昔の人は、うまいことを言ったものです。
「可愛さ余って、憎さ百倍。」
そんな昔に、今ほどの脳科学はなかったでしょうが、昔の人の経験則は、ほぼ今の脳科学の知見を言い当てています。
さすがといえばさすが
愛情と憎しみは、実は表裏一体。
大きな愛情には、実はそれと同じくらいの憎しみが内包している。
「あらゆる紛争は、愛から始まった小さな干渉から起こる。」
どうやら、愛情というやつがクセモノのようです。
シャーデンフロイデとは、誰かの不幸が快感に思えてしまう感情。
「人の不幸は蜜の味」というやつです。
この感情を司るのが、オキシトシンという脳内物質。
俗に言う「愛情ホルモン」「幸福ホルモン」と言うやつですが、このホルモンは、実は「妬み」と言う感情にも同様に影響する模様。
つまり、愛情が深い人ほど、妬みやすいというわけです。
愛情が空回りし始めるとおもわず出てしまう感情。
「自分は、こんなに愛しているのに、この人にはそれがない。」
このあたりのバランスが、崩れてくると、人はストレスを感じてきます。
それを「裏切り」とさえ思う人もいる。
愛が憎しみに変わる瞬間です。
おーこわ。
こういう人は、愛着パターンが不安定。
脳の生理からいうと、オキシトシンの動態が安定的でないため、ストレスを感じやすくなっているということです。
愛情は、もちろん男女間のことだけではありません。
家族愛もあれば、地域愛もあれば、自分が属する集団に対する愛情もあります。
国家に対する愛情もある。
これらの愛情が、ある一定のラインを超えて、そのバランスを崩すと起こるもの。
それが喧嘩であり、紛争であり、戦争。
身もふたもない言い方をしますが、愛という感情が人間からなくなれば、もしかしたら、ほとんど全ての争いはなくなるのもしれません。
もちろん戦争も起きない。
ちょっとそんな気がしてきました。
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