「普通の女の子に戻りた-い!」
こう絶叫したのは、キャンデーズのスーちゃんでした。
古い話で恐縮です。
当時のキャンデーズの面々は、人気の上昇とともに、どんどん「普通」ではなくなってくる周囲の状況に疑問を抱き、結局自分たちの意志で、芸能活動にピリオドを打ちました。
僕もキャンディーズ・ファンの端くれでしたから、よく覚えています。
「私たちは 自分たちのことを
まだ大人だとは思っていません
人間としても まだまだ 未熟で
たとえれば 小鳥のようなものです」
ランちゃんは、フィナーレの曲「つばさ」で、こういってましたっけ。
でも、こういって「普通の女の子」に戻った彼女たちでしたが、結局ミキちゃん以外は、やがて芸能界復帰。
再び、「普通」ではない世界に戻ってきました。
察するところ、ことほど左様に、「芸能界」というところは、「魅力的」なところなんでしょうね。
僕は、もうどっぷり50年間、「普通」の側で人生を送ってきていますから、あちら側の状況は想像するしかないのですが、なんだかんだといっても、一度あちらの空気を吸ってしまうと、そう簡単に「普通」には戻れなくなるのかもしれません。
さて、草薙剛騒動です。
天下のSMAPのメンバーが酩酊して、深夜の公園でスッポンポンになって、公然わいせつ物陳列罪で御用。
ネットを見回せば、どこもかしこもこのニュースでもちきりです。
これだけ騒がれてしまえば、ブログを書くものとしては、なにか書かなければなりますまい。
まあ、ファンの方には申し訳ありませんが、「彼の行為」は一言で言ってしまえば、「オソマツ」。
とはいっても、彼が「普通の人」ならば、これしきのことは、大都会東京では日常茶飯事のこと、ニュースにすらならない事件だったのでしょうが、残念ながら、彼は、「超」がつく有名人。
深夜のご乱行は、あれよあれよというまに、芸能界を揺れ動かすほどの大騒動になってしまいました。
本日現在では、彼の「謝罪記者会見」の段まではチェック。
当然のことながら、酔いから覚めて、正気に戻った彼は、事の重大さに愕然とし、頭をたれまくっていますが、さあいったい、この彼に「世間」は、どんな沙汰を下すか。
人気商売の宿命でしょうから、この件で、最終的なジャッジをするのは、事務所でもなく、芸能界でもなく、やはり「世論」ということでしょうか。
事務所としては、当面「自粛」をさせて、「世間」の様子を伺いながら、しかるべきタイミングで「復帰させる」ということになるのでしょう。
同グループの、稲垣吾郎のときの騒動は、まだ記憶に新しいところです。
冒頭で、キャンデーィズの「普通宣言」に触れましたが、今回の騒動のキーワードはこれかなと思っています。
草薙剛の騒動は、結局、彼が「普通の人」ではなかったがゆえに、こんな大騒動になってしまったもの。
「大人としての自覚が足りなかった」
彼は、謝罪記者会見でそう語っていますが、本質はそうではないですね。
「普通の人ではないという、自覚が足りなかった」
要するにこういうことなんだと思います。
これだけ「国民的」な有名人になってしまいますと、やはり彼にも、それなりにいろいろなプレッシャーがかかっていたことは想像に硬くありません。
おそらくは、彼の「イメージ」をコマーシャルに使用していた企業との契約書に対して、彼はいろいろな「制限」を受け入れる旨の「印鑑」は、数知れず押していたと思います。(事務所かもしれませんが)
タレントという職業を生業にするものにとっては、その最大の「売り物」が「イメージ」もしくは「キャラクター」であるということは周知のとおり。
そしてこれを守るため、多くの人気タレントを擁するジャニーズ事務所が、その管理において、タレントに対しても、マスコミに対しても、厳しい要求をしているというのもまたご存知のとおり。
チヤホヤされ、何事にも特別扱いされてしまう「芸能界」という色水の中で、放っておけば「勘違い」してしまいがちな「色気盛り」の「いい男」たちを管理するわけですから、我々、こちら側のモノには、ちょっと計り知れないような、いろいろな「規制」もあるのでしょう。
ストレスだってたまることでしょう。
しかし、これは、「あちら側」で生きていく者ならば、当然支払わなければいけない対価なんだと思いますね。
よく、芸能人に対して「有名税」という言葉を使いますが、これはそのとおりなんでしょう。
税金である以上は、いやもくそもない。支払いの義務が発生するということです。
要するに、魅惑の芸能界で、「普通ではない人生」を生きていくと決めてしまったからには、反対に「普通の人」としては、あきらめなければいけないこと、犠牲にしなければいけないこともまた、承知しなければいけないということなんでしょう。
それを、きちんと認識していないと、残念ながら今回のようなことになる。
「例えプライベートな場でも、酩酊するほどお酒を飲んではいけない。」
ジャニーズ事務所の管理規定に、そんな一文があるかどうかは、知りませんが、例え、それがあったにせよ、なかったにせよ、草薙剛ほどのタレントならば、それは、自分の「規律」の中に、ちゃんと明記していなければならなかったことのはずです。
「有名人だと、外で飲んで、酔っ払うこともできないのか!」
彼がそういっているかどうかは知りませんが、彼が彼の立場で、そんな「泣き言」をいってもはじまらない。つまりそれはそういうことなんでしょうね。
「そんなの可愛そう。」
熱心なファンの中には、そういう人もいるのでしょうが、残念ながら、それに同乗するのはご法度です。
これはもう、普通の会社なら、「社内規定」のようなもの。
よその会社がどうであろうと、会社のルールがそうである以上は、その会社の社員である上は、守らなければいけません。
いやならやめて、よその会社にいけよという話です。
自分の意志で、その「世界」にいる以上は、当然、その世界であるがゆえに、発生するルールはあります。
「そんなのいやだ」というなら、当然その世界にいる資格はない。
キャンディーズではありませんが、とっとと「普通の人」に戻りたいと宣言して、こちら側にいらっしゃいという話です。
メディアの報道によれば、事件当夜の草薙剛は、酩酊してアルコールチェッカーによる測定では、呼気中アルコール濃度が0.8mg/L。
我が社は運送会社ですから、点呼の際のアルコールチェックで、0.25mg/L以上と出れば、乗務停止です。
そしてもし、その状態で、事故を起こしたら、即日解雇です。