1962年製作。
ロバート・アルドリッチ監督の傑作サスペンス。
この映画は、以前からちゃんと見ておきたい映画リストには入っていました。
ちょうど、WOWOW のオンデマンドのリストの中にありましたので、映画館でもなく、
自宅でもなく、移動中の車の中で鑑賞。
ベティ・デイビスの怪演で、この映画をホラー映画のカテゴリーにいれる向きもありますが、
あのラストなら、やはりこれは、一流のサスペンス映画か、もしくは、
骨太の人間ドラマとして見るべきでしょう。
しかし、かつての美人女優が、ここまで老醜をさらす映画に出演したというのはスゴイと思います。
中途半端な覚悟ではできるもんではない。
ベティ・デイビスの腹の据わり具合が、まずこの映画の大ヒットを生んだと言っていいでしょう。
アルドリッチ監督が意識したかどうかは、わかりませんが、
この映画を観ているうちに、僕は、ビリー・ワイルダー監督の「サンセット大通り」との
共通点を多く見つけて、ニヤニヤしておりました。
まず、往年のハリウッド女優を、女優という設定で起用したこと。
「サンセット大通り」では、グロリア・スワンソン。
「何がジェーン~」では、ジョーン・クロフォードとベティ・デイビス。
両方共、映画界へのカムバックを画策している設定。
そのために雇われるのが、「サンセット大通り」では、脚本家のウイリアム・ホールデン。
「何がジェーン~」では、ピアニストのビクター・ブオノ。
そのために人を殺し、最後は正気を失う展開。
違うのはラストで、かたやグロリア・スワンソンは、鬼気迫る演技で魅せましたが、
ベティ・デイビスは、瀕死の姉から真実を聞かされ、それまでの、鬼婆キャラが
ウソのような優しい笑顔を浮かべて「正気を失う」というあたりが好対照でした。
ベティ・デイビスとアルドリッチ監督は、このあとも、がっちりタッグを組んで、
「ふるえて眠れ」を製作していますから、この作品はよほど手応えがあったのでしょう。
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