7月6日に、映画音楽の巨匠エンリオ・モリコーネが亡くなりました。
1960年代から、数々の名曲を残してきた作曲家でした。
映画音楽オタクでしたので、それなりに思い入れもあった人です。
中学生当時は、FM放送で、映画音楽特集があれば、まめにカセットテープに録音していたので、相当数のコレクションがありました。
ですから、映画は見ていないのに、テーマ曲は知っているということが多くありました。
ミッシェル・ルグラン。
フランシス・レイ。
モーリス・ジャール。
ニーノ・ロータ。
特に、60年代の映画音楽は大好物で、今聴いてもワクワクします。
もちろん、エンリオ・モリコーネも忘れられない映画音楽作家の一人。
セルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウェスタンに多くの楽曲を提供して来た彼ですが、「シシリアン」や「死刑台のメロディ」など、今でもメロディが口ずさめる名曲がズラリ。
1987年の「アンタッチャブル」では、グラミー賞も受賞しています
「シネマ・パラダイス」の心に残る旋律で、その名声は不動のモノになりましたね。
さて、そんなエンリオ・モリコーネを偲んで、自前のDVDコレクションの中から、彼が映画音楽を担当した作品を一本。
今回は、彼の出世作となった「荒野の用心棒」を選びました。
子供の頃に、「日曜洋画劇場」で見た記憶があります。
ですから、もちろん吹き替え版。
主演はクリント・イーストウッド。
黒澤明監督の「用心棒」のプロットを無断でそっくりパクったことで、何かと物議を呼んだ作品ですが、マカロニ・ウェスタンの走りとなった、映画史的には記念碑的作品です。
監督は、エンリオ・モリコーネの盟友セルジオ・レオーネ。
冒頭のクレジットで、モリコーネの名前を確認しようと思ってみていたら、これが出てきません。
音楽担当ダン・サヴィオ。
誰だそれ?
イタリアで作られたウエスタンでしたので、どうやら、ヨーロッパ系のスタッフの名前は、アメリカ風の偽名が使われていたようです。
宿敵ラモンを演ジャン・マリオ・ボロンテもジョニー・ウェルズになっていました。
さて、再見した今は、もちろんネタモトになった、黒澤監督の「用心棒」もしっかり見ていますので、今回は、そのパクリっぷりを、たっぷりと楽しませて頂きました。
おかげで、終始ニヤニヤしっぱなし。
この映画はまず先に日本で公開され、それから西部劇の本家本元のアメリカに渡って世界的に大ヒットし、マカロニ・ウエスタン・ブームに火をつけました。
イタリア映画らしい、たくましさを感じましたね。
それにしても、ポンチョを羽織ったクリント・イーストウッドの立ち姿は、やはりかっこいい。
あの目を細めるキメの表情に痺れて、若い頃はさんざん真似した記憶があります。
やっている本人はかっこいいつもりでいましたが、実際にどう見えたかはわかりません。
そして、トレードマークの短い葉巻。
あれに火をつける時に、マッチ棒をそこらの手近なものでこするのですが、あれもカッコ良かった。
試しにやってみましたが、市販のマッチでやっても、あれはできません。
あれは、マッチの頭に発火剤が塗られている特別なマッチ。
学生当時は、そのマッチを、上野のアメ横で売っていましたので、わざわざ買いに行ってましたね。
そして、密かに練習して、勝負のかかったデートなどで披露。
タバコは、そのためだけに吸っていました。
懐かしい思い出です。
もちろん、全編に流れるエンリオ・モリコーネの哀愁のメロディも堪能。
偉大なる映画音楽の作曲家に、心より哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
合掌。
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