映画「関の弥太っぺ」

 

昭和38年東映製作の股旅物。

主演は中村錦之助。後の萬家錦之助ですね。

旅で偶然に知りあった女の子のために、一肌脱ぐ人情脆い旅の剣客。

まあ、この俳優のキャラクターをおもいきり活かしたベタな設定ではありますが、これで当時の観客は映画館に勇んで足を運んだわけですから、ベタをナメるつもりはありません。

老若男女をひとまとめに映画館に連れて来ようと思えば、設定はベタになるのもやむおえますまい。

時代劇冬の時代と言われる昨今。

映画では、中井貴一あたりが一人気を吐いていますが、時代劇はドラマでは風前の灯。

いまや、NHKだけの独壇場になってしまっています。

昔の映画をみるのが好きですので、僕の場合は、時代劇はまだ見る方ですが、やはり昔の時代劇には、娯楽としての映画黄金期のパワーと熱気があります。

特に僕がいつも時代劇で楽しませてもらうのは、あの時代の所作。

昔の映画では、脇役やエキストラに近い俳優たちでも、襷を巻く所作ひとつとっても、自然な動きが身についていて、観ている方は、しっかりとその空気に浸れます。

ちなみに、「ザ・インタビュー~トップランナーの肖像」という番組を見ていたら、中村獅童が出ていて、中村錦之助が、彼のオジサンなのだと言っていました。

中村獅童の「関の弥太っぺ」もちょっと見てみたいですね。