コロナの騒動が始まって以来、カラオケ道楽はもっぱら自宅で楽しむようになりました。
今は便利な時代で、iPhone か IPad があれば、自宅でも普通に歌えます。
いろいろなアプリがありますが、僕がもっぱら愛用しているのは「SMULE」というカラオケ・アプリです。
1週間で800円と、ややお高めなのですが、歌いたい曲はほぼ歌えるので、なんとか元はとってやろうとマメに歌っています。
なんといっても楽しいのは、自分が歌ってアップした曲がいつでも聞けるということ。
もちろんユーザーの方とコラボも出来ます。
最初の頃は、いろんな人とデュエットして楽しんでいたのですが、リアル・カラオケが出来なくなってからは、ちょっとモードを変えています。
もっぱら使うようになったのは、このアプリのグループ機能です。
これを使うと、自分のボーカルが何回でも被せられるんですね。
元々が、ハモリオタクなので、リードボーカルだけでなく、バックコーラスも出来るのがけっこうツボです。
コーラスだけでなく、普通に歌った後に、ボリュームを少し下げてユニゾンでボーカルを重ねると、素人でもプロっぽく聞こえるんですね。
是非お試しください。これもけっこう癖になります。
興にのれば、実際にはないコーラスも自在に付けたりして遊んでいます。
これもなかなか楽しい。
もちろんリアル・カラオケでもハモることは出来ますが、やり過ぎると通常は嫌がられます。
その点、このアプリを使えば、その辺りは思う存分楽しめます。
お気に入りなのは、歌っている途中で、音を外したり、歌詞を間違えた場合は、ちょっと戻してそこからやり直せる機能があること。
これもリアルカラオケでは無理です。
この機能があるので、歌っていて怪しくなってきたら、YouTubeの動画でメロディを確認して歌い直すということが可能。
そして、録音したカラオケは、畑に向かう車の中でチェックするというのがお決まりのルーチンワークです。
歌っているときは、いい気持になっているので気が付かないのですが、改めて聞いてみるとまったくダメという場合もあります。
あまりにひどい場合は、帰ってから歌い直しなんて言うことも度々。
これも、しくじっているパートのみ削除して歌い直せるので、省エネでリカバリーできます。
リアル・カラオケの場合は、仲間にいいところを見せようという見栄が働いてしまって、うろ覚えの曲はなかなか出来ないものですが、カラオケ・アプリの場合は、怪しい曲でも、曲をYouTubeで確かめながら歌えるので、自分のレパートリーが自然に増えていくという利点もあります。
20代の頃は、女の子にモテたい一心で自分で楽曲を作り、バンドのメンバーとあーでもないこーでもないといじりまくっていました。
もともと、音楽においては、ライブ嗜好ではなく、スタジオにこもって、自分たちの楽曲をブラッシュアップするようなバンド活動をしていたんですね。
人前で演奏できるほど上手くなかったと言う自覚はありましたから、もっぱらオリジナル曲を中心に、スタジオ録音を楽しんでいたわけです。
この傾向は、どうやらカラオケにもそのまま移行しているようです。
さて、そんなこんなでリアル・カラオケが出来ないならと始めたカラオケ・アプリでしたが、好きな曲を何度も繰り返して歌っているというだけでは芸がありません。
まず最初にやってみようと思ったのが歌謡曲ローラー作戦でした。
いったい自分は、日本の流行歌をどれだけ歌えるのかというのに興味があったわけです。
そこで、Wikipedia にある年毎のヒット曲リストをチェックしながら、片っ端から歌ってみるということをやってみたわけです。
古くは、戦後昭和歌謡の「りんごの唄」あたりから、一番新しいところでは2018年の「パプリカ」くらいまで。
そのカラオケリストは、以前にこのブログで紹介いたしました。
もし興味があれば、こちらをどうぞ。
というわけで、日本の流行歌を歌い切ったら、やはり次にトライしてみたくなるのは洋楽です。
AI をフル活用して、「SMULE」のかなり怪しい表記のマイ・カラオケ・プレイリストを iPad から引っ張り出してきて、リストアップしたものが以下の通り。
リリースされた年は、AI にリサーチしてもらい、古い順から並べてみました。
1200曲以上になりますので、とりあえずPDFファイルにしてみました。
こちらも興味があればご覧になってください。
さてこのプレイリストのデータを元にして作ってみたのが下のグラフです。
個人的に興味があったのは、実はこちらのデータです。
要するに何年にリリースされた洋楽を、今年66歳になるオジサンはよく覚えていたかという結果です。
さて一口に「覚えていた」といっても、いろいろな程度があります。
「どこかで聞いたことがある」「なんとなく覚えている」レベルから、「よく聞いた」「よく歌った」まで様々でしょう。
なので、ここのところは、「本日現在もカラオケで歌えた」という基準で統一することにしました。
中には、歌えるほどは覚えていなかったけど、この機会にちゃんと聞いて歌ってみたというものもかなりあります
つまり、好きとか嫌いとかはあまり関係なく、歌えればポイントワンということにします。
要するに歌える曲数が多ければ多いほど、個人的には満足出来るというカラオケ・オタクあるあるということでご容赦ください。
グラフを見ていただければわかると思うのですが、やはりちゃんとした標準分布のベルカーブになっているのがわかります。
見てわかるように、1990年以降で歌える曲がほとんどないのが悲しい現実でした。
1990年と言えば、僕は31歳のサラリーマン。
まだまだ充分若いのに、これ以降の音楽は、耳から聞こえても頭には入っていなかったと言うことです。
これは、日本のヒット曲でも同じでした。
ベルカーブの頂点になっている年もピッタリと同じ。
それは1973年。昭和48年でした。
とはいっても、この年に特に印象に残るヒット曲が多かったというわけではないと思っています。
大切なポイントは、この年に僕が何歳だったかということ。
こちらの方がたぶん重要です。
僕は1959年生まれですから、1973年は14歳の中学生ということになります。
これは自分自身でもおおいに納得するところ。
僕が洋楽に目覚めたのは、この前年の1972年。中学二年生だったことは、はっきり覚えています。
きっかけはラジオの深夜放送。
洋楽のテレビ番組は、当時はほとんどありませんでしたので、その頃の中学生にとって、貴重な情報ソースは深夜放送でしたね。
あの頃は、毎日のように、洋楽のヒットランキングを放送してくれていました。
それをラジカセに録音しては、御贔屓のアーティストや、お気に入りの曲をチェックしていました。
ですから当時の人気アーティストたちの楽曲は、もう毛穴から刷り込まれているイメージです。
エルトン・ジョンやカーペンターズは、まさにリアルタイムで聞き、その当時はすでに解散していたビートルズや、サイモン&ガーファンクルなどは、遡って聞いていました。
今でも70年代の曲を聞くと心が踊りますが、今この年になってみて思うことは、やはりあの頃は音楽を聴く感性が研ぎ澄まされていたということ。
なんといってもこれが大きかったと思います。
僕らの年代のオジサンたちは、おそらく口をそろえてこういうと思います。
「あの頃の曲はよかった。今の曲はよくわからん。」
これは決して、あの頃の曲が突出して出来が良かったということではないと思っています。
そうではなくて、それは単に、音楽に触れる自分たちのセンサーが高性能だったということ。
これに尽きると思います。
そして、このセンサーは悲しいことに確実に経年劣化していきます。
僕たちが今の最新ヒット曲を聞いて心の琴線が揺れないのはむしろあたりまえ。
それがどんなに素晴らしい曲であっても、もはや、今の若い子たちのように、それを感知する能力が、コチラの方になくなっているのだと考える方が筋が通る気がします。
おそらくベルカーブの頂点に当たる年齢は、人によって多少のバラツキはあるとは思いますが、それでも概ね、13~15歳に当たる年に聞いた楽曲が、その人の音楽的嗜好を一生左右するものになると、個人的には確信している次第。
カラオケが道楽ですと、時には見栄を張りたくなって、最新の曲をレパートリーにしてみようという色気が出ることがあります。
たいていは、畑の往復の道中で、何度も聞きながら覚えるわけですが、これは覚えようと決めれば案外覚えられるもの。
しかし、それを一度お披露目して安堵してしまうと、気が付けばすぐに忘れてしまうんですね。
けれど50年前に覚えた曲は、そう簡単に忘れません。
曲によっては、あの頃以来聞いていない曲であっても、案外すぐに思い出せます。
最近記憶したことを覚えていられないのを老人性健忘症といわれればそれまでのことなのですが、それを今の曲のせいにするのはやはりお門違いというもの。
僕よりも一世代上の先輩諸氏は、僕の若かりし頃、皆さんこういってらっしゃいました。
「やっぱり60年代は最高!」
いやいや、そうではありません。
そうではなくて、それを生で聞いていた先輩たちのセンサーが、その時代に人生で最高のパフォーマンスを発揮していただけのことです。
それよりは、今の音楽を理解できない、己の感性の劣化を嘆くべきでしょう。
それを防ぐ意味でも、ラップやヒップホップなどにも挑戦しておかないと、カラオケ道楽は語れないかもしれません。
しかし、これは普通に考えて、無理があるのは致し方のないところ。
自分の若さをアピールしたくてやっている下心が透けて見えてしまうんですね。
やはり本当に好きで歌っていない曲は、心の芯には届いていません。
ですから年寄りの冷や水と言われそうな楽曲にチャレンジする事はそこそこにして、基本はやはり自分が好きな曲をこれからも歌っていくことにします。
うれしくなってしまうのは、最近のYouTube動画などを見ていると、僕よりもはるかに若い年齢のユーチューバーたちが、ビートルズの楽曲の素晴らしさを微に入り細に入り伝えてくれていると言うこと。
なるほど、本当に素晴らしい楽曲と言うものはジェネレーションを軽く超えてしまうということなのでしょう。
今13歳から15歳を迎えようという皆様におかれましては、ぜひその耳をワイドオープンして古今東西の色々な楽曲を聞かれることをお勧めいたします。
人生で一番多感な頃に聴いた曲は、おそらくオジサンの歳になっても、しっかりと心の感性に根を張っているはずです。
ただし、その年になってから、あの頃の曲は良かったなどとは言わないこと。
それは単にあなたが未来の音楽を理解出来ない年齢になっているからだけのことです。
最後におまけとしてアーティスト別のカラオケプレイリストを作ってみました。
改めて眺めてみると、やはり、ビートルズが我が人生に与えてくれた影響は絶大だったと思う次第。
人生で1番多感な頃に、彼らの音楽と出会えたことに感謝するのみです。
アーティスト名 |
曲数 |
The Beatles |
175 |
Billy Joel |
30 |
ABBA |
26 |
Elvis Presley |
24 |
Paul McCartney & Wings |
19 |
The Carpenters |
19 |
The Rolling Stones |
19 |
Frank Sinatra |
15 |
John Lennon |
15 |
Michael Jackson |
15 |
Led Zeppelin |
13 |
Bee Gees |
12 |
Eagles |
12 |
The Beach Boys |
10 |
The Monkees |
10 |
Nat King Cole |
9 |
Paul McCartney |
9 |
Steely Dan |
9 |
Daryl Hall & John Oates |
9 |
Bob Dylan |
8 |
Queen |
8 |
The Police |
8 |
Pink Floyd |
7 |
Fleetwood Mac |
6 |
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