おっと、ホラー・ファンを公言しているにも関わらず、しばらくこのジャンルを見ていませんでした。
2019年製作の「貞子」。
「リング」「らせん」で、貞子をニュー・ホラー・ヒロインに仕立て上げた張本人の中田秀夫監督によるシリーズ最新作です。
主演は、池田エライザ。
松嶋菜々子、中谷美紀、石原さとみなどなど、このシリーズのヒロインを演じてビッグネームになっていった名だたる女優の後に続けるか。
「リング」は、当時広く一般家庭にも浸透していたビデオ・テープをホラーの小道具として上手に使ったホラーでしたが、20年以上の時が流れると、この辺りの事情もやはり変わってきます。
今回、恐怖を媒介するメディアとして、中田監督がとりあげたのは、SNSと投稿動画。(もちろん、youtubeがモデル)
呪いを伝播する道具として、この新しいメディアを、どうホラーに落とし込めるかというあたりが、本作の見所と言えます。
しかし、貞子の恐怖映像に、特に新しい工夫はなく、個人的には少々残念な内容。
ホラー映画は、シリーズにしてしまうと、恐怖の鮮度は保つことは難しく、ただマンネリし、劣化していくのみという法則は、厳然と生きていることを、本作では、残念ながら、しっかり確認させてもらうことになりました。
それでも一定数のファンの支持を確実に得られるのが、ホラー映画の強いところ。
もしも、中田監督が、大監督への道を歩みたいのであれば、やはり柳の下のドジョウを安易に何匹も狙うのではなく、恐怖映画の新機軸を打ち出すことに執心して欲しいもの。
ホラー映画の魅力は、製作費の大小に関わらず、やはり斬新なアイデアが詰まっているかどうか。これが全てです。
新鮮さがなければ、どれだけ製作費を注ぎ込んでも、本当に「怖い」映画は出来ません。
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