すべての政府は嘘をつく
2016年製作のドキュメント映画です。
製作総指揮がオリバー・ストーン。
アメリカのフリー・ジャーナリストたちの活躍に、カメラを向けています。
とにかく、このタイトルに、シビレました。
我が国の政府が大嘘つきであることは、日本国民として、百も承知していましたが、我が国だけではない「すべての政府は嘘をつく」と言い放った方がいたわけですね。
こうおっしゃった方は、アメリカの調査ジャーナリストであるI.F.ストーン氏。
初めて聞く名前でしたが、1989年に、すでに亡くなられています。
この方は、戦後のアメリカ政権の数々の嘘に食いつき、公式文書を徹底的に調査するという手法で、その嘘を暴いてきたジャーナリスト。
その忖度のない指摘は、「週刊I.F.ストーン」という個人ニュースレターで発信され、このレターはその読者の購読料によって支えられました。
なるほど。なるほど。
個人的には、政府への忖度が甚だしいテレビのニュースは、今はほとんど見ることがなくなりました。
やはり、特にひどいのが「中立公平」な報道を高らかに謳うNHK。
昼間の国会中継を見てから、夜のニュースを見ると、あまりに政府よりの編集に唖然としてしまいます。
受信料を返せとは言いませんが、そこまで政府に忖度するなら、せめて「中立公平」という旗はおろして、自分たちは政府よりの報道に徹すると宣言してくれる方がまだ潔いと思います。
他の民放も、程度の差こそありますが、おおよそNHKにならえ。
社長クラスが、みんな政府主催の会食に招かれ、頭をなでなでされて、ポチになり下がっているのだから話になりません。
本当に知りたいことは、今はネット情報番組でしか得られないと思っています。
僕があてにしているニュース・ソースは以下の通り。
すべて、YouTubeで見ることができます。
神保哲生氏の「ビデオ・ニュース・ドット・コム」。
岩上安身氏の「I.W.J」
「デモクラシー・タイムス」
全ての番組が、視聴者のカンパや、動画の広告料で支えられている番組です。
スポンサーがいないからこそ、タブーや忖度なしに、ニュースに取り組めるわけです。
もちろん、映画では、アメリカのネット情報番組の活躍も紹介されています。
大手メディアが報道したがらないネタは、やはり彼らの独壇場。
忖度なしに、真相に迫っているのは、みんなフリーのジャーナリスト達です。
そして、そんな彼らのルーツに、この人がいたというわけです。
ストーン氏の、嘘を暴く手法が、見事です。
とにかく、公に発表されている事実だけを、とことん検証して積み上げていくといくというスタイル。
つまり、誰もが彼の扱ったデータを、公式に検証できる。
これがミソです。
「嘘を暴く」系の報道が出ると、よくあるパターンが、リーク情報。
もちろん、それも貴重なニュース・ソースではあります。
確かに、内部告発ということになれば、読む方の興味は膨れ上がります。
しかし、こういう情報は、そのネタモトが公表されないのが常識。
つまり、これでは、第三者が、その情報を検証することが出来ません。
視聴者の興味を煽るニュースを公開して、そのネタモトは伏せるということであれば、それがフェイク・ニュースである可能性は高くなります。
ストーン氏は、これを徹底的に嫌ったわけです。
政府が公式に発表した文書だけを突きつけて、その嘘を暴く。
それは確かに痛快です。
我が国の予算委員会での質疑のような、「仮定の質問には答えられない」だとか「個人情報だから答えられない」などと言ったような、まどろっこしい展開はなし。
全てをファクトで固めて、嘘を暴くのですから、溜飲が下がるというもの。
彼はこの手法で、1964年のトンキン湾事件を、アメリカ軍の捏造だと言い切りました。
もし彼が生きていたら、その後のイラク戦争の嘘も暴いてくれていたかもしれません。
もしも、日本にお越しいただいて、モリカケ問題や、桜を見る会問題、日本学術会議問題なども検証していただいたらどういうことになっていたか。
おっと、そうか。
我が国の場合は、その肝心要の公文書も、都合が悪ければ改竄してしまうとあっては、いかにストーン氏といえども、この嘘を暴くのは難しいか。
マスコミの皆様。
政府はせっかく嘘をついてくれるのですから、ここは変な忖度なんてしないで、どんどんその嘘を暴くという報道をしてみたらいかがでしょう。
さぞかし楽しいですよ。
そうすれば、国民も政治に、そうそう無関心ではなくなると思います。
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