今回のオリンピックは、お隣の国なので時差なし。
9日午後8時からは、開会式が行われました。
韓国では、1988年のソウル大会以来、30年ぶりのオリンピック。
冬のオリンピックとしては、これまでに二度の冬季オリンピックを開催してきた日本に次ぐ、二番目となるアジア開催。
二年後の東京オリンピック。
そして、4年後の冬季オリンピックは、北京に決定しているので、オリンピックは、しばしアジア開催が続くことになります。
人種のことはよくわかりませんが、我々みんな同じ顔をしているもの同士、ここは協力しあって、アジア・パワーを全世界に轟かせましょう。
今回の五輪は、北朝鮮の核開発をめぐる国際情勢が暗い影を落とし、平和の祭典に水を差すようなことも起こるのではないかと懸念されました。
ロシアのドーピング問題もあります。
しかし、五輪は平和の祭典。
ここは、一時的にでも、面倒臭いことは忘れて、しばし、平和のスポーツの祭典を世界で楽しみましょうよ。
とりあえず、ロシアの問題は、ドーピングに関与していない選手のみ、国を離れて個人の資格で出場を認めるということで決着。
北朝鮮の問題は、選手団22人を、韓国と合同選手団として出場させるなどで決着し、なんとかこの開会式にこぎつけました。
金正恩さんも、プーチンさんも、二週間ちょっとのことです。
物騒なことはとりあえず考えないで、テレビ中継はご覧になって、自国の選手の活躍を応援してくださいませ。
そして、もしも金メダルを取った選手が出たら、拍手してあげてくださいませ。(北朝鮮の場合は銅像かな)
さて、このオリンピックの規模は冬季オリンピック史上最大。
参加する国と地域は92。参加選手は2900人あまり。
韓国がこのセレモニー用に建設したオリンピック・スタジアムで開催されました。
というわけで韓国としても国家の威信をかけて挑んだ開会式。
開会式のテーマは、Wikipedia によれば、「ピース・イン・モーション」
でも、NHK-BS1の生放送では、「パッション・コネクテッド」(情熱をひとつに)といっていました。
まあ、それはどちらでもよろしい。
オリンピックの開会式は、主催国の文化と歴史を世界に紹介する絶好の場。
それを、今回の開会式では、韓国の5人の子供たちの冒険という形式で描いていきましたね。
まずは、高句麗の陵墓の壁画をモチーフにした、伝説の動物たちの張り子が登場。
今の韓国映画のCG技術なら、スピルバーグ映画並みの、3D-CGくらいのことはできそうな気もしますが、あえてそれはせず、黒子が操るという「手作り感」の演出。
これが、オリンピックらしくてよろしい。
白虎、青龍、朱雀、玄武といった四神などの中で、一際目を引いたのが人面鳥。
子供が見たら泣きだしそうな異様なキャラクターでしたが、これは韓国の人に言わせれば「平和な時代にしか現れない」不死鳥の元祖とか。
まあ、その国にはその国の文化があります。
これは、人類の文化の多様性を包括する実地訓練ということで理解することにいたしましょう。
さて、選手入場。
先頭はいつもの通り、オリンピック発祥の国ギリシャから。
以下ハングルの字母順で行進。
我が国は、62番目の入場行進。
いつのオリンピックでも、日本選手団がスタジアムに入ってくる瞬間はワクワクいたします。
旗手は、8回目のオリンピック出場となる46歳のレジェンド葛西紀明。
問題のロシアは、ドーピングに関与していない選手のみが「OAR (Olympic Athlete of Russia)」として入場。
リオ・オリンピックでは、「難民選手団」としての行進がありましたが、冬のオリンピックでは、さすがにそれはないか。
さて、今回の選手入場の中で、一際観客を驚かせた選手が一人いました。
それは、トンガのクロスカントリー代表のピタ・タウファトフア選手。
この人、なんとあのマイナス七度の極寒の中、上半身裸で行進。
ココナッツ・オイルでテカテカに光らせたムキムキの上半身に全世界が注目。
あれ待てよ、と思って調べたらこの人前科がありました。
2年前のリオ・オリンピックでは、テコンドーの選手として出場して、開会式で同じパフォーマンスをして、喝采を浴びています。
やはり、大歓声はクセになるのかな。
そして、選手団行進のトリは、北朝鮮と韓国の合同選手団。
なんだか、感動してしまいました。
あんたたち、やれば出来るんじゃん。
還暦も近づくと、これしきのことで、もう涙腺が怪しくなってきます。
そうそう、一緒に歩いてしまえば、誰がどちらの国の人だかわかりませんて。
そして、オリンピックの開会式といえば、なんといってもマスゲーム。
国の文化の威信を背負った一糸乱れぬ集団演技は、オリンピックの開会式ならではのもの。
韓国の民族衣装チマチョゴリを着た女性たちが太鼓を叩きながら踊るパフォーマンス。
そして、国旗掲揚、国歌斉唱、選手審判コーチ合同宣誓に続き、韓国の歌手たちによって歌われたのが「イマジン」。
韓服に身を包んだ老人が、「アリラン」を歌い出すと、5人の少年少女たちの未来が映し出され、フィールドにはプロジェクション・マッピングによる幾何学的な未来映像。
そして、今回の開会式の目玉中の目玉。
過去のどのオリンピックの開会式も、主催国は、五輪マークのパフォーマンスには、あっと驚く大規模のページェントを提供してきました。
東京オリンピックでは、国立競技場の空に、飛行機を飛ばして、その飛行機雲で五輪マークをつくるパフォーマンスだったなあ。
競技そのものと同じように、最高の祝典で、忘れられない瞬間をつくりだそうと主催者側はこれには知恵を絞ってきます。
そして、今回の平昌冬季オリンピックの開会式でも、観客はこれまでに見たことのないような光景を目撃することになります。
このパフォーマンスの主役は、なんと、1218機のドローン。
蛍光色に輝くドローンの大群が、機械的なうなり声を上げながら、スタジアムの空に舞い上がります。
Perfume のパフォーマンスでも、コンピューターでコントロールした、ドローンのパフォーマンスは見たことがありましたが、それはわずか3機。
こんな大規模なドローンのパフォーマンスは見たことがありませんでした。
なんとも圧倒的な光景。
このLEDで光り輝くドローンが、スジアムの中空に描いたアニメーションはスケートボードで滑走する若者。
35000人の観客が驚きの声を上げる中、そのスケートボードの若者が、五輪のマークに変身します。
これは見事でしたね。
韓国が、この寒い平昌に、わざわざ屋根なしのスタジアムを建設したわけはここにあったかと納得。
ドローン、アマゾンで購入するかな。
そして、いよいよ開会式のクライマックスは、聖火点灯。
韓国の歴代のアスリートたちの手でリレーされた聖火は、聖火台へ続く長い階段の前で二人の選手に手渡されます。
この選手は、女子アイスホッケーチームの北朝鮮の選手と、韓国の選手。
その二人が「仲良く」階段を駆け上っていくと、聖火台の前に待っていたのは、あのフィギュア・スケートのキム・ヨナ。
いつ出てくるか、いつ出てくるかと思って見ていましたが、やはり最後の最後の一番いい場面で登場してきましたね。
でも顔はやや緊張気味。
そりゃ、この大舞台ですもの。りキムヨナ。
この聖火台は、ミニ・アイスリンクになっていて、彼女がここで一舞した後、点火したミニ聖火台からスルスルと伸びた輪が大聖火台に点火。
これで、いよいよ17日間に及ぶ、各国のアスリート熱い戦いの火蓋が切って落とされました。
政治不安の中から、いろいろと心配された開会式でしたが、まずは無事に終了してくれてなにより。
なんて思って、ニュースを見ていたら、この開会式の混乱を狙ったサイバー攻撃が、平昌をターゲットにしてあったとのこと。
おいおい、よしなさいって、そんな野暮なことをするのは。
お里が知れるぞ。まったく。
どこの誰かは知らないけれど、せめてこの17日間くらいは、あんたたちも、こっちにきて、このスポーツの祭典を楽しみなさいって。
というわけで、少々ケチはつきましたが、以上これにて、平昌オリンピックの開会式はつつがなくお開き。
さて、とにもかくにも平昌オリンピック開幕です。
韓国様としては、我が国に、いろいろと文句もあるのでしょうが、一応仮にも冬季オリンピックは、これまで二回成功させたアジアの先輩国として一言。
開会式。立派でしたよ。よくやった。
ご苦労様でした。
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