深夜発の「急行能登」の、僕の指定席は、「窓際限定」でとった2号車14D。
2号車に入ってみると、僕の席の隣のCには、すでに先客がいました。
かなりガテン系の人相なのですが、なにやら、イヤホンをして、ゲームボーイに興じています。
チラリと見ると、僕が隣に来ることなど、予期してないように、自分の荷物と姿勢でふたつのシートを占領しています。
「すいません。隣なんですが」
もちろん、そう声をかけて、指定の席へ座るべきなのでしょうが、この時間の急行は、満員ではありません。
みれば14列目は、反対側の席も空いています。
あまり暑苦しいのは好きではありませんし、空席が目立つ状況で、無理矢理大の男が並んで窮屈に座るのもどうかなと思い、とりあえず、反対側の席に座りました。
もし、後からこの席を予約した人が乗り込んできたら、そのときは、このオニイチャンの隣に移動すればよかろうと判断いたしました。
さて、大宮を出て、高崎を過ぎるくらいになると、電車内は消灯。
北陸へ向かう乗客たちは、いっせいに就寝モードとなります。
しかし、消灯はしたとしても、電車は、指定の駅には順次停車。
客の出入りは、続きます。
さあ、そうなると、電車が停車するたびに、この席の客が乗ってくるという気持ちが先にたち、どうにも睡眠モードに入れないんですね。
隣のオニイチャンは、もうすでに、隣は来ないと決めてかかっている様子で、両席を独占状態。
このまま、眠れないのもちときつい。
ちょうど、トイレにもいきたくなったので、他の車両の状況を見てくることにいたしました。
さあ、そうすると、グリーン車は、指定席の車両よりさらに人影まばら。
そして、自由席車両は、グリーン車よりも、さらにまばら。
一番混んでいるのが、指定席車両なんですね。
夜行だから、こちらとしては、もちろん座っていきたい。
けれど、ネット情報だと、その車両の混み具合までは、わからないので、「自由席」は避け、まずは、「座れる」という状況を確保するために、ネット申し込みでは、「指定席」を取る。
まあ、そんな人が、少なからずいたということでしょう。
そこで、僕は、朝までの安眠を確保するために、荷物を持って、人影スカスカの「自由席」に移動することにいたしました。
指定席料金がもったいないとも言っておられません。
とにかく、自由席で寝ていれば、どこでどう寝ていようと起こされることはないわけですから。
移動してきてみると、自由席は、ほとんど「お好きにどうぞ」状態。
先客たちは、すでにおもいおもいのかっこうでクチをあけて寝ています。
さあ、ここでビール一本。
携帯のアラームを5時30分にセットして、眠りにつきました。
明け方近く、トイレに立ったときに、チラリと、指定席車両をのぞいてみたんですね。
皆様、あきらかに、自由席よりも、窮屈そうに寝ていました。