これで、「小豚ラーメン」900円。
悔しいけれど、ひさしぶりに、出されたラーメンを完食出来ず。
残しました。
「ラーメン二郎」が、川越にできたのは、もちろん知っていました。
通勤途中の16号沿いに出来たのが、確か2年ほど前。
しかし、車で立ち寄ることは出来ないロケーション。
いつ営業しているのかも、今日ここにくるまで分からず。
なかなか、来る機会を作れずにいましたが、本日は、近くの「川越ウエスト」まで来る用事がありましたので、そこに車を置いて、歩いて行ってきました。
営業時間は、写真の通り。
一日6時間の営業。
まあ、この店らしいといえばこの店らしい。
「ラーメン二郎」は、今でこそ、ラーメンマニアの間では、有名店になっています。
全国に、暖簾分けした店がたくさんありますね。
しかし、元々はといえば、この店の一号店は、港区の慶應大学三田キャンパスの、三田二丁目交差点の角にありました。
今から40年ほど前です。
もちろん、店はもっと前からあったでしょう。
ただ、僕が学生時代に、三田に一年ほど住んでいたことがあったのがその頃。
貧乏学生で、お金もなかったので、安くて量が多かった「ラーメン二郎」には、足繁く通っていました。
その頃の店は、ご主人と奥さんの2人でやっていましたね。
お客といえば、慶應大学の体育会系の学生たちがほとんど。
みんな、学生服か、ジャージだったと思います。
この血気盛んな若者たちが客層を占めていたので、店の雰囲気もまさに体育会系。
「豚ダブル」「野菜ダブル」「麺ダブル」「油多め」などなど。
この店でしか通じない暗号のような商品コールが響き渡っていました。
とにかく量がはんぱじゃなかった。
胃袋自慢の学生が、「麺増し」などと言おうものなら、親父さんが顔色一つ変えずに、冗談みたいな量の麺をドンと出していました。
野菜とはいっても、もやしオンリー。
もやしは単価が安いので、これも半端じゃない量が、いつも丼の上には、てんこ盛り。
金のない学生に、たらふく食わしてやろうという親父さんの心意気が、ここのラーメンの原点。
油もコテコテで、体育会系御用達。
「美味しい」というよりも、出てくるのは、いつも「凄い」ラーメン。
あの頃は、そんな慶応の学生に混じって、ここのラーメンを食べにいっていましたが、一度食べ終わると、決まって思ったことは、「もう二度と来ない。」
腹がパンパンになりすぎて、食べ終わる頃には、もう見たくないというくらいの気持ちになるんですね。
しかし、不思議なもので、それからしばらく経つと、その「二度と見たくない」ラーメンがまた恋しくなる。
こういうのをクセになると言うのでしょう。
それから、40年。
ついに、今自分が住んでいる川越にも、「ラーメン二郎」はやってきました。
メニューは、チャーシューメンとラーメンのみ。
あとは、大盛と普通。汁なしというのがあったかな。
とにかくメニューはシンプル。
あとは、あの頃と一緒。
「野菜増し」「油増し」「ニンニク」などなど。
客の好みをはじから聞いていくスタイル。
なので、初めていくお客さんは、そのあたりの「ラーメン二郎」文化を、学習しておく必要があります。
とにかく、客に媚びないスタイルは昔から。
それを承知で来る客がほとんどなので、そのつもりで行かないと恥をかきます。
車を止めるところも、店は用意していないので、すべて自己責任。
路駐などしようものなら、追い出されます。
しかし、老人となった今の自分には、昔と何にも変わらない「ラーメン二郎」のラーメンは、さすがに、キツかった。
両隣のお兄ちゃんの食べるスピードについて行けず、後ろで並んでいる人の気配を感じては、さすがにゆっくりも食べられず。
結局「普通盛り」(もちろん、この店のサイズで)チャーシューメンを完食出来ず。
麺もチャーシューも残したまま、断腸の思いで、丼をカウンターの上に戻しました。
ああ、悔しい。
ここは、どこかのオバサンが言っていたように、「麺少なめ」といえなかった自分を、恥じるばかり。
パンパンになった腹をさすりながら、呟いたのは、やはり40年前と同じ。
「もう二度と来ない!」
これからここに初めて食べにいく川越市民の方は、覚悟していって下さいませ。
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