さて、元々はLINE のスタンプにしようと思って描いたイラストですが、見事に全てリジェクト(却下)されてしまいましたので、このブログでで使うことにいたします。
今回は、1950年代の映画からの名セリフ。
参考にしたのは、AFI の「アメリカ映画名セリフ・ベスト100」です。
まずはこちらから。
ホラー映画ではありません。
これは、ビリー・ワイルダー監督の傑作「サンセット大通り」のラスト・シーンです。
1950年製作。
演じているのは、グロリア・スワンソン。
サイレント映画時代の大女優が住む、豪邸に迷い込んだのが若きシナリオ・ライター。
演じるのがウィリアム・ホールデン。
大女優は、ノーマ・デズモンド。
既に忘れ去られた存在になっている彼女は、カムバックするための脚本を、書かせるために彼を雇います。
しかし、ノーマの狂気に次第に気づき、彼女の元を去ろうとした彼は、彼女に射殺されてしまいます。
元大女優による殺人というスキャンダルに、マスコミはノーマの屋敷に一斉に押し寄せます。
しかし、すでに精神に異常をきたしている彼女は、その報道のカメラを、撮影のカメラと思い込み、鬼気迫るポーズをとりながら、階段を降りていきます。
そして・・
「用意はいい? ミスター・デミル。クローズ・アップよ!」
ミスタ・デミルは、もちろん、サイレント時代からのスペクタクルの巨匠セシル・B・デミル。
映画には、本人役で出演していましたね。
とにかく面白い映画でした。
主演のグロリアー・スワンソンが、撮影時点で、実際にすでに忘れ去られていたサイレント時代の大女優でしたので、虚実入り混じって迫力満点。
お次は、デビット・リーン監督の「戦場にかける橋」から。
1957年の作品です。
これも、ラストのセリフ。
日本軍の捕虜収容所に移送されてきたニコルソン大佐率いるイギリス部隊。
ニコルソン大佐を演じるのはイギリスの名優アレック・ギネス。
彼らが送られてきた理由は、クワイ河に、橋をかける工事のため。
収容所の所長斉藤大佐は、早川雪洲。
捕虜の身ではあっても、毅然とした態度で斎藤大佐に対峙するニコルソン。
彼は、イギリス軍の指揮下で、橋を建設することを、斉藤に承諾させ、そのプライドをかけて、橋を完成させます。
しかし、アメリカ軍の捕虜だったシアーズ中佐(ウィリアム・ホールデン)
やウォーデン少佐は、橋の爆破を計画。
完成した橋を、斉藤とともに見回っていたニコルソンは、点火箱に繋がる導火線を発見。
爆破を阻止しようとしますが、銃撃戦になってしまいます。
爆撃を受けて、意識朦朧となったニコルソン大佐が倒れ込んだのが点火スイッチの上。
ちょうどその時に、橋には、乗客を乗せた列車が・・
累々の死体が横たわったクワイ川の河川敷を見下ろしながら、軍医のクリプトンが思わず漏らすセリフがこれです。
「なんてことだ。信じられない。」
確か、そんな字幕でしたが、オリジナルのセリフは、「狂ってる! 狂気の沙汰だ。」
これで、ふと思い出しました。
フランシス・フォード・コッポラ監督の「地獄の黙示録」で、最後に牛のように斬り殺されるカーツ大佐(マーロン・ブランド)の断末のセリフと同じじゃないか?
気になったのでちょっと確認。
調べてみたら、こちらのオリジナルは、こうでした。
“The horror... the horror...”
「恐怖だ! 恐怖だ!」
このセリフは、極度に肥大したマーロン・ブランドの体型と、妙にシンクロしたのを覚えています。
さて、ヨーロッパ映画からも一つあげましょう。
ジャン=リュック・ゴダール監督の「勝手にしやがれ」。
ヌーベルバークの金字塔と言われる作品です。
1959年の作品。
やはりこれもラストのセリフ。
ガール・フレンドのパトリシアに密告され、警察に追われて、街へ駆け出したミッシェルが、銃で背中を撃たれます。
ミッシェルを演じるのは、ジャン=ポール・ベルモンド。
パトリシア役は、ジーン・セバーグ。
薄れゆく意識の中で、ミッシェルは、つぶやきます。
「最低。」
さて、このセリフ。
主語をどうするか問題があります。
主語が「俺」なら、「ああ、こんなみっともない死に方をする俺は最低。」
主語が「おまえ」ということなら、「おまえ、裏切りやがって最低!」
さあ、どっちでしょう。
映画の方は、その最後のセリフを聞き取ったに警官に、パトリシアがこう聞いて終わります。
「最低っなに?」
ちなみに、パトリシアはアメリカ人の設定。
1959年の作品から、もう一本。
またまた、ビー・ワイルダー監督の作品です。
マリリン・モンローが、魅力的だった「お熱いのがお好き」
これもまた、ラストのセリフ。
映画の筋とは、関係ないオチなのですが、これは最高に可笑しかったですね。
ギャングに追われた二人のバンドマン、ジョーとジェリー。
二人は、女だけの楽団に、女装して紛れ込むことに成功。
演じるのが、トニー・カーティスとジャック・レモン。
ジョーの方は、歌手のシュガー(モンロー)とよろしくやるのですが、ジェリーの方は、大富豪に気に入られて求婚されてしまいます。
スッタモンダの末、最後は自分の素性をバラして、富豪の求婚を断ろうとするジェリー。
しかし、富豪は笑顔でこう答えます。
「完璧な人なんていないさ。」
これは、可笑しかった。
そして、最後は西部劇のこの傑作。
1953年製作。
ジョージ・スティーヴンス監督の「シェーン」
ワイオミングで開拓民家族の前に、流れ者のシェーンがフラリと現れます。
銃を置いて、家族と一緒に暮らし始めるシェーン。
次第に、その生活に溶け込んでいくシェーンですが、開拓民達は、土地を巡って、牧畜業者ライカーと対立していきます。
ライカーの雇った殺し屋に、仲間を殺されると、再びシェーンは、開拓民の代わりに、銃をとって、殺し屋と対決しに向かいます。
一瞬の早打ちで、殺し屋と仲間を仕留めると、シェーンは、ついてきた少年ジョーイにこう言います。
「人は変われないもんだ。」
馬にまたがると、またどこに向かってさすらいの旅に出るシェーン。
その背中に向かって、ジョーイが叫びます。
ということで、この次は1960年代です。
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