2009年公開の作品。
主演は、麻生久美子。
「ナポレオンの村」で、彼女のプチファンになった流れで鑑賞。
得体のしれないタイトルなので、一切の情報を入れないまま見てみました。
なんともつかみどころのない映画でしたが、むしろそれがこの映画の肝かも。
ファンタジーといえばファンタジー。
喜劇といえば喜劇。
ホームドラマといえばホームドラマ。
とにかく、ストーリー展開がほとんど予測不能。
観客をどこに連れていきたいのか、まったく見当がつかない展開。
物語は、ヒロインのモノローグで進行します。
このモノローグにシンクロした、手際のいいカットつなぎがこの映画の味。
飄々としたコメディエンヌとしての麻生久美子の魅力を引き出しております。
直角に曲がった「折れ釘」。
水道の蛇口。
沼に沈む招き猫。
沼から飛び出して空を舞うドラゴン。
カッパ。
いったいなんだったんだあれは。
でも、これら実に映画的なメタファが、なんとも人を食っていて楽しい。
やることなすこと上手くいかなくてめげているヒロイン。
その彼女に、父親を演じる風間杜夫がいうセリフ。
「物事に行き詰まったら水道の蛇口をひねれ」
さあ、では水道の蛇口をひねったらどうなったか。
なんともヘンテコな映画で、こちらはニヤリの連続。
でも、観客にそう思わせたら、おそらくこの映画は作り手の勝ちでしょう。
やられました。
コメント