さて、1973年になりますと、中学2年生になっています。
この年には、「カラオケ歌謡曲記憶力テスト」をやる上で、どうしても外せない出来事があります。
それは、ラジカセの購入ですね。
前年のギターは、なんとか小遣いで手に入れられましたが、ラジカセとなるとさすがにそうもいきません。
これはどうしても欲しかったので、友人のほとんどが、これを持っていることを、トクトクと説明して、なんとか両親を口説き落としました。
父親と一緒に、ラジカセを購入しに、秋葉原まで行った日のことはハッキリと覚えています。
結局、あらかじめ相談していた予算以上のラジカセを、店員を老獪に口説いて、値切らせる父親が逞しく見えたものでした。
手に入れたラジカセは、今でもハッキリと覚えています。
AIWA TPR-205
ワイヤレスマイク付きで、これは当時の友人の誰も持っていない機種だったので嬉しかったですね。
さて、この愛機をゲットしてからの、ミュージック・ライフはガラリと変わりました。
モノラルではありましたが、これでラジオ番組が録音できるようになったのは大きかったと思います。
まず録音を始めたのは、ラジオの深夜放送。
それまでは、眠い目を擦って、ゲルマニウム・ラジオで聞いていたものが、その日からは、録音しておけば翌日に好きなだけ聴けるようになったわけです。
録音できるのは、最長の120分のカセットテープで、片面の1時間まででしたが(まだリバーシブル機能はなし)、当時よく聞いていた文化放送の「セイヤング!」は、どのパーソナリティも、番組の冒頭で、歌謡曲ベストテンや洋楽ベストテンを毎日のようにオンエアしてくれていたので、以前に比べて、圧倒的に巷のヒット曲に触れる時間は長くなりました。
深夜放送のランキングでしたから、歌謡曲よりも、やはりニュー・ミュージック系の方が強かった気がします。
しかし、このラジカセを手に入れると、音楽の興味は一気に洋楽へシフトしていくんですね。
ちょうど、ビートルズの赤盤青盤が発売されたタイミングで、どの番組でも、ビートルズがかかりまくっており、ここで一気にビートルズに傾倒し始めます。
その他にも、カーペンターズやエルトン・ジョンなどのリアル・タイムのアーティストだけではなく、サイモンとガーファンクルやモンキーズといった、60年代の洋楽に遡っていったのもこの頃。
音楽そのものへの興味は、この年に一気に膨らみました。
邦楽では、ユーミンや井上陽水、かぐや姫が脚光を浴び始めたのもこの年。
この「カラオケ記憶力テスト」では、主にシングル・レコードのランキングから歌えるものを選んでいますが、こういった当時の旬のアーティストたちになると、積極的にそのアルバムも聴くようになります。
今までは、テレビから流れてくる歌謡曲をなんとなく聴いていてものが、この年を境に、好きな曲は、カセットテープに録音して、繰り返し聴くようになるわけです。
この変化は大きかったと思います。
深夜放送で、アルバムの収録曲が全曲かかることはありませんが、友人たちにアンテナを張っていると、大抵誰かがどれかを購入しているので、借りたり、頼んで録音してもらったりで、段々とカセット・テープが増えていきました。
井上陽水の「氷の世界」「二色の独楽」、ユーミンの「ミスリム」などは、アルバムとして聴き込んでいるので、実際に記憶している楽曲は、この年以降はもっと多くなるはずですが、この「カラオケ記憶力テスト」は、あくまで年間ランキングにチャートインしたシングル発表曲に限定することにします。
それから、音楽の幅を広げた、もう一つの有力ソースは、FM放送ですね。
当時のFM放送といえば、「FM東京」と「NHK-FM」の二局くらいしかありませんでしたが、様々な番組でオンエアされる楽曲が、当時の情報誌「FMレコパル」や「FMファン」には全て掲載されていましたので、これにセッセとラインマーカーを引いて、お気に入りの曲を片っ端から録音していきました。
ですから、ヒット曲は友人たちから音源を仕入れて、自分で買うレコードといえば、友人の誰もが買わないような、少々ディープなものになることが多かったですね。
コロナ騒動が始まるまでは、この頃の友人たちと連絡を取り合って、定期的に酒を飲んでいたのですが(ちなみに、僕は下戸)、当時の思い出も含め、この頃ヒットした曲は、全員が今でも、かなりしっかりと覚えていて、そんなことを肴に、宴は毎回盛り上がっています。
歌えたのは、57曲でした。
赤い風船 (浅田美代子)
個人授業 (フィンガー5)
若葉のささやき (天地真理)
白いギター (チェリッシュ)
てんとう虫のサンバ (チェリッシュ)
みずいろの手紙 (あべ静江)
夜空 (五木ひろし)
狙いうち (山本リンダ)
禁じられた遊び (山口百恵)
草原の輝き (アグネス・チャン)
恋の雪別れ (小柳ルミ子)
わたしの青い鳥 (桜田淳子)
絹の靴下 (夏木マリ)
イルカにのった少年 (城ミチル)
私の彼は左きき (麻丘めぐみ)
57曲
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