2017年の作品。
監督は、白石晃士。
ずっとホラー映画畑で、キャリアを積んできた監督ですね。
原作は漫画ですが、わたくしは未読。
ただ、主演の松坂桃李は、最新作「新聞記者」を見たばかり。
この作品では、正義と不正の間で揺れるキャリア国家公務員を見事に演じていました。
その彼が、まったく真逆のシリアルキラーを演じたのが本作。
役者としての振れ幅はかなり大きな俳優のようで、これからも楽しみです。
一方その彼を追い詰めていく刑事役が沢尻エリカ。
原作では、男性のようですが、映画では女性が刑事役。
でもやはり、この女優さんは綺麗すぎ。
こんな刑事いるわけがないとこっちがまず思ってしまいます。
篠原涼子も、竹内結子も、刑事としてはもちろん美人ではありましたが、そこは演技力と、存在感で観客を納得させてくれましたが、この人の場合は、やはり「綺麗すぎ」が先に来てしまう。
まずそこで、リアリティが消えるのはやむなし。
まあ映画だから、それはしょうがないと観る方が飲み込まないといけない。
だって、不美人を主役にすれば客が入りませんからね。
さて、「不能犯」とは、Wiki によれば、刑法学上の概念の一つで、行為者が犯罪の実現を意図して実行に着手したが、その行為からは結果の発生は到底不可能な場合を言うとのこと。
まあ、映画化するには、こんなに美味しい法律用語があったのね。
これは見つけた人がえらい。
漫画は知りませんが、映画では、相手をマインドコントロールして死に導くわけです。
とある、電話ボックスに、殺人の依頼を置いておけば、その殺人を代行してくれる。
その殺人鬼を演じるのが、松坂桃李。
役名が「宇相吹正」(うそぶきただし)
いかにも、漫画が原作だとわかるネーミング。
そして、その依頼は確実に実行されるが、依頼した方もただでは済まない。
結局双方、地獄に落ちると言う展開。
そこで彼が呟く決めのセリフがこれ。
「愚かだね。人間は。」
松坂桃李は、主役というよりも、むしろ狂言回し的な役回り。
リレー式につながっていく、依頼者のドラマが本筋といえば本筋。
やはり、漫画が原作ですと、こういう脚本になりましょうか。
作り手としては、原作のファンは、どうしても集客の数の勘定に入れているでしょうから、そう無下には原作をいじれない。
でも、映画的なカタルシスを求めれば、ラストに向けて、多少は映画的な工夫もしたい。
難しいところなんでしょうか。
それがうまくいっているかいないか?
いや、それは僕にはわかりません。
だって、原作読んでませんから。
理解「不能犯」。
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