コンテイジョンとは、接触伝染。もしくは感染。
というわけで、この映画は、感染症の脅威と、パニックを描いた映画です。
今巷を賑わしている新型コロナウィルス。
武漢にチャーター機を向かわせるあたりまでは良かったですが、その後のダイヤモンド・プリンセス号の対応の不味さで一気に馬脚を現してしまった我が国の政府。
いまや事実上ウイルスの「封じ込め」には失敗。
しばらくはウイルスの拡散は、止められない状況になっています。
世界の国々からは、武漢に次ぐ、新型コロナウィルスの感染元のレッテルを貼られてしまっている現状。
オリンピック開催にも、黄色信号という、ゆゆしき問題に発展中。
ホームセンターに行っても、マスクとアルコール消毒殺菌グッズは、すべて売り切れ。
感染者も、日本各地から報告されており、ただならぬ空気が、漂い始めています。
さて、ではそういう自分はどうか。
世の中の騒動は、十分わかっているのですが、残念ながら、どこか人ごとです。
我ながら危機感が、かなり希薄なんですね。
中国から帰ってきた知り合いなどいないし、家と畑の往復の毎日で、人ともあまり接触しない。
まあそれくらいの根拠で、自分だけは大丈夫だろうとどこかで思っている。
今回のウィルスは、感染力は高そうですが、過去のSARSや、エボラ出血熱のような高い致死率でもなさそう。
100年前に、地球の総人口の10分の1を減少させたスペインかぜの頃よりは、ウイルスに対する人類の知見も積み上げられ、学習はしている。
これで、せっかくのオリンピックが中止なんてことはない。
いろいろと、お騒がせはあるけれど、最終的には、桜が咲く頃までには落ち着くでしょう。
大丈夫。大丈夫。
なんの根拠もないのに、どこかで勝手にそう思っている。
国会中継でも、新型コロナウィルス関連の質疑はありますが、それよりも「桜を見る会」の方をもっとやれやれという野次馬根性が本音。
でも、こうも町中に、マスク着用の人たちが溢れてくると、だんだんそうも言っていられないぞという気になってきました。
ついに、このウイルスで亡くなったお年寄りも出ています。
そうです。気がつけば、自分もしっかりとお年寄り。
やはり危機感くらいは持っていたほうが無難。
というわけで、こういうノーテンキな爺いの、シフトチェンジには映画を利用するのがてっとり早い。
そこで、本日は映画を一本。
ウイルス感染の恐怖を扱った映画は、何作かありますが、本日はその中から、我が家の在庫にあった「コンテイジョン」を選びました。
2011年のアメリカ作品です。
監督は、スティーヴン・ソダーバーグ。
この監督は、「セックスと嘘とビデオテープ」という、僕好みの作品で監督デビューしていますが、その後、「エリン・ブロコビッチ」や「オーシャンズ」シリーズで、一躍人気監督になった人。
群像劇がお得意と見えて、この映画にも、ハリウッド映画の主役級の俳優がズラリ。
マット・デイモン、グウィネス・パウトロー、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、ローレンス・フィッシュバーンなどなど。
ウイルスの恐怖を扱った映画には、結構ホラーが多いのですが、この映画は徹底的に社会派ドキュメントタッチ。
ウィルスのパンデミックに立ち向かう、色々の立場の人を丁寧にリアルに描いています。
必死に娘を守る父親。
危険な現地に向かい、感染を水際で阻止しようとするCDC職員。
ワクチンの開発を急ぐドクター。
政府関係者。
パンデミックが、じわりじわりと進行していくと、街では何が起こるか。
家庭では何が起こるか。
恋人たちには何が起こるか。
国では何が起こるか。
医療機関では何が起こるか。
残念ながら、感染者を乗せた豪華客船で、何が起こるかまでは描いてくれませんでしたが、この映画を見て、それがちょっと想像は出来るようになりました。
国際的には、アメリカ人たちよりも、こういうディズアスターの局面において、しっかりと自制心が働くと評価されている日本人。
でも、そのかわり、ここ最近の国会を見る限り、政権の中枢にいる人たちは、かなり危うい。
それにあぐらをかいて、自分たちファーストの皆様たちばかり。
国民は、どんな目に合わされるかわかったもんじゃない。
同じ題材を映画化したとしても、日本で作れば、かなり趣が違ってくるかもしれません。
いやいや、待て待て。
ひょっとしたら、我が国では、もうとっくに、かなりタチの悪い、アベウィルスが、パンデミックを起こしてしまっているのかもしれません。
ちなみに、もしもこのウィルスが猛威を振るって、国民に外出禁止令が出たとしても、我が家は大丈夫です。
冷蔵庫とふたつの冷凍庫に、冷凍野菜がたっぷりありますから。
こういう時に、百姓は強し。
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