アフロディーテは、愛と美の女神。
ビーナスと、ほぼ同義ですが、こちらの方が語呂が良いのでこちらを採用します。
要は、生まれてから今日に至るまで、それなりに胸をときめかせてもらった美しきアフロディテたちを年代順に思い出してみようという思いつき。
老人特有の懐古趣味企画ですね。
イラストの方は、道楽ですが、やはり「美しい女性」を描くのは、単純に気持ちいい。
まあ、そういうわけで、徒然に50人を選んでみたのですが、これがなかなか楽しい作業でした。
誰でも知っている美女から、かなりマニアックな美女まで。
もう名前を聞かなくなった方の、「その後」まで、今はかなり詳しくネットで調べられますから、便利です。
僕は、去年で還暦を迎え、あと一ヶ月もすれば61歳になります。
生まれたのは、1959年。昭和34年。
生まれた時には、もう家にはテレビがあった世代です。
さて、「個人的アフロディーテ50人」。
間違っても、個人的に付き合った女性たちではありませんので、心当たりのある方はどうぞご安心を。
それではまず、少年期からスタートいたします。
ピックアップできたのは7人。
やはりこの時期は、テレビの影響は多大でした。
そして、生まれた時から、本屋の息子。
常に流行雑誌に囲まれていたという、この恵まれた環境の影響も大きいですね。
では、記念すべき人生で一番最初に胸ときめいた女神は誰か?
記憶を辿って行きますと、やはり最初は、テレビアニメの美少女キャラクターだったに違いないと踏みました。
僕が人生で一番最初にハマったテレビアニメ。
これは、もうはっきりしています。
横山光輝原作「鉄人28号」。
同時代には、手塚治虫原作の「鉄腕アトム」もありましたが、少年時代の僕は、圧倒的にこのメタルボディのスーパーロボットのカッコよさに魅せられていました。
しかし、残念ながら、このアニメのレギュラーキャラに、女性の姿はありません。
金田正太郎少年、大塚署長、敷島博士。すべて男性。
では、女性キャラが活躍する、あの当時のテレビアニメはなんだったか。
同じ横山光輝原作で、「魔法使いサリー」がありました。
赤塚不二夫原作の「秘密のアッコちゃん」もありました。
しかし、少年時代の僕にとっては、サリーちゃんも、アッコちゃんも、残念ながら、アフロディーテというにはちょっと。
二人とも、よく一緒に遊んでいた、近所の女の子たちの延長戦上にあるキャラでしたね。
では、思い出すままあげていきましょう。あとはどんなテレビアニメを見ていたか。
「スーパー・ジェッター」はおぼえています。ヒロインは女性カメラマンの水島カオル。
「エイトマン」では、探偵局の秘書・関さち子。
確かに、アニメの女性キャラとして、覚えてはいるけれど、残念ながら、ときめいたという記憶はない。
「巨人の星」の星飛雄馬のお姉さん、明子さんは、宿敵花形満に持っていかれました。
「ルパン三世」の峰不二子は、まだアニメではなく、成人向け漫画雑誌「漫画アクション」の中。
つらつら、考えていたら、ハタと思い当たりました。
我が人生の、一番最初のアフロディーテは、おそらくこの女性キャラ。
覚えていますでしょうか。
石ノ森章太郎(あの当時は、石森章太郎)原作の「サイボーグ009」に登場する紅一点「003」ですね。
彼女とは、あの当時、夢の中で共演した記憶がハッキリと残っています。
内容はもう忘れましたが、おそらく自分が主人公の009島村ジョーにでもなっていたのでしょう。
でも夢にまで出てくれば、アニメキャラとはいえ、これはもうアフロディーテと言っていいかもしれません。
知らない人のためにちょいと説明。
「サイボーグ009」は、世界中から集められた若者が、特殊能力を持ったサイボーグに改造され、悪の手先にされそうそうになるが、反旗を翻し、一致団結して、平和のために戦うというSFアニメ。
その中で、003 に改造が施されたのは、超視聴覚能力。
遠くのものがみえ、遠くの音が聞こえるという能力です。
サイボーグにされる前は、フランスのバレリーナで、名前はフランソワーズ・アルヌール。
実際にこの名前のフランス女優が、1950年代に活躍していましたね。
ジャン・ギャバンと共演した「ヘッドライト」は後に鑑賞していますが、影のある幸薄い女性を魅力的に演じていました。
石ノ森さんが、ファンだったのでしょう。
もちろん、「サイボーグ009」は、テレビアニメになる前は、雑誌に連載されていました。
そのコミックは、本屋の息子の特権で、全て読んでいます。
映画にもなっていますね。
003の声の担当は、「魅せられて」の、ジュディ・オングでした。
柿沢少年は、あの当時から、かなりのオタク系。
漫画はよく描いていた少年でしたが、思い返してみると、あの頃の僕が描いた女性キャラのほとんどは、003 になっていたような気がします。
当時、将来は漫画家になりたいと思っていた僕の、いわゆるアニメ系美女の、テンプレートがこの003でした。
主人公009との、ロマンスらしきものも、あったようななかったような。
さて、サイボーグ003を挙げたら、もう一人、間違いなくあの当時の僕の夢の中に登場していたアニメの女性キャラを思い出しました。
このキャラです。
覚えているでしょうか?
「レインボー戦隊ロビン」に登場するロボット・リリ。
このイラストではわかりませんが、本来の彼女は、頭にナースキャップをかぶった医療ロボットです。
手の先から、復元光線を照射すると、どんな怪我も故障も、たちまち直ってしまいます。
シリーズの後半でエンディング・テーマになった「すてきなリリ」は、あの当時密かに愛唱しておりました。
003 と比べると、リリは、ややおてんばキャラ。
どちらかというと、僕の好みは彼女の方だったかもしれません。
その他、ベスト50のセレクトからは漏れましたが、この時代で印象に残っていたアフロディテーをもう二人ほど挙げておきます。
アニメではありません。
人形劇といえば、ピンとくる人がいるかも。
スーパーマリオネット特撮人形劇「サンダーバード」に登場する、レディ・ペネロープですね。
声の担当は、黒柳徹子。
そして、もう一人。
僕にとっては、「サンダーバード」よりも印象深かったのが「海底大戦争スティングレイ」。
この人形劇に登場したの海底人の美女アクア・マリーナ。
喋らない設定だったと記憶していますが、僕には逆にそれが印象に残りました。
キャラクターのモデルは、ブリジット・バルドーだったそうです。
すべて、1966年から、1967年にかけての作品ですので、僕は7歳から8歳。
小学生の低学年の少年にとってのアフロディーテは、すべて生身の人間ではありませんでしたね。
さて、3人目は、生身のアフロディーテに登場してもらいます。
ご存知、日曜午後7時タケダアワーのウルトラシリーズ第3弾「ウルトラセブン」。
ウルトラ警備隊の紅一点アンヌ隊員。
演じたのは、ひし美ゆり子。(当時の芸名は、菱見百合子)
「ウルトラシリーズ」では、「ウルトラQ」「ウルトラマン」に出演した桜井浩子がいましたが、少年の心は残念ながら彼女にはときめきませんでしたね。
なんといってもアンヌ隊員です。
彼女は、シリーズ開始当初はそうでもなかったのですが、回を重ねるごとに、ジワジワと少年の心に迫ってきました。
そして、最終回でM76星雲に帰るモロボシ・ダンとの別れのシーン。
あれは、子供向け特撮番組としては、ほとんどギリギリのラブシーン演出だったと思っていますが、その頃にはもう完全に、アンヌ・ファンになっていました。
後年の特集で、知ることになるのですが、彼女は、もともとこの役にはキャスティングされていなかったようです。
アンヌ隊員に決まっていた女優にドタキャンされた円谷プロのスタッフが、急遽起用したのが彼女だったようです。
すでに、ウルトラ警備隊の衣装も、その女優にあわせて作られていたらしいのですが、ひし美ゆり子に比べて、やや小柄だったため、彼女が着るとピチピチになってしまい、図らずも体のラインがはっきりと出るようになってしまったとのこと。
それが、8歳の少年の胸をときめかせた原因になったかどうかは定かではありませんが、ウルトラ警備隊のユニフォームを着ていた彼女は、やはり魅力的でしたね。
ドラマの中では、白衣を着ているシーンも多かったのですが、こちらもなかなか。
待てよ。
もしかしたら、僕はかなりの制服フェチかもしれんぞ。
思い当たる節はあります。
だとすると、その原点は、間違いなくアンヌ隊員のはずです。
彼女は、この「ウルトラセブン」の後は、東映の成人映画路線でバンバンと脱ぎ始めます。
タイトルがどれも凄い。
「ポルノ時代劇 忘八武士道」
「好色元禄㊙︎物語」
「高校生無頼控 感じるゥームラマサ」
どれも未見です。
もちろん、中には探せば手に入るものもあるようですが、アンヌ隊員に心ときめいたかつての少年としては、これをみるか見ないかはちょっと複雑。
見てみたい気もするが、見ない方がいいような気もする。
若い頃であれば、間違いなく見たかもしれません。
でも、この年齢になるまで未見ですと、いまさらいいかという思い。
そのあたりはかなり微妙になってきました。
アンヌ隊員のイメージを、そのまま残すか、残さないか。
しかしとりあえず、今はやめておくことにいたしましょう。
ウルトラセブンは、僕らの世代にとっては、欠かすことのできないビックアイコン。
その記憶のまま、保存しておくことにします。
ちなみに、僕はおそらく今でも、「ウルトラセブン」に登場した地球を侵略する宇宙人たちの名前は、すべて言えるんじゃないだろうか。
時折、懐古特集があるたびに、モロボシ・ダンの森次浩二とツーショットの彼女の姿をよくテレビでは見かけますが、相変わらずおキレイで、ホットといたします。
そういえば、話はそれますが、フルハシ隊員を演じた毒蝮三太夫(当時は、石井伊吉)は、ラジオ番組で地元の団地に来たのをナマでみましたが、やはり元気でした。
さて、少年時代に、胸ときめいた芸能人アイドルは、誰だったか。
これをちょっと思い出してみます。
まず、すぐ出てくるのがこの人。
ピンキーとキラーズの今陽子。
おそらく、芸能人アイドル系の最初はこの人だったと思います。
ピンキーとキラーズが、「恋の季節」で大ブレイクしたのが、1968年。
僕は9歳でしたね。
彼女が山高帽を被り、ステッキを持って、バックにキラーズを従えて歌うシーンは、強烈に覚えています。
我が家にも、レコードがありました。
人気絶頂だったピンキラを主演にしたテレビドラマ「青空にとび出せ!」は、毎回見ていました。
キャンピングカーで全国を回るストーリーで、ビートルズの「マジカル・ミステリー・ツアー」と、「モンキーズTVショー」を合わせたような内容だった記憶です。
ピンキーとキラーズの「恋の季節」をカラオケで歌う人は、今でもいるでしょうが、僕はそのあとのシングル「涙の季節」「七色のしあわせ」まで覚えてますね。
リードボーカルも、コーラスもいけますよ。
ただし、カラオケがないんですが。
さて、同じ時期に活躍したアイドル歌手で、マイ・アフロディーテと言っていいのがこの人。
黛ジュンです。
この人がブレイクしたのは、1968年のレコード大賞受賞曲になった「天使の誘惑」
♪
好きなのにあの人はいない 話し相手は涙だけなの
あの名曲です。
でも、僕はそれ以前の「恋のハレルヤ」も「乙女の祈り」も、覚えてますね。
その後の「雲にのりたい」や「土曜日の夜何かが起きる」なんてのも覚えてます。
しかし、それよりも何よりも、最も印象に残っているのは、「天使の誘惑」の大ヒットの後に出たシングル「夕月」です。
憶えている人いますかね。
♪
教えてほしいの 涙のわけを
実はこの曲、彼女自身の主演で映画化されています。
同名のタイトルで、松竹製作。
彼女のお相手だったのが、これが芸能界デビューとなった森田健作。
現在の千葉県知事です。
去年の台風の時、被災地ではなく、公用車で、まず自分の家の安否を確認しに行ったことで物議をかもした方です。
彼の役は、火災事故から彼女を助けるボクサーの役。
二人はやがて、淡い恋愛関係になりますが、当時の彼女は押しも押されぬスター歌手ですから、映画では当然ながらベットシーンもなければ、キスシーンもなし。
あったのは、ハグまででしたね。
艶っぽい役は、佐藤友美という美人女優が一手に引き受けていました。
そのボクサー森田健作は、事故で死んでしまいます。
そして、彼の思い出を胸に、主題歌「夕月」が流れる街を、黛ジュンが、一人歩いていくというラストシーン。
この映画を、当時9歳のボクは、間違いなく映画館で見ています。
おそらく、実写映画としては、ガメラやゴジラなどの怪獣特撮映画以外では、あの当時唯一見た記憶のある映画がこの「夕月」です。
そして、9歳のボクは、この映画のラストシーンで、映画館の椅子に蹲って号泣したんですね。
これは、今でも覚えている鮮烈な記憶です。
そして、もうひとつ。
黛ジュンといえば、何といってもミニスカート。
あの当時は、社会現象として、ミニスカートの大ブームがありました。
ミニスカートといって、僕が思い出すのは二人。
イギリスから、ミニスカートの使者として来日したモデルのツイッギー。
そして、もう一人が黛ジュンです。
彼女は、決して今のモデルのようなスラリとした美脚ではありませんでしたが、なんだかそれが妙にイロっぽかったのを覚えています。
そして、この人。
由美かおるです。
とても、芸歴の長い人ですが、僕が胸ときめかしたのは彼女のデビュー当時。
1967年から68年にかけての頃です。
この当時、日本テレビのバラエティ番組「レ・ガールズ」に、彼女は出演していました。
一緒に出ていたのは、金井克子や奈美悦子など。
金井克子は、後にあの「他人の関係」を歌った人です。
みんな西野バレエ団の面々。
その中で、由美かおるの魅力は、僕にとっては突出していました。
この番組のエンディンクで、彼女が歌った「いたずらっぽい目」という曲を、妙に記憶しています。
彼女は、後に映画「同棲時代」や「しなの川」に出演して、ヌードを披露しています。
インタビューに答えて「必然性があれば脱ぎます。」と言い放ったのは有名なお話。
その後は、なんといっても「水戸黄門」のかげろうお銀役。
この役で彼女はお約束の入浴シーンを、200回近く撮ったということ。
しかし、そのシーンを僕は残念ながら一度も見ていません。
それよりも、僕の記憶に鮮明にあるのは、アース製薬のホーローの看板で見た彼女。
必ず、水原弘のハイアースの看板とセットになって、街中のあちらこちらに貼られた時期がありました。
今でも、地方の山里に行くと、まだ残っているこの看板を発見することがあります。
見つけると、オジサンとしてはなんだか急にうれしくなってしまいます。
あれは、間違いなく昭和40年代の文化遺産。
きちんと残しておいて欲しいと思いますね。
さて、少年時代のアフロディーテ最後の一人は、この方。
岡崎友紀です。
この人は、1970年のTBSドラマ「奥様は18歳」でブレイクした人。
彼女が演じたのは、石立鉄男演じる教師の高校生の若妻という役どころ。
ボーイッシュで、とてもチャーミングな彼女は、下手に演じれば、生々しくもなりそうなこの役を、実にコミカルに演じて人気者になります。
実は、彼女は僕の出身校さいたま市立(当時は浦和市立)大原中学校の先輩でもあります。
とはいっても、彼女は中学校2年の1年間しか在籍していなかったようです。
但し、成績は優秀。
張り出される試験の結果発表では、必ず上位に名前があったと聞いています。
作詞や、ミュージカルの台本執筆もこなす才女だった彼女。
1982年には、加藤和彦と安井かずみ作った「ドゥ・ユー・リメンバー・ミー」を歌手としてヒットさせていますから、マルチな才能を持っていました。
確か、ソニーの御曹司と結婚したんじゃなかったかしら。
というわけで、生涯のアフロディーテ少年時代の7人は以上。
小学校時代の僕の胸をときめかせた女神たちを紹介いたしました。
さて、お次は、中学生時代にまいりましょう。
中学生になってくると、多少は色気も出てきますので、アフロディテたちもちょっと色っぽくなってまいります。
イラストはボチボチと描いておりますので、全部揃いましたら、またこのブログでご紹介させていただきます。