還暦を越えた親父で申し訳ないですが、広瀬すずのファンなのです。
是枝裕和監督の2作品「海街diary」「三度目の殺人」。
そして、李相日監督の「怒り」という、割とグッときた最近見た日本映画の全てに彼女が出演していました。
テレビ・ドラマは見ないので、彼女の出演作品で見ているのは、この3本だけなのですが、これが3本とも全てよかったんですね。
1998年生まれの、この若い若い女優の、キラキラ光る魅力が、沁み入りました。
ティーン・エイジャーなのに、どこかキラリと光る大人の魅力が内包された不思議な存在感。
高峰秀子、岡田茉莉子、岸惠子といった、日本の伝統的美人女優の系譜をしっかりと踏んだ芳香を放ちつつ、溌剌とした少女の瑞々しさも併せ持つバランス感。
この素材を活かす監督に恵まれた幸運もあるとは思いますが、大手企業はそれをしっかりとキャッチしていたようです。
名だたる企業の、コマーシャルには引っ張りだこの彼女。
映画ファンとしては、一度ご贔屓の女優が出来てしまうと、どうしても出演作品は追いかけてしまいたくなります。
そのタイトルを見れば、通常であればスルーしてしまうような本作も、広瀬すず主演ということになればやはり気になってしまいました。
本作は、チアダンスで全米制覇を成し遂げたという、福井県の自在の高校をモデルにした青春映画。
チアダンス部が四校しかないという福井県大会でもコケるような弱小チームが、わずか3年間で、本場アメリカの大会を制覇するまでに成長していくまでを描いています。
広瀬すずが演じるのは、天真爛漫な女子高生友永ひかり。
サッカー部に入った中学からのボーイフレンドをなんとか応援したいという理由でチアダンス部に入部します。
しかし、そこで待っていたのは、やたらとテンションの高い顧問教師早乙女薫子。
演じるのは天海祐希。
彼女の厳しい指導についていけないチームは、バラバラになりますが、ひかりと部長の綾美が、少しずつチームをまとめ上げていきます。
女優に惚れ込んで映画を見ている身としては、正直ストーリーはそれほど気にならないのですが、やはり「入れ込んでいる」分、感情移入はしていると見えて、気がつけば「想定内」の展開にも目はウルウル。
孫のような年齢の広瀬すずの成長に、しっかりと拍手を送っておりました。
なかなかいいシーンがありました。
バラバラになった部員を、ひかりと綾乃が、一人一人説得していくシーン。
夜のショーウインドウの前で、踊っていた仲間の一人を見つけた二人は、何も言わず、その背後に立って、一緒に踊ります。
セリフなしでも、彼女たちが心を通い合わせていくのが伝わってくるなかなかの場面でした。
最後は、早乙女が言う「誰も見たことのない景色」を見ることになるひかり達。
地元地域のお祭りでは、毎年ビデオ撮影を仰せ使っています。
何年か前のお祭りで、地元高校のチアダンス部を招いて、ステージで踊ってもらったことがあったのですが、カメラマンの特権で、彼女たちの溌剌としたダンスを、その時はナマでかぶりつきで見せてもらいました。
後で言われましたが、カメラの後ろで、スゴイ顔になっていたとの事。
すけべ親父にとっては、「誰も見たことのない景色」は、かなり恥ずかしいものだったかもしれません。反省。
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