2012年に放映されたTBS のドラマ。
原作は山崎豊子の小説。
沖縄返還時の日米密約を綿密に取材し、実在の人物たちをモデルに書き上げた、国家権力とジャーナリズムの反目を描いたもの。
ドラマの中には、首相の引退記者会見が出てくるが、これは、当時の佐藤栄作首相の実際の引退記者会見をかなり忠実に再現しておりました。
これは、僕もリアルタイムで見た世代。
当時は小学生故、その背景はよくわからなかりませんでしたが、本来なら晴れ晴れしい記者会見の場で、新聞記者たちをすべて追い出し、誰もいない会場で、テレビに向かって引退の弁を述べている佐藤首相の映像はかなり異様であったことだけは記憶していました。
その舞台裏をこのドラマを見て何十年ぶりに納得。
なるほどそういうことだったか。
本木 雅弘が演じたジャーナリストも実在の人物が西山太吉がモデル。
彼は、外務省の女性事務官と性的関係を持ち、のっぴきならない関係になったところで、外交上の重要機密事項を入手したが、その情報元は明かさない約束で、野党の国会議員にリーク。
しかし、国会質問に立った議員は、その情報元も明かしてしまいます。
ドラマは、主演の元木のイメージを守ろうと、それがけして故意ではなかったと、事務官との関係を丁寧に描いては見せていましたが、やはりその部分は、ドラマ的綺麗ごとになってしまった感は否めず。
実際の西山事件と、この物語の違いに思いをはせますが、やはり男女のスキャンダルがあると、いかにその背景に政治的正義があろうと、もろ手を挙げて肯定することは難しいのが日本人的心情でしょうか。
いかに、清潔なモックンが演じようと、この主人公の悲劇性に感情移入するのは無理でしたね。
政治よりも、ゴシップの方がニュースになるのは今も昔も同じこと。
実際の事件の事務官の画像も検索しましたが、やはりドラマでこの女性事務官を演じた真木よう子は、ちょっとイロっぽすぎましたね。
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