いよいよ、大晦日。
今日、年越しそばを食べる人はたくさんいると思いますが、そばといえば、やはりモリカケ。
2018年の政治を語る時に、やはり、このモリカケ問題は外せない話題の一つでしょう。
さすが。ここはうまく繋げました。
今日あたりは、年越しそばをすすりながら、結局あれはどうなったんだっけという会話が、巷のあちこちで囁かれているかもしれません。
で、あれは結局どうなった?
といわけで、実はこの暮れは、ラジオの代わりに、YouTube にアップされていた、モリカケ問題の国会質疑を、車の運転中はずっと聞いておりました。(見ていたんではないですよ。音声だけ。)
まあ、政治は詳しくないので、通常であれば、国会中継を聞くことはありません。
難しい言葉が飛び交いますし、またその答弁内容も、スッキリした回答は一切なく、頭のいい人たちが、練りに練った玉虫色の答弁。
イエスでもノーでもない、消化不良の質疑の応酬。
聞いている側を煙に巻く「ご飯論法」。
「朝ごはん食べたか?」
「いや、食べてない。パンなら食べたけど。」
の、あれです。眠くなるだけです。
しかし、今回、いつもと変わらないこの政府側の「かわし」「はぐらかし」答弁を、いつになく興味深く聞けたのは、このモリカケ問題においては、政府が真相を隠し、嘘をついているという疑いが、かなり濃厚だったからでしょう。
「絶対的な権力は、必ず腐敗する」
こういったのは、イギリスの歴史家ジョン・アクトン。
2012年の暮れに発足した、第二次安倍政権も、丸々5年。
およそ一年で失脚した第一次安倍内閣の轍を踏まないよう徹底学習をした第二次安倍政権は、その権力をフル活用することで、周到に官僚やマスコミたちを押さえ込み、足並みの揃わない野党を尻目に、内閣主導の安倍一強政治体制を構築。
その中身はともかく、気がつけば、吉田茂内閣や、佐藤栄作内閣と肩を並べるほどの長期政権になっています。
権力に固執し、いまだその権力を握り続ける安倍政権が、この例に漏れるわけがない。
案の定でした。
マスコミを、強権と懐柔でコントロールして、なかなか尻尾をつかませなかった安倍政権。
その独裁的な安倍政権に対して、内閣周辺は、マスコミも含めて忖度のしまくり。
けれど、このモリカケ問題における、安倍内閣の不当介入、行政の私物化が明るみに出ると、さすがに、世の中は、これは黙っていられないぞという空気になってきました。
そのきっかけとなったのは、元文部科学省事務次官である前川喜平氏の証言。
安倍内閣にとっては、これはまさかの一撃。
文部省内で出回っていた「総理のご意向」という内部文書。
内閣が加計学園問題に深く関わっているという証拠の文書について、「あったことを、なかったことにはできない」と、前川氏は、その存在を明らかにしました。
そして、加計学園獣医学部新設の問題は、「内閣による行政の私物化。行政が歪められた」案件と発言。
当時、彼はすでに、天下り問題の責任を取って辞任していたこともあり、公人ではなく、外野の一私人として、安倍内閣の喉元に、するどい剣を突きつけたわけです。
現役は退いているといえど、獣医学部の新設については、なんといっても、当該省のトップだった人の発言だからこれは強烈。
世論は、一気に、「安倍内閣許すまじ」という空気になっていきました。
安倍内閣としては、その人事権を握ることで、今までちゃんと、コントロールできていたはずの高級官僚のまさかの反乱。
苦し紛れに、政府は、前川氏の人格攻撃に出ます。
例の「出会い系バーなんたら」という、プライベート情報の、読売新聞へのリーク。(おそらく)
しかし彼は、それも認めた上で、記者会見にも、国会の証人喚問にも応じます。
「前川の乱」の始まりです。
おお、官僚の世界にも、まだ正気の人がいたか。
さあ、こうなってくると、世間も一斉に注目。
とにかく、素人目に見ても、ことの白黒はかなり明白。
普段は、政治に無関心な国民も、ワイドショー的な興味で国会の集中審議に注目。
国会質疑も、狐と狸の化かし合いではなく、正義と悪、嘘つきとそうでないものの対決という構図になってまいります。
獣医学部新設における、安倍内閣の不当関与がはっきり見えてくると、国会質疑の様子は、俄然面白くなってきましたね。
とにかく、勧善懲悪という構図になれば、我々庶民には、すこぶるわかりやすい。
しかし、安倍内閣に忖度しまくる大手メディアは、これをまともに放送することはないでしょう。
だから、報道ステーションは見ません。
ここは、やっぱりYouTubeのノーカット動画がおススメ。
安倍一強の元、肩身の狭い思いをしていた野党の議員たちが、ここでは俄然と息を吹き返して、ここぞとばかりに、安倍内閣に詰め寄っていきます。
その手には、現場から、続々と出てくる「動かぬ証拠」が握られています。
「今治市の資料によれば、2015年の4月2日、関係者が官邸に訪問したという記録がちゃんと残っているんですが、内閣府にはその記録はないんですか?」
「その記録は保存されていません。承知していません。」
「今治市のメモには残っている、最も重要な項目が、内閣府作成の議事録には残っていないというのはどういうわけですか?」
「それは、承知していません。その議事録が記録の全てです。」
とにかく、核心をつかれたときの政府の答弁は、決まって「記録がない。」「記憶がない。」「確認できない。」
しかし、ところがです。
「この件に関して、安倍総理からの指示はありましたか」という質問に対してだけは、どちら様も口を揃えて「それは一切ありません。」
このあたりの徹底ぶりは、見ていても、感心するばかり。
笑ってしまうくらい、わかりやす過ぎます。
とにかく、国会の質問に対しては、虚偽答弁をしてしまうと罪になる事は、周知の通り。
そこで、頭のいいみなさんは考えます。
真相を隠そうとする側の答弁は、嘘は言わないけれど、本当のことも言わないという煮えきれない内容に終始。
もしくは、質問には答えず、ニアリーイコールの回答を見つけてきてごまかす。
モリカケ問題の集中審議は、そんな姑息な官僚スキルのオンパレードでしたね。
無様でも、見苦しくても、ここさえ凌いでしまえば、後は政府が良きに計らってくれる。
おそらく、彼らの心中はそれだったでしょう。
考えてみれば、彼らも気の毒なのかもしれません。
この世に、嘘をついたことのない人なんていないはず。
どちら様も、大なり小なり、嘘はついた経験はあるかと思います。
あるいは、これから、嘘をつく予定のある方。
もしも、そういう状況にある方がいたら、是非この、モリカケ問題の国会審議の模様は大いに参考にされるとよろしい。
とにかく、「はい、そうです。」と、「いいえ、ちがいます。」は絶対に口にしない。
後に、どういう証拠が出てきて、どういう結果になったとしても、必ずどちらにも転がれる「言い訳」で逃げ切る。はぐらかす。
「嘘をつかない」ではなく、「言っていることを、嘘にしない」技術ですね。
これが出来ることが、我が国で、高級官僚や大臣になるための最低条件のようです。
嘘をついている人。嘘をついていない人。
それをどうして見分けるか。
もしくは、嘘をついている人たちから、どうやって真実を導きだせばいいのか。
国会という、もっとも厳粛な場所で発言している人たちをよく観察しながら、その目を磨き、そのスキルを学習してみるのも、面白いかもしれません。
メディアの忖度がはいるニュースは、勧めません。
見るならやはり、YouTube かインターネット系のサイトのノーカット録画。
民主主義の主権者は、もちろん国民です。けして、政府ではない。
その主役がちゃんと政治を見張っていないと、政治は暴走します。
権力というやつは、かなり美味しいようです。
だから、一度掴むと、離したくなくなる。
嘘八百を並べてでも、政権は維持したいのが安倍政権。
どうせ、政治に無関心な日本の国民には、どんな嘘をついたって、わかりはしない。
随分とナメられたものです。
「嘘つきは泥棒の始まり」と言いますが、今時は「嘘つきは戦争の始まり。」
安保法制に飽き足らず、憲法9条改正まで虎視眈々と狙っている安倍政権。
危ない。危ない。
モリカケ問題は、まだまだ、何度も蒸し返したほうがよいと思われます。
安倍政権にとっての、ウォーターゲートになるかもしれません。
ん?
じゃあ、そう偉そうにおっしゃる、あんたは嘘はつかないか?
何言ってんですか。僕は嘘はつきませんよ。当たり前でしょ。
ですから、その・・
「議長。速記を止めてください。」