久しぶりにこの映画を見ました。
なんとも渋い大人の映画を作ったのが、当時25歳という若さのルイ・マル監督。
当時すでに主演のジャンヌ・モローと付き合っていたというわけですから、早熟であったには違いない。
しかし、この映画の成功に大きく貢献したのは、マイルス・デイビスでしょう。
この映画の音楽を担当したのが彼です。
マイルスは、出来上がった映画のラッシュを見ながら、即興で演奏したというわけですから、
これぞまさしく、映画のためのワン&オンリーのサウンドトラック。
中途半端なタイアップ曲とはわけが違います。
僕は、このサントラ盤から、マイルス・デイビスにハマり、そこからジャズを聞くようになりました。
ですから、この映画を見た回数よりも、サントラ盤を聞いた回数のほうが断然多いですね。
ヌーヴェルバーグの代表作の様に言われるのは、アンリ・ドカエの手持ちカメラの斬新な映像に
依るところが大ですが、ルイ・マル監督の演出はむしろ、淡々と枯れていて、
オーソドックスなフィルム・ノワールの香りが漂う映画になっていました。
ジャンヌ・モロー演じるカララが、恋人に会えずに、夜の街を彷徨するシーンは、
実に映画的でシビレたものです。
この映画、なにやら、最近日本でもリメイクされていましたね。
未見ですが、このストーリーを、今の日本に置き換えても、あの「空気感」は
絶対に出ないだろうなあ。
そうそう、この映画のサントラ盤は、大学生当時、部屋に女の子を招待するときの
定番BGMでした。
彼女たちは、このイントロが流れだすと、咄嗟に身構えましたね。
それは、このテーマ曲がイロッポイのか、僕の目がいやらしかったのか。
それは定かではありません。
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