しっかり、畑で作業したご褒美で、本日は映画を一本見てきました。
ちょっと遠回りして、「ららぽーと富士見」の CINEMA TOHO ですね。
ヒット中の映画では、「1917 命をかけた伝令」「パラサイト 半地下の家族」もあったのですが、シネコン到着どんぴしゃりのタイミングでこの映画が始まるところでしたので、勢いでこれにしてしまいました。
前知識何もなし。
ポスターを見てみると、青空の下で人々がお祭りらしきことをしている前で、ヒロインが、花の冠を被って泣いています。
タイトルが「ミッドサマー」なので、勝手に「真夏」と頭の中で翻訳。
田舎で繰り広げられる青春物語かなと思っていたら、とんでもない。
本作は、純然たるホラー映画でした。
ああ、びっくりした。
監督は、これが長編二作目となるアリ・アスター監督。
前作も割と評判になったホラー映画だったようです。
ちょいと、Wiki してみたら、キャリア的には、この監督は、ホラー一筋。
日本で言えば、「呪怨」の清水崇監督のようなタイプでしょうか。
かなりのホラーオタクとお見受けいたしました。
「ミッドサマー」の綴りは、“Midsommar”。
これは、スウェーデン語で「夏至祭」という意味だそうです。
夜でも明るい白夜の国で90年ぶりに行われるお祭りには、とんでもない秘密が・・・
日本公開されたばかりの映画なので、ここは勿体ぶっておくことにいたしましょう。
映画の中盤、恐怖の幕が上がるショッキングなシーンがあります。
このシーンは、僕の知る限りオリジナル・アイデアは、日本のホラー映画とみました。
ズバリ黒沢清監督の「回路」。
見た方はピーンときた方がいるかもしれません。
「ええっ!」と思わず声を上げてしまったあのシーンです。
あれの二連発。
そしてあたりまえのことながら、この映画では、さらにスケール・アップされています。
なんだか、奥歯にものの挟まったような言い回しで失礼。
一応、「ネタバレ」に配慮いたします。
そして、さらにビックリしたのは、あのシーンを演じた老人がなんと、ビヨルン・アンデルセン。
覚えていますでしょうか。
1971年の映画「ベニスに死す」。
ルキノ・ビスコンティの名作です。
あの映画で、絶世の美少年タジオを演じたのが彼です。
当時来日して、明治製菓のコマーシャルにも出演していました。
あらかじめ言われていても、これは絶対にわからなかったかもしれません。
気になってしょうがなかったので、ネットで検索して、なんとか特定できました。
この変わりようです。
かつての美少年俳優が、この映画では凄まじい「死に方」をしますので、これは見てのお楽しみ。
恐怖シーンのアイデアは。「羊たちの沈黙」のレクター博士から得ているものもあり。
「悪魔のいけにえ」から得ているものもあり。
「エレファントマン」も、確認できました。
そうそう「犬神家の一族」も見つけました。
名だたるホラーの名作から得たアイデアが、随所に上手に盛り込まれていましたね。
ただ、なんといっても、この映画のオリジナルは、この明るい白夜の青空の下で、静かにジワリジワリと、村人の狂気が盛り上がったてくる演出。
ホラー映画は、かなり見ていますが、これだけ、静かで明るい青空ホラー映画はちょっと記憶にありません。
「八つ墓村」「湯殿山麓呪い村」「犬鳴村」
ホラーの舞台になる、怖い怖い田舎の村は、日本にはたくさんあります。
でも、田舎の閉ざされたコミュニティが恐ろしいのは、日本だけではないようです。
この半年間、農業研修で日本中の田舎を巡りましたが、出会った人たちはみんな素朴でいい人たちでした。
でも、もしかしたらそれは表の顔で・・・なんてね。
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