なかなか自分の時間がとれなくて、書き込めませんでしたが、去る23日に花見をしてまいりました。
桜はまだ蕾。八重桜だけがなんとか三分咲きのこの日。
我が家の近くに伊佐沼という、桜の名所がありまして、この畔にある「夕映え」というレンタルラウンジを借り切っての夜桜見学です。
何年か前に、地域の自治会の役員を仰せつかったときのメンバーが意気投合して、それ以降も、年に一回の親睦旅行と、お花見を継続しているというわけです。
もちろん、主役は近所のオバチャマたち。夜桜は三分咲きでしたが、うば桜は満開。(失礼)
今回の花見は、このオバチャマたちが、一品ずつ手料理を持ち寄っての、ホームパーティです。
手料理を用意できない僕は、毎年ケーキを買って参加するのですが、今年は、糖尿病の食事療法中ゆえ、このケーキは食べられません。
しかし、正直言って、この日の僕は、2ヶ月間で体重を66キロまで落としたご褒美に、ケーキと肉料理以外のものなら、シコタマ食べてやれと決めておりました。
たまには、そんな「食事療法開放デイ」も作ってやらないと、胃袋がかわいそうです。
僕が食べれば、もちろん作ったオバチャンたちも、喜ぶわけです。
まあ、彼女たちも、日頃の腕の見せ所ということもあり、そして主婦同士の見栄も手伝い、毎年、花見のテーブルには、うまそうな料理が並びます。
「あら、柿沢さん、だいぶ、スマートになったんじゃない?」
もちろんです。その言葉は、お待ちしておりましたよ。
「いや、実は糖尿でね。ダイエットしてるんですよ」
「あら、えらいわ。なにやってんの」
「ビリーズブートキャンプなんてできませんから、食事制限だけ。食べるもの半分にしてまーす」
「ちょっと、会長。聞いた。柿沢さん、見習わないと」
会長というのは、僕らが、自治会の役員を務めた際に、会長を務められたオトウサマ。
この方、剣道の師範の資格を持つスポーツマンなのですが、これがいい具合に肥えていらっしゃるわけです。
僕が体験した糖尿病の自覚症状を彼に説明いたしますと、なんとすべてが当てはまるとおっしゃいます。
「会長、そこまでくると、かなり末期ですよ。脳梗塞はカウントダウンです。」
とにかく、うちの元会長は、よく飲み、よく食べる方です。
これまでの、お花見も、おそらくオバザマたちの作ってきた料理の半分は、僕と会長の胃袋に納まった勘定でしょうか。
「いや、これでも酒の量は減らしたんだよ。」
といいながら、4本目の缶ビールをグビグビ。
とにかく、僕と会長とは、いつも、こういう飲み食いの場面でしか会いませんから、僕の印象としては、いつも紅い顔をして酔っ払っているイメージなんですね。
さて、食欲旺盛で中性脂肪をしこたま内蔵されているこの会長様と、10キロダイエットに成功中の僕が話題になりますと、当然、攻撃の白羽の矢は、哀れ会長にむけられます。
僕は、意志の力が強いだの、自己管理ができているだのと、褒めちぎられますが、会長には、オバサマたちの、歯に衣を着せない教育的指導がビシバシと飛ぶわけです。
しかし、それほど攻められても、われ関せず。おいしそうに、オバサマたちの、手料理に舌鼓を打つ会長様は、ある意味大物ですね。まあ、そんな愛すべきキャラがオバサマたちを、ひきつけるのでしょう。
しかし、そういう展開になってくると、困ったのは僕です。
非難轟々の会長とはうってかわって、ダイエット成功者として、オバチャマたちから、「サースガ!」の賛美をいただいてしまったものですから、この日だけは、しこたま食べようと思っていた、僕の予定が狂ってしまいました。
「そうだよね。柿沢さん、本当に、いつもみたいに食べてないよね」
いやいや、今宵は食べたいんだから、そんなこと言わないで。
しかし、やはり根がミエハリなものですから、そういわれてしまうと、ダイエット優等生になってしまうんですね。
結局、おいしそうなチラシ寿司も、ローストビーフも、刺身盛り合わせも、一口ずつ。
どうせならと、漢方薬まで、皆様の前で飲んでみせてしまいました。
こうなりゃ後は、サラダとフルーツのやけ食いです。
「ほら、会長も、柿沢さん見習わないと」
しかし、そういわれても、マイペースで、楽しそうに飲み食いをしていた会長の顔をみていると、今宵は、果たしてどちらが幸せ者であったか。
まあ、ダイエット結果をオバチャンたちに認知してもらったという意味では、今回は意義のあるお花見でした。
僕のように、意志薄弱なものにとっては、こんなふうに、「周りの目」をうまく利用して、モチベーションを下げないようにしないと、この先の果てしない、糖尿病との闘いは続かないかもしれませんね。
桜の花も、来週には満開でしょう。
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