてきた頂上が、いよいよ伊豆ケ岳かと思いきや、古御岳という山で、ここが標高830m。
あと20m登れば、伊豆ケ岳の標高なのですが、そこから道はまた下り。
いいよ、下りなくても!
あと20mなら、そのまま登らせてくれという気になりましたが、ここから伊豆ケ岳の山頂までが、一番の難所。
距離にして800mほどなのですが、急な山道なので、こちらは息も絶え絶え。
普段の運動不足がたたります。
山道に沿って、トラロープが張ってありましたから、これを手繰り寄せながら登れと言うことでしょう。
「しりもち注意」という看板などもありましたが、それを見る前に、こちらは、もうすでに何回か尻もち。
そして、やっと伊豆ケ岳の山頂に到着した時には、時刻はすでに午後2時20分。
パンフレットには、頂上からは、関東一円を見渡せる絶景が広がると書いてありましたが、頂上はいたってアッサリ。
そこが、伊豆ケ岳の山頂であることを示す案内板がたっているだけでした。
でも、木々をかすめて遠くに見える景色は、やはりそれなり。
昔々は、遠く伊豆まで展望できたから、伊豆ケ岳という名前になったともいわれているそうです。
さて、残り時間も少なくなってきましたので、山頂では、特に感慨に浸るまもなく、写真だけはそそくさと撮って、正丸峠へ向かいました。
ゴールまでは、まだ5キロあります。
ここから下りる道は、男坂と女坂に分かれる、かなりゴツゴツしたクサリ場と言われる急坂。
この日は、女坂は、落石があったため通行止め。迂回路を回ります。
このあたりは、チャート(生物の死骸)で出来ており、秩父古生層のなかでも特に固いところ。
けっこう、足腰にも負担がかかります。
しかし、五輪山あたりからは、道もなだらかになり歩きやすくなってきました。
さて、長岩峠から、ツガの木台まで下りてきて、本日痛恨のコースアウト。
何を勘違いしたか、後で写真を確認をすればちゃんと案内は出ているにもかかわらず、正丸峠とは逆方向に向かってしまいます。
間違った道の先には、「名栗げんきプラザ」があるため、こちらはこちらで、ちゃんと歩ける山道になっていたため、全然気が付きませんでした。
先に降りて行った人がいて、その彼は異変に気が付き、途中で引き返してきたのですが、こちらは自信を持って、「こっちでいいと思いますよ。」なんていってしまう始末。
いいかげん下りてきて、いままで、一定の間隔で立っていた標識が見えなくなったあたりから、僕もようやく不安が頭をよぎります。
また、そんな時に限って、雨なんかも降ってきたりで、内心はドキドキ。
しかし、しばらくいくと、車が走っている道路が見えて来ました。
そこまでいけば、自分がどこにいるかは、わかるかと思いましたが、道路に出ても、どちらへ向かえば駅なのかわかりません。
さてさて、目の前の道路が、どちらに行けば正丸駅に続いているか。
上がるか、下がるか。
どちらに向かって歩いても不安になり、行ったり来たりで、完全に1時間のロス。
iPad で調べようにも、当然圏外。
結局、覚悟を決め、下がらずに、正丸峠までもう一度、車道を上り直して、正丸峠の「奥村茶屋」に到着。
時刻はすでに午後4時。
茶屋はもう店じまいにかかっていましたが、オバサンにおそるおそる聞いてみると、正丸駅までは、店の裏からまた山道を下りて約1時間とのこと。
ずっと、見慣れてきた「関東ふれあいの道」の標識もあって、これでホッと一安心。
反対方向に歩いていたら、大変なことになっていました。
さて、気を取り直して出発。
雨はそこそこ降ってきたのですが、山の中を歩いている限り、森林の樹冠が傘になって、ほぼ濡れません。
正式コースに復帰して、下る山道の脇には、沢が並行します。
歩く足元にも、沢水がチロチロ。
かなりぬかっていましたが、けっこう小川のせせらぎというやつは、心地のいいもんです。
お申講のほこらなどを横目で眺めながら、山道を下りると、集落が見えてきます。
ここまでくれば、ゴールは近いという感じ。
正丸駅まではあと1.5キロ。
しかし、時刻はすでに夕方の五時。
正丸駅で、15時の西武秩父線に乗って帰ろうと思っていたのですが、ざっと2時間の遅れ。
公式には、全行程15キロのルートですが、コースアウトして、ロスした距離も考えると、3キロは多く歩いたでしょうか。
集落までくれば、山道とはいっても、道はもう舗装されています。
下りということもあり、ペースは一気に上がります。
しばらくいくと、西武線の高架線が見えてきて、正丸駅に到着。
すると着くやいなや、踏切りがカンカンと鳴りだします。
あわてて、時刻表を見ると、まさに、17時26分発の飯能所沢方面行の電車。
駅周辺の撮影もろくにできずに、電車に飛び乗りました。
次の電車までは、1時間もありますからやむなし。
というわけで、埼玉県3番目のコース「伊豆ケ岳を越える道」の山歩きは、メロメロで終了。
次回の4番目のコースは、この正丸駅からスタートするコースですので、撮影できなかった映像は、そこでフォローすることにいたします。
次回のコース「峠の歴史をしのぶみち」も、15.6キロの健脚向きコース。
コースアウトするとしんどいのは今回で懲りました。
この次は、もう少し早めの出発にして、慎重に歩きたいと思います。
さて、今回の山歩きで、僕がずっと考えていたこと。
空を飛ぶなら飛行機がいいでしょう。海を航海するなら船にお乗りなさい。
道路を走るなら車かバイク。近所の商店街までのお使いならチャリンコが便利でしょう。
でも、もしもあなたが山を歩きたいなら、これだけは、はっきりいえます。
山道なら、人間の生身の体ホド優れた移動手段は絶対にありません。
以上。
さて、それでは、山歩きで目を引いた植物の紹介。
さて、それでは、このコースを12分の動画にまとめましたので、ご覧くださいませ。