ホーンテッド・サイト
2016年のアメリカ映画です。
監督は、ヒット・シリーズ「ソウ」を、ジェームズ・ワン監督から引き継いで、二作目から四作目までを監督したダーレン・リン・バウズマン。
WOWOWで録画してあったものを鑑賞いたしました。
「ホーンテッド」とくれば、まず例外なく「お化け屋敷もの」。
これに「サイト」がくっつくわけですから、インターネット環境を駆使して、ホームページか何かをモンスターの巣窟にした新手のホラー映画かなと期待しましたが、映画の方はインターネットとは関係なし。
内容はかなりローカルで、アナログな、旧態然としたホラー映画でした。
そもそも原題は、”ABATTOIR”ですから、「屠殺場」の意味で、インターネットとは関係なし。
邦題をつけた日本スタッフは、僕のような勘違いをする観客を確信犯で狙った模様。
ヒロイン・ジュリアを演じるのは、ジェシカ・ロウンズ。
彼女の姉と息子が自宅で惨殺されます。
犯人はすぐ捕まり、その家はすぐ一週間も経たないで売りに出されますが、すぐに買い手がつきます。
不審に思ってジュリアが、その家に行ってみると、なんと惨劇のあった部屋が持ち去られていました。
ジュリアがさらに追求していくと、同じようなケースが多発していることが判明します。
誰かが、事故物件から事故現場だけを取り去ってコレクションしている。
「買手」を調べてみると、なんとその住所は、ジュリアの生まれ故郷であるニューイングリッシュ。
恋人の協力を得ながら、ジュリアは、そこで何が起きているのかを知るために、故郷に車を走らせます。
というわけで、前半はなかなか面白い展開で、ホラー映画というよりは、むしろミステリー映画の味わいですね。
しかし、後半になってくると、映画は完全にホラー・モード。
クライマックスの、次から次へと畳み掛けるホラー特撮が、本作のウリになるわけです。
なにしろ、怨念のへばりついた事故現場を集めて、増築しながら屋敷にしているという設定なので、もうこれは完全に王道の「お化け屋敷」ものです。
右を見ても、左を見ても、いかにもゴーストが出そうな殺害現場が、次から次へと現れるのは、ちょうどディズニー・ランドのアトラクション「ホーンテッド・マンション」の味わいですね。
ヒッチコックや、ブライアン・デ・パルマがやりそうなカメラを360度ぐるぐる回す回転ショットや、ゴダールがよく使ったジャンプ・ショットも上手に使って、映像を盛り上げています。
映画冒頭では、とても大人っぽい印象のジュリアが、「お化け屋敷」で悲鳴をあげているうちに、段々と少女っぽく見えてくるのも面白い気がしました。
そうそう、1984年に「ストリート・オブ・ファイヤー」というカッコイイ映画で主演をしていたマイケル・パレの名前を、クレジットで発見。
思わず再見して探してみたら、いましたいました。なんと、ジュリアの姉と甥を殺す殺人犯の役。
この人、僕と生まれた年が一緒ですので、この時は54歳。
ちょっと複雑ですが、こういうのを発見すると、ちょっと嬉しくなつてしまいます。
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