1953年のアメリカ映画です。
監督は、前年の「真昼の決闘」で、一躍名を上げたフレッド・ジンネマン。
真珠湾攻撃前のハワイの米軍基地を舞台に、階級制度や軍隊生活の過酷な現実を暴いたベストセラー小説の映画化。
スランプに陥っていたフランク・シナトラが、この映画でアカデミー賞助演男優賞を獲得して、復活したのは有名な話ですが、女性映画ファンにとっては、なんといってもモントゴメリー・クリフトでしょうか。
とても兵隊には見えない彼の、「いじめられ」ぶりに、胸をしめつけられたファンは多いかもしれません。
しかし、僕にとっては、この映画はなんといってもデボラ・カー。
バート・ランカスターの下士官を相手に、不倫に走る将校の妻を好演しました。
最初、大尉の妻カレン役には妖婦役を得意とするジョーン・クロフォードが候補に上がっていたそうですが、ジンネマン監督は、この役のイメージとは、まるで正反対のイメージを持つデボラ・カーを抜擢。
それまで、清楚でハイソなイメージが定着していた彼女も、新しい役柄を望んでいたこともあり、この出演を快諾。
そして、この映画で一番の白眉は、ダイヤモンドヘッドの近くの海岸で撮影されたあの有名なラブシーン。
デボラ・カーとランカスターが熱いキス・シーンを披露した有名な浜辺は、映画が公開後は、ハワイの観光スポットの一つとなりました。
この映画の原題「From Here to Eternity」からとった「Eternity Beach」というのが、実際にありますね。
今から20年以上も前、当時のガールフレンドと、初めての海外旅行でハワイに行った僕の脳裏には、この映画のこのキスシーンがしっかりとインプットされていました。
「いったら、やるしかない」
しかし、ワイキキでは、観光客があまりに多すぎて、残念ながら、あのシーンの再現は出来ませんでしたね。
このシーンでのデボラ・カーのセリフ。
「こんな、キスをしてくれた人は、今まで誰もいなかった」
何年か後に行った、沖縄の離島の誰もいないサンゴの浜辺では、ここぞとばかりに、しっかりと「地上より永遠に」してまいりました。
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