エド・ゲイン
テッド・バンディ
ヘンリー・リー・ルーカス
アイリーン・ウォーノス
ジョン・ゲイシー
さて、この方たちをご存知でしょうか。
ピンと来る方は、かなりの「映画マニア」とお見受けいたします。
同じくくりで、以下の名前を出せば、なるほどと思う方もいらっしゃるかもしれません。
ボニーとクライド
ジャック・ザ・リッパー
大久保清
さあどうでしょう。
実は、ここにあげたのは、シリアルキラーとして、その名を馳せている稀代の殺人者たちです。
シリアル・キラーというのは、「連続殺人者」のこと。
言ってみれば、超極悪犯罪人たちということですね。
エド・ゲインは、アメリカ合衆国の犯罪史を代表する猟奇殺人事件の犯罪者。
家宅捜索では全部で15人の女性の死体が見つかり、どれも解体されていて、一部はベスト(チョッキ)や食器・家具に加工され、また一部は食用として保存されていました。
彼の凶行は一大センセーショナルを巻き起こし、その異常性をモデルとした映画作品が数多く作られました。
ヒッコックの「サイコ」。
トビー・フーパーの「悪魔のいけにえ」
などなど。
テッド・バンティ。
1974年から1978年にかけて、おびただしい数の若い女性を強姦殺人。被害者の総人数は不明だが、30人を超える殺人を犯したと彼は自白しています。
実際、この「シリアルキラー」という表現は、彼を記述するために考え出された言葉です。
彼が実際に起こした事件を元に製作されたスリラーもあります。電気椅子によって処刑されるまでを描いた『テッド・バンディ』がそれ。
ヘンリー・リー・ルーカス
彼もまた、アメリカの連続殺人犯。
全米17州で、なんとなんと300人以上を殺害していると言われています。
「女は存在する必要がない。だから見つければ全て殺す。要するに俺はいいことをしたって訳さ」
『人間?それは俺にとってなんでもなかった、ただの白紙だった』
これは、取調べの中で、彼が実際に語った言葉。
幼児期の母親からの虐待が彼の性格を大きくゆがませ、彼はこの母親を殺害。
以降、日常的に「殺人」を繰り返すようになります。
まさに、ステレオタイプのシリアルキラー。
アイリーン・ウォーノス
こちらは、女性。
彼女は7人の男性を殺害。そのすべてについて、娼婦として働いていた時にレイプされた、またはされそうになったためと主張しましたが、結局、アメリカで死刑になった10番目の女性になりました。
リドリー・スコットの「テルマ&ルイーズ」はアイリーンの犯罪がモデル。(ただし大きく脚色され事実と異なりますが)
2003年の彼女の伝記映画「モンスター」では、主演のシャーリーズ・セロンがアカデミー主演女優賞を受賞。
また、処刑前日のアイリーンへのインタビューが納めらた、ドキュメンタリー映画 『シリアル・キラー アイリーン 「モンスター」と呼ばれた女』 も制作されております。
ジョン・ゲイシー
彼もまた、アメリカ生まれの連続殺人者。
資産家の名士でチャリティー活動に熱心だった彼の犯行はアメリカ社会を震撼させました。
子供たちを楽しませるため、パーティなどでピエロに扮することが多かったことからキラー・クラウン(殺人ピエロ)の異名を持ちます。
自身のホモセクシュアリティを隠すために殺害したといわれ、1972年から1978年の間、少年を含む33名を殺害したことが判明。
スティーヴン・キングのホラー「IT」は、彼の犯行がモデルです。
ボニーとクライドは、有名ですね。
「俺たちに明日はない」のモデルになった、犯罪者カップル。
しかし、この映画は、彼らをだいぶ美化してしまったきらいがあるようです。
ジャック・ザ・リッパーは、ご存知「切り裂きジャック」
シリアル・キラーの古典的人物。
署名入りの犯行予告を新聞社に送りつけるなど、「劇場型犯罪」の元祖ですね。
ロンドンで、売春婦など、少なくとも5名以上を殺害しバラバラに切り刻んだ猟奇殺人者。
犯人は、結局捕まっていません。
神経症患者から王室関係者まで、その正体については現在まで繰り返し論議がなされているが、事件から既に100年以上も経過しているため、真相は藪の中。
こちらも、映画の素材としては、かなり魅力的と見えて、たびたび取り上げられています。
ヒッチコックの「下宿人」
切り裂きジャックがタイムマシンに乗ってやってくるという「タイム・アフター・タイム」
その他いろいろです
そして、大久保清。
マツダ・ファミリアロータリークーペ」に乗り、約1000人以上の女性に声を掛け、150人ほど車に乗せ、10数人と肉体関係を持ち、肉体関係を強く拒否した8名を殺害、死体を造成地等に埋めて遺棄したという通称「ルパシカを着た色魔」。
ビートたけしが、ドラマで演じた大久保清は、僕の記憶にも鮮明です。
さて、こういった古今東西のシリアル・キラーたちは、かくも、映画やドラマの素材としては、魅力的だというお話ですね。
「事実は小説より奇なり」
実際に、小説よりも衝撃的な「事実」を、映画にするわけですから、よほど下手に作らなければ、面白くならないわけがない。
ただし、素材が素材だけに、映画としては、どうしても、「一級」扱いはされなくなるという側面もあります。
さあ、そこでこの映画の登場。
「羊たちの沈黙」
テッド・バンディ
ヘンリー・リー・ルーカス
アイリーン・ウォーノス
ジョン・ゲイシー
さて、この方たちをご存知でしょうか。
ピンと来る方は、かなりの「映画マニア」とお見受けいたします。
同じくくりで、以下の名前を出せば、なるほどと思う方もいらっしゃるかもしれません。
ボニーとクライド
ジャック・ザ・リッパー
大久保清
さあどうでしょう。
実は、ここにあげたのは、シリアルキラーとして、その名を馳せている稀代の殺人者たちです。
シリアル・キラーというのは、「連続殺人者」のこと。
言ってみれば、超極悪犯罪人たちということですね。
エド・ゲインは、アメリカ合衆国の犯罪史を代表する猟奇殺人事件の犯罪者。
家宅捜索では全部で15人の女性の死体が見つかり、どれも解体されていて、一部はベスト(チョッキ)や食器・家具に加工され、また一部は食用として保存されていました。
彼の凶行は一大センセーショナルを巻き起こし、その異常性をモデルとした映画作品が数多く作られました。
ヒッコックの「サイコ」。
トビー・フーパーの「悪魔のいけにえ」
などなど。
テッド・バンティ。
1974年から1978年にかけて、おびただしい数の若い女性を強姦殺人。被害者の総人数は不明だが、30人を超える殺人を犯したと彼は自白しています。
実際、この「シリアルキラー」という表現は、彼を記述するために考え出された言葉です。
彼が実際に起こした事件を元に製作されたスリラーもあります。電気椅子によって処刑されるまでを描いた『テッド・バンディ』がそれ。
ヘンリー・リー・ルーカス
彼もまた、アメリカの連続殺人犯。
全米17州で、なんとなんと300人以上を殺害していると言われています。
「女は存在する必要がない。だから見つければ全て殺す。要するに俺はいいことをしたって訳さ」
『人間?それは俺にとってなんでもなかった、ただの白紙だった』
これは、取調べの中で、彼が実際に語った言葉。
幼児期の母親からの虐待が彼の性格を大きくゆがませ、彼はこの母親を殺害。
以降、日常的に「殺人」を繰り返すようになります。
まさに、ステレオタイプのシリアルキラー。
アイリーン・ウォーノス
こちらは、女性。
彼女は7人の男性を殺害。そのすべてについて、娼婦として働いていた時にレイプされた、またはされそうになったためと主張しましたが、結局、アメリカで死刑になった10番目の女性になりました。
リドリー・スコットの「テルマ&ルイーズ」はアイリーンの犯罪がモデル。(ただし大きく脚色され事実と異なりますが)
2003年の彼女の伝記映画「モンスター」では、主演のシャーリーズ・セロンがアカデミー主演女優賞を受賞。
また、処刑前日のアイリーンへのインタビューが納めらた、ドキュメンタリー映画 『シリアル・キラー アイリーン 「モンスター」と呼ばれた女』 も制作されております。
ジョン・ゲイシー
彼もまた、アメリカ生まれの連続殺人者。
資産家の名士でチャリティー活動に熱心だった彼の犯行はアメリカ社会を震撼させました。
子供たちを楽しませるため、パーティなどでピエロに扮することが多かったことからキラー・クラウン(殺人ピエロ)の異名を持ちます。
自身のホモセクシュアリティを隠すために殺害したといわれ、1972年から1978年の間、少年を含む33名を殺害したことが判明。
スティーヴン・キングのホラー「IT」は、彼の犯行がモデルです。
ボニーとクライドは、有名ですね。
「俺たちに明日はない」のモデルになった、犯罪者カップル。
しかし、この映画は、彼らをだいぶ美化してしまったきらいがあるようです。
ジャック・ザ・リッパーは、ご存知「切り裂きジャック」
シリアル・キラーの古典的人物。
署名入りの犯行予告を新聞社に送りつけるなど、「劇場型犯罪」の元祖ですね。
ロンドンで、売春婦など、少なくとも5名以上を殺害しバラバラに切り刻んだ猟奇殺人者。
犯人は、結局捕まっていません。
神経症患者から王室関係者まで、その正体については現在まで繰り返し論議がなされているが、事件から既に100年以上も経過しているため、真相は藪の中。
こちらも、映画の素材としては、かなり魅力的と見えて、たびたび取り上げられています。
ヒッチコックの「下宿人」
切り裂きジャックがタイムマシンに乗ってやってくるという「タイム・アフター・タイム」
その他いろいろです
そして、大久保清。
マツダ・ファミリアロータリークーペ」に乗り、約1000人以上の女性に声を掛け、150人ほど車に乗せ、10数人と肉体関係を持ち、肉体関係を強く拒否した8名を殺害、死体を造成地等に埋めて遺棄したという通称「ルパシカを着た色魔」。
ビートたけしが、ドラマで演じた大久保清は、僕の記憶にも鮮明です。
さて、こういった古今東西のシリアル・キラーたちは、かくも、映画やドラマの素材としては、魅力的だというお話ですね。
「事実は小説より奇なり」
実際に、小説よりも衝撃的な「事実」を、映画にするわけですから、よほど下手に作らなければ、面白くならないわけがない。
ただし、素材が素材だけに、映画としては、どうしても、「一級」扱いはされなくなるという側面もあります。
さあ、そこでこの映画の登場。
「羊たちの沈黙」
1991年公開のアメリカ映画です。
シリアル・キラーを扱った映画で、先に述べたエド・ゲインや、ヘンリー・リー・ルーカスの犯行をモデルにした小説を原作に作られた映画なのですが、低俗B級と評価されがちなこのサスペンスホラーというジャンルの作品を、超一級のエンターテイメント映画に、仕上げております。
監督はジョナサン・デミ。
原作はトマス・ハリスの同名小説。
主演はジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンスというアカデミー俳優。第64回アカデミー賞 作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞、脚色賞受賞作品。
物語の事実上の主役である精神科医レクター博士になりきった名優アンソニー・ホプキンスの演技が大きな注目を集めたこの映画は、ドキュメンタリータッチの淡々とした場面とサスペンスらしい緊張の高まる場面を絶妙に織り交ぜ、見るものを最後まで引っ張っていきます。
娯楽映画としての側面を保ちつつ作品に品格を与え、原作の持つ単なるショッキングホラーではない「一級品」の風格を醸し出すことに成功しています。
FBI訓練生を演じたジョディ・フォスターも好演で、原作で緻密に書き込まれた庶民出身の警察エリート候補の行動と心情を、その巧みな演技力で表現。
この映画一本で、このジャンルの映画の評価を、大きくレベルアップさせた功績は大きいといえましよう。
まあ、それにしても、アンソニー・ホプキンスです。
人を舐め回すような視線、見開かれた瞳から放たれる鋭い眼光、まとわりつくような湿った口調。
これらを自在に操って、品格と知性、そして狂気を湛えたレクター博士という人物を雄弁に物語る演技は、さすがの一言。
この人はこうおっしゃいます。
「演技を構築するすべての材料は脚本の中にある。私の役作りは、十分に脚本を読み込んで、体にしみこませるだけ。役作り為に、その職業を体験するだの、体型をいじくるだのは愚の骨頂」
これでは、まるでロバート・デ・ニーロに喧嘩を売っていますね。
しかし、後年彼が演じた「ニクソン」なども、やろうと思えば、特殊メイクで、ニクソンっぽい造形もある程度つくることは、可能だったでしょうが、彼はそういったアプローチはほとんどしないで、自らの演技力のみで、ニクソンを表現していました。
よほど、俳優としての自分にプライドをお持ちなのでしょう。
しかし、そんな彼の素顔が垣間見れるという点で、今回見たDVDでは、「特典映像」が面白かった。
緊張感漂う撮影の合間に、血まみれメイクのまま無邪気に笑顔を見せるシーンや、また、当時実際にホプキンスが使用していたと思われる留守番電話のメッセージも収録されておりました。
英国人としての、サー・アンソニーの気品あふれるユーモアのセンスはちょっと魅力的です。
さて、この映画を見終わって、一番印象に残ったのは、なんといっても、あのレクター博士のまばたきひとつしない鋭い視線で、相手をにらみ、唾液をすすりながらする、「ハシハシハシ」という口元の演技。
この映画を見た後、その当時に付き合っていたガールフレンドと食事をしているとき、実は、「僕は君を食べたい」みたいなつもりで、アンソニー・ホプキンスよろしく、あれをやってみたんですね。
そうしたら、その彼女には顔色一つ変えずにこういわれてしまいました。
「はい、つまようじ」
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