順番逆になりましたが、「東宝変身人間シリーズ」第二弾の「電送人間」も鑑賞。
これで、全作制覇。
今回の主役は、鶴田浩二。
この人は、任侠映画のイメージが強いので、東映の専属かと思っていたら、東宝にいた時代もあったんですね。
その前は松竹だったり、独立プロだったりで、なかなか忙しい方のようです。
まあ、大スターですからね。
いろいろとあるのでしょう。
さて、このイラストを描きながら、すぐに思い出したのが「ザ・フライ」
同じく、物質転送を描いた映画で、その転送中に一匹のハエが紛れ込み・・
とまあ、そんなホラー映画でした。
もしや、デビット・クローネンバーグ監督が、この映画をヒントに・・
なんてことを考えていたら、「ザ・フライ」は、リメイクでした。
オリジナルは、1958年の「蠅男の恐怖」。
この「電送人間」は、1960年の作品ですから、むしろ、こちらの方が本家本元をヒントにしたかなとWikiしてみましたが、特に関連はなさそうでした。
「物質転送」は、かなり昔からある、和洋問わないSFのテーマという事でしょうか。
さて、映画を見ながら、ちょっと前に読んだ本を思い出しました。
ビール一本飲んで、いい気分で映画を見ていたので、あまり集中していなかった模様。
申し訳ない。
それがこちら。
「相対性理論と量子論」
なんと、理科系の本です。
この中に、書いてあったのが「量子テレポーテーション」
読んだとはいえ、もちろん、理科系オンチの僕が、それを理解できているわけはありません。
覚えていたのは、その言葉と概要だけ。
「物質伝送」は、今のところはまだ、SFの中だけの話ですが、実は粒子レベルなら、すでに実証されているんですね。
それが、「量子テレポーテーション」です。
この現象は、どんなに遠く離れていようとも、二つの粒子は、「量子が絡み合った状態」では一方の変化が一瞬の内に他方の粒子に伝わるというもの。
ここで伝わるのは、「物質」ではなく、「情報」です。
ここが、微妙なところ。
でも、この現象を利用すれば「量子状態」は、瞬時に転送が可能ということになります。
瞬時というのは、つまり光よりも速いと言うこと。
こう言われてしまっては、穏やかでないのはアインシュタイン博士。
彼は、終生量子力学に対して、首を縦に振りませんでした。
さて、これがさらに「映画的」なのは、転送されたB地点で量子状態が再現されると、なんとA地点の量子状態は消えて無くなってしまうんですね。
「おいおい、まさか」という話です。
これ、僕が言っているのではないのでお間違いのなきよう。
量子力学の偉い先生たちが、何度も検証した上での結論です。
なかなか、頭の中にその映像が浮かびませんが、つまり「状態の情報」は、事実上、テレポーテーションしているという事。
なんだよ。量子の話かよ。
そう思われるかもしれませんが、待て待て。
そうは言っても、この世にある物質の全ては、この量子状態の複雑な組み合わせの上で存在しているわけです。
まったく、違うという話にはなりません。
つまり、量子状態を転送するということは、事実上物質を転送しているということもなりそうじゃないですか。
さて、この研究が進むと、どうなるのか?
もしかしたら、生きているうちに、ナマの「物質転送」の映像が見れるかもなどと、理科系シロウトは、ノーテンキに思っている次第。
そうなれば、60年前のこの映画が、またリメイクされるかもしれません。
まあ、その際は、ハエには気を付けましょう。