2005年製作の映画です。
監督は、クリストファー・ノーラン。
「メメント」を見た流れで、これをチョイスいたしました。
「バットマン」は、もちろんアメリカン・コミックのヒーロー。
僕の世代ですと、テレビ・シリーズは見ていましたね。
パンチやクラッシュの破裂音が、コミックみたいに、派手なロゴになって飛び出す演出をよく覚えています。
映画の方は、Wiki してみますと、今までに7本作られています。
見た記憶があるのは、ティム・バートン監督による2作。
「バットマン」「バットマン・リターンズ」
主演はマイケル・キートンでした。
テレビ・シリーズのイメージよりは、かなりダークな印象でした。
バットマンは、本作よりリブートされ、「ダークナイト・トリロジー」として、ノーラン監督による三部作が作られます。
本作は、その一作目。
バットマン誕生秘話といった内容です。
主演は、ブルース・ウェインに、クリスチャン・ベイル。
幼馴染で、ゴッサム・シティの悪と立ち向かう女性検事補レイチェルにケイティ・ホームス。
ウェイン家の執事アルフレッドに、マイケル・ケイン。
ゴッサム・シティを破壊しようとする敵役ヘンリー・デュガードに、リニアム・ニーソン。
ウェイン産業の悪徳CEOアールには、ルトガー・ハウアー。
ウェインに、装備を提供する、亡き父の部下だったルーシャスにモーガン・フリーマン。
腐敗したゴッサム・シティにあって、数少ない善良な警官ジム・ゴードンにゲイリー・オールドマン。
そして、影の同盟のドンであるラーズ・アル・グール(実際は、その影武者)に渡辺謙。
僕は原作コミックを見ていませんが、当然ながら荒唐無稽であるはずのストーリーに、原作の世界を踏襲しつつも、今の観客を納得させるリアリズムを持たせるには、やはり俳優たちの存在感は不可欠。
というわけで、キャストにはなかなか堂々たる布陣を揃えて、「メメント」で評価されたばかりの新鋭監督(当時35歳)クリストファー・ノーランに、1億5000万ドルの製作費を、ポーンと預けるわけですから、ワーナー・ブラザーズも肝が座っています。
クリストファー・ノーラン監督といえば、CG嫌いな実物主義監督として有名です。
本作からもその片鱗は伝わってきますね。
戦車のようなバットモバイルによるカーアクションも、失踪するモノレールを脱線落下させるシーンも、すべて本物を派手に破壊していそうです。
迫力満点でした。
ゴッサム・シティの俯瞰全景なども、とてもミニチュア・セットには見えませんでしたが、まさか街ごとセットを作れるわけないよなあと思いながら見ていました。
特撮技術というものは、ハリウッドでは日々進化しています。
進化するということは、つまり過去の技術はどんどん廃れていくということ。
やはり、CG黎明期の映像は、当時は驚愕しても、次第にこちらも目が慣れてきて、今の目で見てしまうと、やはりどこか陳腐に見えてしまうもの。
しかし、そこをCG技術に逃げないで、「本物」を使うって撮影すると、その迫力は年月を経ても、色褪せることはありません。
「ベン・ハー」の戦車競技シーンなどは、何度見てもその迫力がいまだに劣化せずに伝わってきます。これもやはり、ウィリアム・ワイラー監督が、すべて本物を使ったこだわりがあったからでしょう。
しかるに、この若き監督が、本物にこだわるのは、もしかしたら、50年後、100年後の自分映画に対する評価を、すでに初めから念頭に置いているからかも知れません。
やはり、只者ではないかもしれん。この監督は。
本作のラストでは、ジョーカーの登場を仄めかしていましたが、次回作はいよいよヒース・レジャーのジョーカーの登場。「ダーク・ナイト」です。
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