amazone プライムビデオで鑑賞。
2006年にTBSで放送されたテレビドラマ。
もう10年前ですね。
主演は、山田孝之と綾瀬はるかの「世界の中心で、愛を叫ぶ」コンビ。
原作は、東野圭吾の小説。
映画にもなっているようですが、僕はこのドラマだけ拝見。
初恋の少女にわいせつ行為を働こうとした父親を殺した少年と、その少年を庇うために母親の命を奪い、自らの命も断とうとした少女の純愛と残酷な運命を描いた物語。
主演二人の好演もあって、なかなか見ごたえのあるドラマでした。
この二人をめぐる犯罪を、14年にわたって、執拗に追い続ける刑事が武田鉄矢。
この武田のキャスティングにこのドラマのポイントかなと思った次第。
想像ですが、最終回のクライマックスを見る限り、キャスティングする方は、やはり武田に「金八先生」演技を望んだと思われます。
しかし、このオファーを受けた当の武田自身は、「金八先生」をやるつもりなど、サラサラなかった。
そりゃそうです。
三十年近く演じてきた役を卒業した役者が、同じキャラをやろうとなどは普通思わない。
むしろ自身にある金八キャラ払しょくをするためにこそ、彼もあえてこの作品を選んだ。
そんな気がします。
だから、彼の演技は、終始アンチ金八でした。それは、見ていてわかる。
セリフには、一貫してドスが効いていました。
ところが、あの最終回のクライマックスにおける武田の長セリフ。
染みついた演技は、そう簡単に払しょくできるものではないのでしょう。
武田鉄矢も、憎き敵役を演じきって、芸の幅のある所を見せたかったところでしょうが、あのラストの大芝居は、やはり完全に金八先生になってしまっていました。
そこへいくと、渡辺篤郎は上手でしたね。
彼も、二人の過去を知っていて、それをネタにゆする、利用するといった役どころ。
緩急のついた芝居で、そんな役を実に憎々しく演じていました。
それが最後に殺されてしまうシーンで、自分の過去とオーバーラップした主人公へのシンパシーを垣間見せるあたり。
武田のように、染みついてしまったキャラがない分、役によっていろいろなキャラを演じ分けられる器用さを感じました。
主演の山田も器用といえば器用。
ただ、ちょっと器用すぎたかもしれない。
少年の頃からの純愛に生きるナイーブな青年と、悪事に身を染めていくクールな青年。
それを、その高い演技力で、きちんと演じ分けすぎた印象。
見ている方が、その演技の振れ幅に、やや戸惑っていしまいました。
まあ、なんだかんだといっても、役者たちは熱演。
当時、いろいろな賞を取ったのは妥当と思われます。
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