久々に、ミュージカル映画を見ました。
1949年の作品。
イラストを描くのに、画像を探したら、みんなカラーだったので、そのまま「色つき」にしましたが、映画はモノクロでした。
この頃の映画は、映画はモノクロでも、ポスターはカラーというのが結構ありましたね。
ミュージカル映画の入口は、僕の場合は、1974年の「ザッツ・エンターテイメント」から。
MGMのミュージカルの名シーンを集めたアンソロジー映画でした。
Part 3まで作られています。
ここから、遡ってミュージカルの古い映画をみていきました。
個人的には、フレッド・アステアのソフィスティケイテッドされたダンスが好きだったのですが、本作で踊るのは、もう一方の雄ジーン・ケリー
彼の踊りは、アステアに比べて、アクロバチックで力強いダンス。
彼は、この映画では、スタンリー・ドーネンと一緒に、共同監督もしています。
この「躍る大紐育」は、「ザッツ・エンターテイメント」の第1作目に、冒頭のナンバー「ニューヨーク・ニューヨーク」のシーンが紹介されていましたが、映画全編を見たのは、今回が初めて。
「ニューヨーク・ニューヨーク」は、フランク・シナトラでお馴染みのあのナンバーではありません。
同名異曲です。
でも、歌っているのは、同じフランク・シナトラ。
もちろん歌うだけではなく、達者なダンスも披露しています。
後年はシンガーとしてその名声を極めますが、この頃の彼は、歌って踊れて、演技もできるジャニーズ系でした。
お話は、ニューヨークに寄港した戦艦の乗組員3人の、たった24時間の休日顚末記。
絵に描いたような、ボーイミーツガール映画です。
とにかく、ミュージカル映画ですから、ストーリーの「ご都合主義」をツッこむのは野暮というもの。
やはり、歌と踊りで楽しむべき。
ジーン・ケリーといえば、代表作はやはり「雨に唄えば」「巴里のアメリカ人」
これは両方とも見ています。
「雨の唄えば」の共演は、デイビー・レイノルズ。
「巴里のアメリカ人」では、シド・チャリス。
どちらも、魅惑的なヒロインでしたが、本作の女優陣は、それに比べると、ちと影が薄いかも。
いやいや、それをいうのも野暮かもしれません。
実は、うちの父親が、タップシューズを持っていたのを覚えています。
それで、踊れたかどうかは知りませんが、母親と付き合っていた頃は、よくダンス・ホールでデートをしたと言っていました。
ダンスの名手フレッド・アステアも、この映画のジーン・ケリーも、けっしてイケメンとは言えない俳優。
しかし、その二人がひとたび踊り出せば、そのルックスを補ってあまりある魅力を振りまきました。
けして、イケメンではなかった父親が、はたして、そのハンデキャップを埋めるために、あのタップシューズを購入したのかどうかは、今となっては知るよしもなし。
マイケル・ジャクソンの登場で、「踊れる」ことは、もてる男の条件の一つに加わりましたが、息子の方はこれには完全に乗り遅れました。
とにかく、1949年といえば、日本では、先日見た小津映画「晩春」が公開されたのと同じ年。
その頃のアメリカでは、ここまで突き抜けて陽気な映画が制作されていたかと思うとため息です。
そりゃあ、戦争に勝てるわけないか。