春に植えた野菜は、ほぼ収穫終了。
毎年、この時期から、翌年の春まではシーズンオフ。
春にトラクターで土起こしをするまでは、放置プレイにしているのですが、考えてみればそれももったい話なので、今年は、秋植えの野菜の種を買ってきて、オフシーズンも野菜づくりを続行してみることにしました。
ホームセンターの、園芸コーナーに行けば、この時期用の野菜の種が売っています。
しかし、それをする前には、やっておかなければいけないことはやはり畑の整理整頓。
本業の仕事を抱えながらの畑作業ですので、日曜日だげが許された時間。
野菜たちにすれば、そんなのそちらの勝手と怒られてしまいそうですが、これは申し訳ないがご容赦いただくとします。
さて、ここのところ野菜の自然栽培を勉強してきましたので、まず畑の中から、できる限り人工のものを排除する。
今後は、野菜づくりもこれでトライしてみることにします
ということで、ビニール加工の黒マルチを、まずはすべて剥がすことにしました。
この畑に来て、師匠から最初に言われたこと。
「自然のものは、畑の中で循環していくけど、工業製品は、ずっと残ってしまうから、一度使ったものはきれいに取らないとダメ。」
ならば、今後は初めから使わないでやってみようというわけです。
マルチの代わりには、雑草をうまく使って草マルチ。
そんな方法もあります。
「耕さない、除虫しない、肥料もやらない」
自然の野菜力を最大限引き出すサポートを、可能な限り人力で行う。
これが、自然農法の基本です。
人が人の都合で、手を加えるほど、野菜は不味くなる。
残念ながら、その味の差がわかるほど、僕の舌は肥えていないのですが、その理屈はわかる気がします。
ただし難しいのは、この農法が、はたからみれば、放任農法に見えてしまうこと。
なにせ、ここは市の指定した生産緑地ですから、ちゃんと手入れをしていないと役所に指導されてしまいます。
彼らは、見回りもしているようなので、やっかい。
自然農法を実行しつつ、ちゃんと畑にも手が入れられているように見えないといけない。
このあたりが難しいところ。
いっそのこと「自然農法のはたけ」という看板でも立ててみるのも手でしょうか。
写真に写っている、お隣の畑はプロの農家。
きちんと毎日手入れして、野菜は計画的にきちんと植えられ、雑草もきちんと刈り取られています。
お手本のような生産緑地。
こういう畑がお隣ですと、自然農法志向の当野菜畑は、いかにもやりにくい。
お隣さんにしてみれば、こちらの畑は不愉快極まりない畑に見えるかもしれません。
しかし、こちらは、一生懸命やっているつもりでも所詮悲しき素人チーム。
どう転んでも、プロの農家のようなわけにはいきません。
自然農法の野菜づくりは、昨今はそこそこの市民権も獲得してきています。
機会があれば、お隣さんとも、ぜひその辺のところをお話ししてみたいところ。
賛同は得られないまでも、理解だけでもしていただければ、やりやすくなります。
同じ生産緑地を共有するもの同士の礼儀として、ゆめゆめ、自然に近い畑にすることを、こちらの作業怠慢の理由にはしない。
このあたりは、心しておきたいところです。
我々の畑の一角を、高校の先生に貸していた時期があるのですが、この先生、おそらく自然農法を勉強したと見えて、ほとんど草むしりもしない放置プレイの野菜づくりをしていました。
畑で作業する時間も、かなり少ない。
しかしながら、志はどうあれ、あれは完全な手抜き農業です。
役所のパトロールもあるから、こちらが少しくらい草むしりしてくれと再三催促してもなしのつぶて。
最終的には、強制撤去でお引き取り願いました。
では、この畑がどうなるか。
花粉やら虫やらで、周囲の畑に迷惑をかけて大クレームというわけです。
自然農法は、手抜き農法とは違います。
自然農法には自然農法の手入れがあります。
「奇跡のリンゴ」の木村秋則氏云く、
「自然農法の手入れは、野菜をよく観察すること、そして、その声をよく聞くこと。」
何もしない農業はあり得ません。
手入れをしない畑は、もはや畑ではない。
そのことは、肝に銘じつつ、この魅力的な農法とは、長く付き合っていきたいところ。
さて、こちらは、苗間をちょいと詰めすぎて、窮屈になってしまいましたが、我が畑では初トライのキャベツとハクサイ。
先月定植しました。
キャベツ、白菜といえば、師匠からは、虫に食われっぱなしになるからやらないと、当畑では放棄されている野菜。
しかし、この季節になれば、そうそう虫食いもないだろうと、苗を購入してきました。
それでも、最初のうちは、やはり虫に食われまくり。
それでも食われた葉を丁寧に剥がしているうちに、だんだんと様になってきました。
今は結球もしかかり、これは収穫も期待できそう。
こちらは、玉ねぎ。
玉ねぎは、この畑とはあまり相性が良くないようで、今までも、何回かトライしてきましたが、あまりうまくいった試しはない。
それでも今回は、レタスを収穫して空いたスペースに、実験的に植えてみました。
もう少し様子を見て、この黒マルチも剥がしてしまいますが、どうなりますか。
あれ、これなんだっけ?
点撒きをしていますから、たぶん、大根か、カブですね。
これは種子からです。
撒いて一週間してきてみたら、ちゃんと発芽していました。
雨上がりでしたので、とくに水やりもせず、肥料も加えていません。
周囲の雑草だけ抜いたのみです。
さて、これで、どこまで育ってくれるか。
楽しみです。
こちらは、のらぼう菜。
武蔵野特産の、青物野菜です。
三年前の春先に、この畑に一番最初に来た時に、師匠からいただいた野菜です。
くせがなく、大変美味しい野菜。
これも来年の春先の収穫を楽しみに、種を植えました。
無事に冬を越してくれるか。
さて、ハーブです。
ハーブは、野菜づくりを始めてから一気にマイブームになりました。
もちろん、僕のかじっているのは、ハーブの世界のほんの一部分。
ハーブには、多年草も多く、一度定植したら、毎年同じように葉をつけてくれるものがけっこう多いんですね。
ところが、それを知らずに、これまでは、いつも秋には根こそぎ撤収して、春になってまた定植するという無駄をしていました。
素人の浅はかさです。
今年からは、自分の担当エリアで、ハーブゾーンを決め、このエリアで自然農法に近い形で栽培することにしました。
隣で畑をやっているハーブオバサン曰く、
「いいのよ。放っておけば。向こうで勝手に、そこら中で育ってくるから。」
でさっそくこれ。
これはカモミールです。
春に植えて、一度花は全部枯れてしまったのですが、この秋になって、また新しい花がつき始めています。
そして、こちらはスペアミント。
僕の一番好きなハーブです。
春に植えた苗は、一度枯れましたが、その枯れた苗穴から、また元気のいい葉が出てきました。
なかなかいいかんじ。
彼らがもっと自由に顔をだせるように、このエリアも、早急にマルチを剥がすことにいたします。
そしてこちら。
こちらは、レモングラス。
このハーブは、例年期待通りに、その葉を茂られてくれています。
今が絶好調といったところ。
この葉を、細かく刻んでいくと、レモンの香りがプーンと漂い、美味しいハーブティになります。
この生葉の状態がやはり一番香りますが、自然乾燥させて、時間が経ったものまでも、十分にハーブティになります。
これと、畑のかぼちゃで作ったケーキなどで束の間のティータイムは、まさに至福のひととき。
我が家では、この畑で採れたハーブが、部屋のあちこちにぶら下がっています。
さて、春に植えたもので、まだ収穫されていないものがあります。
ひとつはこれ。
春先の、定植シーズンに、とにかく苗間をうめなければという貧乏根性で買ってきた苗が、なんとパパイヤ。
南国フルーツが青梅で育つわけもないと、ダメ元で植えた苗でしたが、なんとこんな立派な樹木になりました。
そして、よく見てみると、パパイヤらしき果実が実りつつあります。
パパイヤといえば、黄色くなって、中の実もオレンジというイメージですが、これは青パパイヤ。
ソフトボール大になれば収穫と書いてありましたので、大きくなったものを収穫して持ち帰りましたが、実はまっしろ。タネも真っ白。
こりゃ、まだ気が早かったかなと思いましたが、これは青パパイヤで、そういうものだとかいてあります。
一口かじってみましたが、あこりゃまだ固い。
そこで、千切りにし、サラダにしてみたら、シャキシャキ感がたまらず、とても美味しく頂けました。
大変上質なサラダの食材をまたひとつゲット。
検索したら、クックパッドにもそんなレシピが複数のっていましたね。
そうと分かれば、どんどん大きくなれよパパイヤ。
レタスもそろそろ在庫切れですので、次のサラダの食材として期待したいところです。
そして、もうひとつ収穫待ち。
このパパイヤの木の隣で、これでもかと葉をおい茂らせている野菜。
これはヤーコンですね。
ヤーコンのキャッチコピーは、「アンデスの恵み」
食感は大根。味はジャガイモという南米特産野菜です。
こいつがこれまでも、この畑とは大変相性がよろしい。
この葉の下で、大量の実が、いまかいまかと収穫の時を待っています。
となりのエリアでは、師匠達達が丹精を込めて作ったサツマイモや里芋やネギが、同じく秋の収穫待ち。
こちらのエリアでは、もうひとつ「大野イモ」の収穫も残っています。
これらと一緒の収穫は、今月中になります。
「大イモホリ大会」ですね。
一句整いました。
芋掘りに目を輝かすイモにいちゃん
失礼、もうとっくに、イモ爺さんですが・・