さて、信州ぶらり旅2日目。
この日は、乗鞍岳の畳平に行ってみることにしました。
理由はただひとつ。
「馬鹿は高いところに登りたがる」
8時30分旅館前到着のバスに乗って、向かったのは7キロ先の乗鞍高原観光センター。
乗鞍岳観光の基地となるところ。
ここから、畳平までは、シャトルバスを利用します。
往復2500円。揺られること90分。
途中、日本で一番高い場所にあるバス停なんて場所も通過。
そして、このあたりは、五月くらいまでならまだ大雪渓も見られた場所。
到着した畳平のバスターミナルは、すでに標高2700メートル。
ここから、3000メートル級の山にアタックできます。
しかし、バスに乗っている皆様方は、そんな山に来たとは思えないほどの軽装。
中には、スニーカーの女子もいるほど。
時刻表を覗くと、ご来光の時間に合わせたバスもあり。
なるほど、ここから剣ヶ峰(3026m)まで登ってみるご来光は見応えありそう。
ちょっとその気になって、近くの宿をとろうかと思ったら、電話する宿すべて「本日休業」。
どうやら、このあたりの宿泊施設は、火曜日に一斉休業のようです。
お泊まりは諦めて、早速あたりを散策。
ちなみにお手洗いも、このあたりは水が貴重なため有料。
一回100円でした。
まずは、バスターミナルの真向かいにある魔王岳に登ります。
ここは、標高2761m。
周囲ぐるりと遮蔽物なしで、北アルプスが一望。
まずはここで、パノラマ写真一枚。
この高さまで登ってくると、七月だというのに、まだ根雪が残っています。
さて、てっぺんにいる間に、雲行きが怪しくなってきたので下山。
今度は、バスターミナルの裏手にある、高山植物のお花畑観賞用の木道を歩きます。
この時期一番花盛りなのは、キンポウゲ科のハクサンイチゲ。
そして、ピンクの花を咲かせているのは、イワウメ科のイワカガミ。
この標高までくると森林限界は超えてしまうので、高木は育ちません。
なので、針葉植物のハイマツもこの高さ。高山植物のパラダイスです。
さて、次はどこに登るか。
旅館でたっぷり食べた朝食が、まだ消化しきれていません。
見上げれば、摩利支天岳山頂に見える東京大学コロナ観測所。
そしてその向こうには、この辺りでは最高峰になる剣ヶ峰。
もちろん、お花畑けなど目もくれず、装備も準備万端、嬉々として剣ヶ峰を目指す登山客もいます。
どうする?
いやいや、今日はやめとこう。
山歩き大好きとは行っても、関東近郊の1000m級の山しか登ったことのない素人愛好家。
ぶらりと軽装で来た身としては、ちょいとハードルが高すぎると判断いたしました。
そこで、見つけたのが富士見岳(2818m)。
見れば、小学生のパーティが、先生に引率されて賑やかに山頂を目指しています。
あの後について行けば、間違いはあるまい。
お花畑からの急階段を上って、富士見岳登山口に到着。
今年還暦の老体に鞭打って、山頂まで一気に駆け上がりました。
情けなくも、山頂にたどり着けば、完全な息切れでゼエゼエ。
しかし、山頂に立つと、靄っていた天気が一転して、あれよあれよという間に、雲を払って快晴に。
ここで、爺いらしく、日本の政治を憂いて一句。
さて、今まで行った日本の山を思い起こしてみます。
高い山で、山頂近くまで登った記憶があるのは、確か栃木県の那須岳。
確かあそこも、ロープウェイでかなり高いところまで登って行きました。
ちょっと調べてきます。
調査結果報告。
那須岳の主峰・茶臼岳の標高1915m。
確認できました。
この富士見岳山頂が、我が人生の国内最高到達点。
めでたしめでたし。
ちなみに、この定年退職後の、有給消化中に、チベットのブータンに旅行する計画を立てています。
あの国は、一番低いところで3000m級の山岳国家。
それまでは、この写真が、一番高いところで撮った一枚ということになります。
コメント