定年退職後は、農業で暮らしていくと決めたのはおよそ10年前。
その思いは、徐々に膨らんできましたが、それと同時に、ずっと行きたかった国がブータンです。
ブータンは、中国とインドにはさまれたチベットの山岳国家。
人口およそ70万人。
九州くらいの大きさの小さな国です。
この国が、大真面目で「GNH(国民総幸福量)」を国の政治の指針にしているのは有名な話。
そして、農業しか特別な産業がない貧しい国であるにもかかわらず、なんと国民の97%が、幸せを感じているという恐るべき国。
「私たちは、急速な近代化も、経済発展も望みません。」
ブータンのワンチュク国王はそう言います。
そして、このGNHを踏まえた憲法もできました。
彼らはとことん本気です。
ブータン国民の幸せのためのガイドラインは以下の四つ。
「持続可能で公平な社会経済開発」
「ヒマラヤの自然環境の保護」
「有形・無形文化財の保護と推進」
「よい統治。」
この四つの柱に基づいて国の政治が運営されます。
チベット仏教の教えの核にあるのが「欲」に対する戒め。
人間の欲が、悪政を生むことをこの小国は知っています。
彼らは、自分たちの身の丈以上の生活を望みません。
仏教の伝統を守り、その文化を生活の糧とすることに誇りを持っています。
彼らは、貧しいことを決して恥じていない。
むしろ、欧米諸国による近代化の波に飲まれていくことに強い警戒の念を持っています。
農業中心の自給自足に近い生活の中で、ブータンの人たちが、如何に幸せを感じているのか。
これだけは、今後の人生を設計する上でも、どうしてもこの目で見ておきたいと思っています。
ということで旅行会社から、日程表が届きました。
写真の一番上は、ブータンの国獣に指定されている珍獣ターキン。
その下は、2日目にいく断崖絶壁の僧院タクツァン。
そして、ブータン式焼石風呂ドッツォ。
これでもう、気持ちはブータン。
贅沢はできない老後です。
これが最後の海外旅行になる可能性は大。
出発まで10日。
ただ今ブータンの本2冊目。
しっかり勉強しております。
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