しかし、忙しい8月でした。結局、お盆休みも取れずじまい。
4日に歩いたこのコースも、なかなか作文できず、動画を編集する時間もとれずに、細切れの隙間時間をつなぎあわせて、やっと完成しました。
来月は、ゆっくりと時間を作りたいところです。
*************************************
さて、本日は「関東ふれあいの道」埼玉県コースの5番目「大霧山を登るみち」を歩きます。
東武東上線小川町駅から、東秩父村白石車庫バス停まではイーグルバス。バス料金600円なりですがPASMOは使えないのでご注意。
前回4番目のコースの、ゴール地点からのスタートです。
白石峠から定峰峠、大霧山の山頂から粥仁田峠へ下りて、終点西武バスの高原牧場入口バス停まで歩く全長13.1kmのコース。
天気は曇り。猛暑にはならないようなので、絶好のトレッキング日和です。
まあ、なにやかにやと忙しい一週間を過ごしましたので、家でボーッとするよりは、自然の中で、頭をフラットにする休日を選びました。
本日の埼玉県のコース5番目は、前回と同様、秩父に繋がる山や峠を歩くコース。
案内には、健脚向きとあります。
普通に歩いて、3時間20分というコースですが、僕の場合は、ビデオ撮影をしながら寄り道しまくりで歩きますので、1時間か2時間は余計にかかります。
そんなわけで、なるべくはやくスタートしたいところなのですが、残念ながら小川町から出ている、現地までのバスの一番早い便が7時09分でしたから、山歩きのスタートは、午前8時とまりました。
前回同様、お茶のペットボトルと、凍らせたスポーツドリンクをタオルで巻いたものをナップサックに放り込んで、右手にはビデオカメラ。左手には、ラミネートした周辺地図。
今回は予定の帰りのバスに間に合わないと、その次のバスが、なんと3時間待ちということになりますので、山の中で、道を間違えてウロウロとしている時間はありません。
今回は、しっかりと歩くコースを確認しながらまいります。
前回の山歩きでは、買ったばかりの万歩計は、歩き始めて何時間かで痛恨の紛失。悔しいので、まったく同じものを買い直した今回は、ポシェットから、ズボンのポケットにセット場所を移動。歩数をリセットしてスタートです。
さて白石峠までの2.8kmは、東秩父村の林道桂木線を歩きます。
前回のコースで降りてきた道です。
馬頭観音や、白石の神送りの社をパチパチと撮りながら、歩みを進めます。
民家がちらほらとあるあたりまで道は舗装されていますが、本格的な山道になると、そこからは、沢と並行して歩くようになります。
この辺りでは、この沢の水が、周辺民家の生活水になっています。
埼玉県西部の一級河川槻川の源流がちょうどこの辺り。
足元をチロチロと流れる沢の水が、下流でやがて大きな川になっていくというのはちょっと見た目からは想像がつきません。
小川町は、ご存知の通り「和紙の里」。
和紙を梳くのに清流はなくてはならないものです。
槻川の源流が、小川町の和紙つくりに大きく貢献しているのはいうまでもありません。
さあ、そうこうしているうちに白石峠まで登ってきました。
休憩所には、軽ワゴンの出張売店。
腰を下ろして休んでいるのは、サイクリングショーツのロードレーサーふたり。
ここまで来て、本日の全行程のまだ約4分の1です。
さあこれからというところですが、実はこの白石峠のちょいと先の丘が、今回のルートで標高が一番高いところ。
白石峠で、761mということですから、770mというところでしょうか。
「大霧山を登るみち」というのがコース名ですので、なんだか、この先の大霧山の山頂が最高到達点だろうと思ってしまいますが、このコースに関してはさにあらず。
しかしそうはいっても、この先は、登ったり下ったりの結構ハードな山道。
ここでグビリとペットのお茶を一口飲んで、気合を入れて先に進みます。
峠の通りを越えた反対側に、定峰峠に向かうトレッキングコースの山道の入口。
目の前にはいきなり、今回の最高標高点に登る階段の道。
思わず声が出てしまいます。
登り切った階段の先から、定峰峠に至る2.4kmの山道は、通称「笹の小径」。
笹といえば、やはり、七夕のイメージですので、夏が旬なのかなという印象がありますが、それほど、鬱蒼としている感じはありませんでした。
山路を進むと、眼下に定峰峠休憩所の屋根。
ここまで歩いて5km。まだ半分になりません。
定峰峠には、「峠の茶屋」が営業中。
ラーメン、そばうどんや味噌おでん、地産のそばがきなどで食事ができます。
道路反対側の休憩所には、自転車やバイクで峠道を楽しむグループが水分補給。
しかし、残念ながらこちらは、くつろいでいる時間は、ありません。
スポット撮影だけすますと、山路に戻ります。
山路に戻れば、バイクも自転車も入ってこれない、
人間と森の生き物だけの世界です。
さあここから、旧定峰峠を経て、3kmほど歩くと、いよいよ今回のコースのメインエベントである大霧山です。
さて、今回の山歩きで、やたらと目に飛び込んできたものが、実はキノコ。
ほとんど、山水画のようなモノトーンの味わいの杉や桧の森の中で、とにかくそのはっきりした原色の色合いであちらこちらで顔を出しているキノコたちは目を引きました。
しかし、お恥ずかしい話、そのキノコの名前は、僕にはほとんどわからず。
時間があれば、ゆっくりと調べて見たいところです。
さて、案内の看板によれば、この辺りに伝わる伝承に「ダイダラボッチ伝説」があります。
雲をつく大男が秩父の山にさしかかり、ちょっと一休み。
よいしょと腰かけたのがこの定峰峠。
にゅっと両足を槻川のあたりに伸ばし、粥仁田峠で、お粥を煮て食べ、食べ終わった釜を伏せたのが釜伏山。箸を刺したのが二本木峠。
荒川の水を口に含んで吹いたのが大霧山というわけです。
昔の人は、自然の風景に畏敬を抱き、リスペクトしながら、そんなイメージを膨らませていました。
さて、旧定峰峠から、1.5kmほど登るといよいよ大霧山山頂到着です。
標高で767m。
2〜3組みのグループが、すでに先着していました。
ここからは、ちょうど、奥秩父から日光方面が見渡せる180度のパノラマ。
残念ながら、晴天というわけではありませんでしたので、名前通りの、やや霧のかかった大霧山山頂でしたが、行程の3分の2ほどは歩いて、それなりの達成感はあります。
まずは、セルフモードで記念写真。
さてここまで歩いて、万歩計のカウントは、14931歩。
あとは、粥仁田峠まで下って、そこからは林道大霧線を、西武バスの「高原牧場入口」まで5キロ歩くのみ。
ここまできて、 なんとか、予定通りに歩けるめどが立って、まずはホッと一息。
民家がチラリホラリと見えるところまで下りてくると、通りに面した庭先には、急に、綺麗な花々が目立ち始めます。
もちろん、山の中では見かけなかった花ばかりですので、それは人間が愛でて楽しむために植えて育てている花です。
当然ながら人間がプロデュースするわけですから、花は四季折々コンパクトに美しく咲きそろいます。
都会に住んでいると、そんな綺麗に咲きそろった花のある家を見れば、無条件に「ああ、この家は自然に囲まれている素敵なおうち。」などと思ってしまいますが、今日のように、自然の懐に入り込んだナチュラルな山路を歩いて来ると、どうも人間様は、「自然はいいなあ」などといいながら、結局は、自然の美味しい所どりをしているんだなということに気づかされます。
我が国の誇る「花鳥風月」の世界も、実はよくよく考えれば、自然のつまみ食いなんですね。
要するに、いいとこ取りです。
民家の庭先のデコレーションされた花と一緒。
自然の中でも、もちろん美しい花は咲きますが、当然ながら自然の中にあるものは、美しいものだけではではありません。
枯れた花もそのままならば、朽ちて倒れた古木もそのまま。
洪水で流されたままの木もあれば、地滑りで根こそぎ、流された地面もある。
もっといえば、地震、津波、落雷、冷害、猛暑これらすべてみんな自然です。
まさに、自然というものは、人間にとっては、正と負の両面を合わせ持って自然なんですね。
人間の手からだんだん離れて、鬱蒼とした山奥に入れば入るほど、それを強く感じます。
もちろん、人間は自然を壊すななどと偉そうなことを言うつもりはありません。
森の木を切って、山をならして、家やビルを建てなければ、環境保護かといえば、そんなことはない。
森を歩いて、トレッキングシューズで歩く一歩の下にだって、どれだけの生き物がいるかという話です。
車で排気ガスを撒き散らかさなくても、山道を歩くだけだって、厳密に言えば立派に環境破壊。
ゴミを捨てなければいいという話ではありません。
要は、つきあいかたの問題でしょう。
多少ご迷惑はお掛けしますが、なるべく行儀よくいたしますので、どうか怒らないで見守ってくださいなという心持ちですね。
まあ、そんな謙虚な気持ちと、自然に対するリスペクトを忘れなければ、あちらさんだって山歩きくらいは大目に見てくれるだろうと話です。
とにかく、自然の中に身を置くことで、理屈なく、癒される人が、僕を含め大勢いるということは紛れも無い事実。
その理由は、なにかと考えてみます。
すぐにパッと、明快な答えは出てきませんが、どうも自然の中にいると、自分の抱えているいろいろなものが、どうでもよくなるという感覚になってくるんですね。
どうやら、僕にとってはこれがけっこう快感かもしれません。
でも、もちろんそれがすべてではない。
まだある気がします。
まあ、しかし、「関東ふれあいの道」めぐりは、まだまだ始まったばかり。
それは、おいおい見つけていくことにしましょう。
コメント