ハリー・ポッターと炎のゴブレット
さて、4作目です。
ハリー、ロン、ハーマイオニーのホグワーツ仲良しトリオも魔法学校の4年生。
日本なら、中二病の年頃14歳になっています。(彼らの実年齢は16歳くらい)
本作の話の肝になるのは、魔法界の伝統行事である「三大魔法学校対抗試合」。
三大魔法学校が、ホグワーツに集い、その代表選手一名が、学校の名誉と期待を背負って、用意された競技を戦い抜きます。
競技は非常に危険を伴うため、新たに設けられたルールが、17歳以上であること。
ハリーたちは、まだ14歳のため、出場資格は与えられていないので、今回は応援モードです。
競技に立候補するものは、自らの名前を書いた用紙を、用意されたゴブレットの中に入れていきます。
ゴブレットというのは、儀式用の聖杯のこと。
このゴブレットの燃える炎の中から、選ばれた代表選手の名前を書いた紙が現れます。
ダンブルトン校長が、各校から選ばれた代表の名前を読み上げます。
ダームストラング校からはビクトール・クラム、ボーバトン校からはフラー・デラクール(女性)、そしてホグワーツ校からは、セドリック・ディゴリー。
代表選手はこれで決定したかに思われましたが、ゴブレットの炎の中からは、なんと4人目の代表選手の名前が現れます。
そこには、出場資格のないはずのハリー・ポッターの名前が・・・
ダンブルトン校長たちは協議しますが、ゴブレットの選出には逆らえないということで、ハリーの対抗戦出場が決まってしまいます。
ルールを破って、ゴブレットの中に自分の名前を書いたメモを入れたことを疑われたハリーは、学校中から顰蹙の嵐。
ロンやハーマイオニーとの仲もぎくしゃくしてしまいます。
いったい誰が何の為に、ハリーの名前の名前を書いた紙をゴブレットに投げ込んだのか。
訳もわからぬまま、競技に立ち向かうハリー・ポッター。
最初の競技は、ドラゴンから、金の卵を奪い取るという種目。
この金の卵には、次の競技のヒントが隠されています。
他の選手たちがあっさり金の卵をゲットしていくものの、ハリーは大苦戦。
彼の必死な戦いぶりを見て、ロンもハーマイオニーも、必死に応援。
友情は次第に復活していきます。
ホグワーツ校のクリスマスの恒例行事はダンス・パーティ。
代表選手は、パートナーを伴って、最初にダンスを踊るというのが決まりです。
しかし、奥手のハリーは、なかなか女子に声をかけられません。
心秘かに思っていたチョウ・チャン(中国系の女性!)に、やっとの思いで声をかけますが、すでに先約ありと言われてしまいます。
あまりに近い存在で気がつかなかったハーマイオニーも、パートナーはすでに決まっていると断られ、なんとかインド系の姉妹の承諾を得て、同じく苦戦していたロンと共にパーティにこぎつけたハリー。
しかし、自分の憧れのチョウ・チャンをエスコートしてきたのは先輩のセドリック。
そして、なんとハーマイオニーの相手は、ビクトール・クラムでした。
ドレスアップして見違えるレディになって現れたハーマイオニーに、二人の目はシロクロ。
この年頃では、男子よりも女子の方が、大人びてくるという事情は、どうやら世界共通のようです。
日本アニメの少女キャラに熱中しているファンは相当数いると承知していますが、このハーマイオニーの魅力は、そんなファンの「萌え心」を刺激して、このシリーズの人気に大いに貢献しているかもしれません。
さて次の競技は、制限時間内に湖底に沈められた、それぞれの選手にとって「大切なもの」を見つけて救出するというもの。
ハリーは、エラ昆布の魔法で、エラ呼吸と、てひれ足ひれを得て、湖底に潜む半魚人と戦いながら、「大切なもの」に辿り着きますが、なんとそこにいたのは仮死状態で縛られていたロン、ハーマイオニー、チョウ・チャン、そしてフラーの妹ガブリエルでした。
これは、個人的にはちょっとビックリ。
正直やや違和感がありました。
映画の中では、この伝統行事には、過去に死者も出ることがあるほど危険が伴う競技だという説明はありましたが、出場選手ではない、一般生徒が命の危険に晒すようなゲーム設定はありか。
それとも、この辺りを突っ込むオジサンは、やはり野暮か。
実際、映画ではフラーが半魚人の攻撃で途中棄権。
最後は、ハリーが、ロンと共に彼女の妹ガブリエルも一緒に助け出すという展開になり、審査委員の好評価「いいね!」を得て、ハリーはポイントを重ねることになります。
さて、最後の競技は、迷路の森の中にある優勝杯をゲットせよというもの。
この森で、フラーとビクトールは命を落としますが(たぶん?)、ハリーはセドリックと一緒に優勝杯をゲット。
しかし、この優勝杯には、移動キーが仕込まれており、二人はそのまま、「トム・リドル・シニア」の墓へとワープしてしまいます。
トム・リドルは、2作目「秘密の部屋」に登場した人物。
実はヴァルデモードその人です。
つまり、「トム・リドル・シニア」は、ヴァルデモートの父親。
ヴァルデモードは、自身を脅かす存在であったポッター一家を皆殺しにしようとしましたが、ハリーの両親は殺したものの、ハリーだけは、母親リリーの最後の魔法により殺すことはできず、同時に自らの肉体も失っています。
しかし、父親の骨、下僕ワームテールの肉、そしてハリーの血の三つが揃えば、その肉体は復活することになります。
セドリックは、ワームテールの死の呪いによって殺され、代表選手で生き残ったのは、これでハリーだけ。
そして、復活したヴァルデモードが呼び寄せた配下の中に、あの人物が・・。
ハリーと、蘇ったヴァルデモードとの一騎討ちが始まります。
というわけで、この「三大魔法学校対抗試合」の代表を選ぶゴブレットの中に、ハリーの名前を書いて入れた人物の真の目的は、このヴァルデモートの復活劇だったということが判明します。
では、その人物は誰か。
まあ、この辺りをもったいぶることで、ギリギリ「ネタバレ」なしと言っておくことにいたしましょう。
とにかく、本作は、2時間37分の長い映画です。
この他にも、たくさんの人物(魔法使い?)が本作には、入れ替わり登場してきます。
正直申して、これはまだ頭の中で整理がついていません。
一回見たぐらいでは、J.K.ローリングが構想した複雑な歴史的背景と人物相関図を把握するりのは、にわかファンにはちょっと無理なようです。。
しかし、この物語に引き摺り込まれ、何度も映画を見返し、原作を読み込んだポッター・マニアたちは、今や世界中にいます。
これは「スター・ウォーズ」を全作一気に見た時も思ったことですが、今はそんな素人ファンが、youtube で、思い思いに解説動画をアップしてくれるような時代。
彼らの研究熱心には、頭が下がります。
日曜洋画劇場の淀川長治大先生の解説は、せいぜい3分程度でしたからね。
恥ずかしながら、「遅れたハリー・ポッター・ファン」としては、そんな彼らの解説も参考にしながら、この文章は書かせてもらいました。
このシリーズも、ここまで世界中の人たちに愛される展開になってきますと、もはや原作者の手は離れて、ファンたち一人一人のイメージの中で膨らんで、キャラクターたちは、独り歩きを始めるているのかもしれません。
さて、次作は、「不死鳥の騎士団」。
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