僕は今年56歳ですので、50年後は絶対にこの世にはいません。
ならば50年前だとどうかというと、6才。
ピカピカの小学校一年ということになります。
SMAP の「夜空ノムコウ」に大好きなフレーズがあります。
「あの頃の未来に 僕らはたてたのかな」
6歳の柿沢少年が、はたして本日現在の僕を見てどう思うか。
少なくとも、あの頃の僕が持っていた夢は果たせていません。
6歳の柿沢少年の持っていた夢は今でもハッキリ思い出せます。
それは、「漫画家」になること。
当時の実家は本屋でしたので、毎日毎日、お店のマンガを漁るように読んでは、そんな夢をふくらませていましたね。
50年経つと人はどう変化するのか。
まあ、どちらさまにとっても、多少の経年劣化は致し方無いでしょうが、少なくとも50歳を超えたら、今更ジタバタしてもしょうがない。
少なくとも、自分の顔くらいは、責任持って付き合いたいと思います。
さて、僕は無類の映画オタクですが、映画はとても残酷。
映画俳優たちの一番綺麗だった姿を切りとって、完全フリーズの永久保存にしてしまいます。
本人がどんなに醜く年をとろうと、その日その時の姿を、その姿のままで、たくさんの映画ファンの脳裏に焼き付けてしまいます。
どんなに美しい女優でも、永遠にその美を保つなんてことは不可能。
しかし、僕としては、正しい年の取り方というのはあるだろうと思っています。
というわけで、僕が少年の頃、その美しさのピークだった1960年代の女優たちの全盛時の美貌と、少々残酷ながら、50年たった近況をスラストで追ってみました。
まずこの人。
ブリジット・バルドーですね。
通称はベベ、もしくはBB。
アメリカのマリリン・モンローと並ぶ、50年代から60年代にかけてのフランスのセックス・シンボル。
1934年生まれといいますから、今年81才。
全盛時のこの愛くるしい姿が、50年たちとこうなります。
往年の自分の美しさを、まだ捨てきれないジタバタ感が、やや残っていますかね。
では次。
フランスついでに参りましょう。
60年代には、絶世の美女として誉れ高かったこの方。
カトリーヌ・ドヌーブですね。
当時は、美男子といえば、アラン・ドロン。
美女といえば、此の人でした。
個人的には、「ひきしお」あたりの彼女が、一番続々しましたね。
その彼女が50年経つとこんなかんじ。
ブリジット・バルドーと比べると、女優としての貫禄は完全に圧倒していますね。
彼女は1943年生まれですから、今年で72歳。
現役バリバリで女優ですから、まだまた華がありますね。
フランスには、熟女を称える文化がありますので、カトリーヌ・ドヌーヴは、未だに国民的大女優です。
次は、お隣の国イタリアからこの人。
ソフィア・ローレンです。
この方は、ブリジット・バルドーと同じく1934年生まれですので、今年81才。
日本でも、ホンダのロードパルの宣伝で「ラッタッター」とやって、一躍人気者になった方。
まあ、イタリア女優らしい肉感的な魅力で、イタリアでは押しも押されぬ大スターです。
しかし、その彼女も50年たてば・・・
大女優としてのオーラは健在ですが、この年の取り方は少々ジタバタしている感じは否めません。
さて、フランスから、もうひとりこの人。
絵が下手くそで、ハアッという感じかもしれませんが、マリアンヌ・フェイスフルという女優です。
1946年生まれの69才。
出演作品で有名なのは、「あの胸にもういちど」1本くらいと言っていいでしょう。
ただこの1本が衝撃的でした。
黒のジャンプスーツに見を包んで、オートバイに乗って、愛しの男のもとへ走ってゆく女性ライダー。
そうそう、映画の彼女のイメージで、あの「ルパン3世」の峰不二子というキャラクターが生まれたのは有名な話。
そして、歌手でもあった彼女は、60年代当時は、ミック・ジャガーの彼女でもありました。
そんなわけで、60年代の彼女はキラキラしていたのですが、その彼女が俳優として今でも頑張っています。
こんなにんなっても・・・
さあ、いい歳の取り方も紹介しておきます。
僕が、今でも魅力的だなあと感心するのが、この人。
シャーロット・ランプリング。
この女優さんも、1946年生まれですので、今年で69才。
この人はなんといっても、全裸でナチスの帽子を被って踊るあの「愛の嵐」での強烈なセックスアピールが白眉。
あのスリムな体型は、正直申して僕の好みではないのですが、あの人のあのシーンに限っては、あの体型でなければ成立しなかったエロティシズムであることは認めるところです。
この人が50年たっても、実に艶っぽいので驚いてしまいます。
しかもちゃんと品がある。
ちゃんと60代の色気というオーラを発してるんですね。
女優さんとしては、なかなか稀有な存在。
そういえば、我が日本でも、なかなかステキな歳の取り方の見本を示してくれる女優さんがいました。
この方。
香川京子。
1931年生まれですから、今年で84才。
ちなみに生きていれば、我が親父と同じ年令です。
彼女は、黒澤映画の常連で、若い頃から、銀幕には確たる品格がにじみ出ていた方ですから、見事にその品格を維持されたまま、齢を重ねて50年。
ステキな年の取り方で、思わずイラストに描いてしまったのがこれ。
というわけで、拙いイラストで、女優さんの50年後を検証してまいりましたが、最後にすごい50年後をお見せしておきましょう。
これです。
誰だかわかりますかね。
実は、先日亡くなったばかりの、アニタ・エクバーグ。
フェリーニ監督の「甘い生活」などに出演したグラマー女優です。
これはちょっと、いろいろな意味で凄い。
彼女については、前の追悼ブログでも書きましたから、ここでは割愛いたしますが、
彼女の全盛時を知るものとしては、この変貌ぶりは衝撃的。
女優の50年後はいろいろあって悲喜交交です。