なんとも、ジャガイモに振り回された1週間でした。
ジャガイモの種芋を仕込んだのが3月下旬。
ちょうど、小川町の「風の丘ファーム」で有機野菜の研修をした際に、しっかりとジャガイモ栽培の勉強をしたばかりでしたので、その記憶も新鮮なうちに、早速我が畑で実践。
ジャガイモは順調に育ち、無事収穫を迎えました。
仕込んだ種芋は、「男爵」を10キロ分。
去年は、ジャガイモはやりませんでしたが、一昨年の倍の量。
首尾よく収穫になれば、今回はお裾分けだけではなく、営業もしてみようと思っていました。
前半収穫分は、朝採りをそのまま直売所で販売したり、ポテトチップスを作ったり、畑のオーナーでもある元の会社にお裾分けなどであっという間になくなりました。
さあ、ここまでは良かった。
さて、後半は本格的に販売してみようかという目論見で、近くの農産物直売所などものぞいて話を聞いたりはしていました。
しかし、ジャガイモの作り方は研修できていたものの、さてそれをどう売るかという研修がまだでした。
山形のジャガイモ農家で研修した際には、収穫されたジャガイモは、選別機械で自動的に4種類のサイズに振り分けられていましたので、これに習って、L,M,Sに目視で選別。
前半はこれを、軽く拭いて、土を落とした状態のジャガイモを朝採りで売っていました。
しかし畑からそのまま出すと、イモの表面のくぼみに入った土が中々きれい落とせません。
確か、山形の農家の選別機には、ちょうど自動洗車機のように回っているハケのトンネルの中をジャガイモが通過すると、キレイに土が落ちている仕組みでした。
そんな高度な機械はない素人百姓ですので、手作業でやるしかないのですが、後半収穫分はいっそのこと全部持ち帰って、水洗いしたものを、家から袋詰めして持って行こうとしたのですが、これが大きな間違い。
きれいに洗ったジャガイモをサイズ別に分け、ある程度水を切ってから、段ボール箱に入れて保存。
湿気をとり、太陽光にも直接当たらないようにと、ボロシーツにも包みました。
ところが、次の日の作業を終えて、自宅に戻ると異変。
ジャガイモを置いた部屋から嫌な臭いがしています。
案の定、匂いの元はダンボールの中から。
上の方から、洗ったジャガイモを順番に取り出していくと、段ボールの底の方にあったジャガイモのいくつかが白い泡を吹いています。
触ると、皮がプヨプヨ。
ジャガイモが湿気に弱いのは知っていましたが、おそらく、洗ってよく水が切れていなかった底の方のジャガイモが、密閉した空間の高湿度の中で腐ってきたもの。
慌てて、すべてのジャガイモを一個一個手で触ってチェック。
怪しいものは全て廃棄し、残ったジャガイモは再び洗い直して、今度は一個一個タオルで拭き取りました。
これをまた段ボールに戻しても、同じことが起こりそうなので、販売用のビニール袋に数個ずつ入れて、「密」にならないように並べておきました。
しかし、こうなると素人百姓としては、もう怖くて直売所には出せません。
そのままにして、様子を見ることにしました。
次の日も畑から帰ってきて、恐る恐るドアを開けると、やはりどこからかあの嫌な匂い。
見た感じでは分かりませんが、一個一個触っていくと、やはり皮がプヨプヨのジャガイモが、いくつかは発生していました。
こうなると、もう売ることは断念せざるを得ません。
コツコツとやっていた営業も、とりあえず白紙。
考えることは、この後どうこの被害を最小化するか。
なにせ、収穫してきたジャガイモは、半端な量ではありません。
しかし、かくなる上は、自分で消費するしか方法はなし。
幸い、春に中身を空にした2台目の冷凍庫があります。
そうです。こういう時のために取得したのが、「冷凍生活アドバイザー」の資格。
まずは、L サイズのジャガイモからせっせと皮剥き。
後で料理しやすいように、一口カットに切って、袋詰め真空パック。
これで、ある程度の量はなんとかなります。
しかし、どうせ料理をするなら、新鮮なジャガイモで調理して、冷凍保存した方が美味しいまま保存できるというのが冷凍生活の鉄則。
というわけで、朝から雨の続く鬱陶しい日が続いていたことを幸いに、丸一日ジャガイモ料理に取り組みました。
まずは、やはりポテトチップス。
今回は、前回よりも大量に作りましたので、袋詰めする際に、乾燥剤を投入。
さて、これでどれくらいシケないで保ってくれるか。
さて次に挑んだのが、肉じゃが。
これは、通常の肉じゃがと味噌味の肉じゃがの2タイプにトライ。
ここ数年は色々な料理を楽しんで参りましたが、肉じゃがを作った記憶はなし。
今は亡き母親の作った肉じゃがが美味かったことを思い出しながら、レシピはいつも通りクックパッドから。
通常の肉じゃがには、つきものの小結白滝。
そして、玉葱でしょうか。
残念ながら、玉ねぎはまだ畑にはありませんので、「業務スーパー」の、冷凍微塵切り玉ねぎを使用。
白滝などのコンニャク系は、冷凍保存するとパサパサになり食感が変わってしまいますので使わずに、その代わりたっぷり収穫していたツルインゲンを代用。
これも、たっぷりとジャガイモを使用して、一食ずつ真空パック。
美味しいかどうかは、まだ食べていないのでわかりません。
まずは、調理することが先決の緊急事態宣言です。
これは作ったものを全て冷凍庫に放り込みました。
さて、まだまだあるジャガイモ。
次にトライしたのが、コロッケ。
ジャガイモといえばコロッケでしょう。
これは、下準備の状態で冷凍保存します。
マッシュしたジャガイモに、ニンニクで軽く炒めた挽肉と玉ねぎを混ぜ合わせます。
これに小麦粉、卵、パン粉で衣をつけた状態で、真空パック。
もう一台の冷凍庫の奥には、去年里芋で大量に作ったコロッケが残っていました。
もちろん、揚げれば普通に食べられます。
よし、これは、大量に作れそう。
というわけで、衣状態のコロッケが、なんと115個完成。
おかげで、ジャガイモの在庫はだいぶ減少。
これは、試しに揚げて食べてみましたが、なかなか美味しい。
これなら、チビチビとでも、飽きずに食べれそうです。
当面の間、トーストの朝食には、欠かせない一品になりそう。
少なくとも、里芋で作ったナンチャッテコロッケよりは、グッドです。
さすが、新ジャガ。
さて、それでもまだ無くならないジャガイモ。
最後に作ったのが、ポテトサラダ。
ポテトサラダは、ベジタリアンを始めてから、何度も作っている大好物メニューですが、難点は足が早いこと。
もちろん、走り出すわけではありませんが、すぐに酸っぱくなって味が劣化してしまいます。
これが足が早いということ。
ポテトサラダは、冷凍保存にも向きません。
しかし、それを承知で、今回は大量に作りました。
こうなれば、もちろん真空パックに頼るしかなし。
なかなか、美味しいポテトサラダが、とりあえずはできました。
とにかく、ヘビーローテーションで食べることにいたします。
というわけで、なんとか、大量に残ったジャガイモは片付きました。
しかしながら、今回収穫したジャガイモの、およそ4分の1程度は、こちらの不手際で廃棄。
これは、痛恨の極みでした。
百姓としては、完全なる修行不足。
まだまだ研修の必要はあると痛感させられた今回のジャガイモ騒動。
ジャガイモは、くれぐれも水洗いするべからず。
洗うなら、必ず調理前であること。
これは、肝に銘じました。
我が国では、作られた食料の4割近くが廃棄処分になっていると聞きます。
野菜を作っていると、無駄にしたくないという気持ちだけは自然に強くなります。
こんなチョンボで、ちゃんと食べられるジャガイモを無駄に捨てることになったことについては大いに反省。
これから大量に食べることになるジャガイモ料理を味わいつつ、まだまだ一つ一つ粛々と勉強してまいります。
イモニイチャンならぬ、イモジジイ大チョンボの巻でございました。
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